夢魔
MIN:作
■ 第24章 実験9
一方保健室を後にした春菜は、トボトボと不安に苛まれながら、家路に付いている。
自分の精神状態が、普通じゃない事に対する不安。
誰にも見せた事の無い醜態を、ビデオに撮られていたかも知れないという不安。
そもそも、自分がそれをしてしまった事に対する不安。
そして、自分の根源的な欲望が、現れるかも知れないと言った、弥生の言葉の不安。
それらの不安が、グルグルと頭の中を駆け回り、春菜の心を責め苛む。
(どうしよう、どうすれば良い、どう成ってるの、どう成るの…私は…)
全身を包む不安感は、夜の道を1人家路に付いていると、どんどん強くなって行く。
その不安感に押し潰されそうに成った春菜は、弥生の言葉を思い出す。
[不安が強くなったら、飲みなさい]春菜はその言葉を思い出し、鞄に入れた薬袋を見つめる。
だが、それを打ち消すように、直ぐに別の言葉が思い浮かぶ。
「自分の根源的な願望が、目覚めるかも…]その言葉に、春菜はブルリと寒気を覚えた。
実は春菜は、自分にM気が有るのは、認識していた。
人に命令されると落ち着くし、痛みにも陶酔し受け入れる事ができ、露出にも興味が有る。
それは、学生時代からうっすらと感じ、認識していたのだ。
春菜は強く頭を振り、自分に言い聞かせる。
(でも、私のは違う…あ、あんないやらしい物じゃない…。アスリートだもの、監督やコーチの指示に従うのは当然だし、辛い事も好きに成らないと、厳しい練習は出来ない…、露出だって、自分の身体に自信が有るんだもの。鍛え上げた身体を、誰かに見られたいって言う願望は、きっと誰でも持ってる筈…)
春菜は必死に自分に言い聞かせると、直ぐ側の自動販売機に取り付き、ミネラルウォーターのボタンを押した。
自動販売機からペットボトルを取り出すと、一口飲み心を落ち着ける。
だが、そんな物で拡がりきった不安が消える筈も無く、春菜の右手は、自然に鞄の中に伸びていた。
(強いお薬って聞いたけど…。町のお医者様じゃないんだし…、学校の養護員の先生が出す薬だから…、市販の物と代わり無い筈…。きっと、大丈夫よ…きっと…)
春菜は自分に言い聞かせ薬袋から1包取り出し、水を口に含んで薬を流し込み、一気に飲み込む。
口中に拡がる苦い頓服の味に、春菜は急いで残ったミネラルウォーターを煽って味を消した。
春菜は強い不安感のため、鞄の中からもう1包薬を取り出し、口に含んで水で流し込む。
ケホケホと軽く咳き込みながら、春菜は2包の薬を飲みきった。
(どんな効き目があるんだろ…。どんなのでも良いわ…、この気持ちが消えてくれるなら…どんな物でも…)
春菜はペットボトルを残った水ごと、屑篭に捨てトボトボと歩き始めた。
薬を飲んで5分程が立つと、自宅のマンションが見えて来た。
春菜は学校が用意した、マンションには入らず個人で賃貸契約を結び、2DKのマンションに住んでいる。
バストイレとオートロック付きで、並みの上ぐらいのマンションだった。
(ふう…今日も…1日…終わったわ…。お風呂に…入らなくちゃ…)
春菜は自宅が見えて、ホッとしたのかニッコリと微笑んだ。
春菜の歩く姿はいつもと、さして代わり無い。
顔をスッと前に向け、微かな微笑みを浮かべ、1日の仕事が終わった安堵感すら、湛えていた。
だが、その表情や姿は、5分前の春菜には有り得なかった。
そして、今の春菜は、自分の身体に起きた変化すら、一切気付かず自室に向かう。
春菜の内股は愛液が流れテラテラとひかり、背筋を伸ばし大きく張った胸には、ブラを通してすら解る程、乳首がいきり立っていた。
春菜の表情は穏やかな微笑みを浮かべ、身体は欲情に燃えている。
弥生が春菜に与えた薬は、中枢精神抑制剤入りの催淫剤で、不安や恐れを抑圧し、判断力を低下させ、快感中枢を刺激する薬で、身体は激しく反応するが、それを抑えるモラルや判断力が働かなく成る薬だった。
そして、その分量は個人の体重に合わせ、厳密に決められていた。
春菜はそれを無視して、通常の倍の量を服用している。
その結果は、即効性・持続性・効能を強め、過剰な反応を春菜に与えた。
春菜はエレベーターに乗った時、内股のヌル付きに気が付き、スカートを捲り上げ股間に触れる。
「おふぉ〜ぅ…あは〜っ…きもちいい…」
春菜はそのまま、自室までスカートを捲り上げ、股間を撫でながら、マンションの通路を歩き、自室に入った。
自室に入った春菜は、[ほうっ]と熱い溜息を吐き、鞄を放り投げヒールを脱ぎ捨てると、歩きながら洋服を脱いでゆく。
(お風呂…お風呂を…沸かさなくちゃ…)
春菜は電気を付けながら、下着姿になり浴室に向かう。
お風呂の準備をすると、ブラを外し放り投げ、ビショビショに成ったパンティーを脱ぎ捨てる。
寝室に辿り着くと、大きな姿見の前に立ち、自分の全裸を鏡に映して
(綺麗な身体…どう…大きくは無いけど…筋肉で引き締まったオッパイ…プリプリしてるでしょ…。ほら…腕や…太股だって…太過ぎないし…カチカチでも無い…。抱き心地も…絶対良い筈よ…。オ○ンコも使い込んでないし…感度も悪くないわ…どうして…男が…寄ってこないの…こんな、いい女…居ないでしょ…)
全身を確認しながら、ウットリとした表情を見せる。
春菜の左手がソッと乳房に掛かると、右手は自然に股間にあてがわれる。
春菜がいつも取るオナニーの体勢だった。
鏡に全裸を映しながら、春菜は左右の手を動かし、快感を身体に刻む。
「あふぅ〜、くふぅ〜ん…いやん〜きもちいい〜…。もっと、…もっと〜ぉ…」
春菜は大声を張り上げ、鏡の前でオナニーを始める。
「くふ〜ん…はん、ああぁ〜ん…あ、あ、あ、ああぁ〜はぁ〜ん…オ○ンコ…オ○ンコきもちいい〜っ…」
春菜はあられもない声を上げ、快感を貪り、絶頂を迎える。
仁王立ちの股間からは、愛液が溢れ出しフロアリングの床に飛び散っていた。
そんな、春菜の耳に湯張りが終わった、アラームが聞こえ
「お風呂…お風呂に入って…ユックリ…しなきゃ…」
春菜は弥生に言われた言葉を思い出し、クルリと浴室に向かった。
浴室に入っても、春菜のオナニーは止まらず、身体を洗いながら、オナニーを続けた。
身体を洗い終わった春菜は、浴室の隅に置いて有る、ボディーブラシに目を向ける。
「あはっ…これ…強くすると…きもちいいかも…」
春菜はブラシを手に取り身体を擦るが、しなやかな弾力が有って、余り強く擦れず、頬を膨らませると放り投げた。
キョロキョロと辺りを見回し、目に付いたのはタオルだった。
春菜はそのタオルをお湯に浸けると、ブンと一振りしてみる。
タオルは重さを得て、春菜の望む音を立て、宙を切った。
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