夢魔
MIN:作

■ 第25章 胎動18

 志保里にすれば、ネチネチと続く教頭の説教を終わらせたい、只それだけの筈だった
 だが、志保里の身体は、別の答えを志保里に指し示す。
 志保里の腰が熱く痺れ、ツーッと内股を水分が伝う感触が走る。
 志保里はその感触に、ドキリとするが、真正面には教頭が居て、確認も出来ない。
 その志保里の変化はオドオドと、挙動不審になり教頭には手に取るように、理解できた。
 教頭は心の中で、ニンマリと笑うと
「では、この胸を見せ付けているのは、男性を誘惑するためなんですか?」
 指示棒を乳房の露出部分に押し当て、問い掛ける。

 志保里は今迄全く触れられなかった指示棒が、突然乳房を突いた事に驚いた。
 その行動が、自分にもたらした結果に、更に驚愕する。
 志保里は身体の奥底で、重い快感が子宮を揺さ振るのを感じた。
 全身に甘い陶酔にも似た、衝撃が走り、膣口が緩んで愛液を溢れさせる。
(うくぅ〜っ…な、何…これ…、教頭に突かれて、感じたの…? これは、本当に感じてるの…?)
 戸惑いは直ぐに事実を認識し、志保里を追いつめた。
(ぬ、濡れてる…。さっきは、もしやと思ったけど…今は、分かる…。私感じて濡れて居るんだ…こんなの変よ…)
 志保里はオロオロと、心の中で狼狽える。

 教頭はそんな志保里を見逃さず、一挙に畳みかけた。
「良いでしょう、貴女はご自慢の身体を晒して、人に見られるのが、お好きなようですね?」
 指示棒を志保里の乳房に突き立て、押し込んでゆき
「だったら、見て貰いなさい…。みんなに良く見えるように、その机の上で立って、職員室の先生方に見て貰いなさい!」
 短くなった指示棒で、志保里の机を指し示し、命令した。
 志保里の頬は赤く紅潮し、教頭の命令に頷くと、スリッパを脱いで机の上に立ち上がる。

 教頭は、パンパンと手を叩き、職員室内の教師の注目を集めると
「皆さん、叶先生からお願いがあるそうです。良く、聞いて上げて下さい」
 大きな声で、職員室の教師全員に伝えた。
「さあ、自分がどうして欲しいのか、自分の口から言ってみなさい!」
 教頭は机の上に立った、志保里を見上げ、命令する。
「わ、私は、はしたない格好で、人に見られるのが、大好きです…。どうか、皆さん見て下さい…」
 志保里は裏返った声で、職員室内の教師に告げると、両手を後ろで組み、胸を反らせた。
 その途端、志保里の身体の奥からドロリとした、体液が溢れる。

 教頭は目の前に有る、志保里の足を伝う液体に目を向け、それを右手の人差し指で刮ぎ、指に乗せる。
 志保里はその感触に驚き、教頭を見つめた。
 教頭は志保里に良く見えるように、人差し指を見せるとそれを口に含み、舐め上げる。
(あ、ああ〜っ…ばれてしまってる…私が、感じて濡れていた事…。教頭先生には…知られてしまった…。は、恥ずかしい…)
 頬を真っ赤に染め、足を摺り合わせると、志保里の子宮は再び収縮し、愛液を溢れさせた。
 志保里はそのまま、30分職員室の机の上で、自ら後ろ手に戒め、豊満な身体を晒し視線を受け続けた。
 志保里の頬は赤く染まり、瞳は陶然と蕩けモジモジと太股を摺り合わせる。
 その姿は、誰がどう見ても欲情しているのが、一目で分かった。

◆◆◆◆◆

 旧生徒会室で監視カメラを見ていた、狂が教頭の手際を見ながら
「まだるっこしい! ったく、しつこいったらありゃしねぇ! 稔よ…本当にあいつら、そのまま使うのかよ…? ぜってぇトラブル起こすぜ…。だって、ズブシロも良い所じゃん」
 稔に文句を言っている。
「仕方有りませんよ…、そうは言っても学校関係者の中では、彼らを排除する訳にもいかなかったんですから…」
 稔は腕組みをしながら、ディスプレィを見つめ、ボソリと告げた。
「理事長の奴か…。全く、あのおっさんも信頼するのは、どうかと思うんだけどな…」
 狂がブスッとした顔で、ボソボソと告げると
「また、その話しですか…もう好い加減、止めませんか?」
 稔は辟易した表情を作り、狂に答える。

 狂が稔に何か言い返そうとした時
「静かにして貰えませんか…? それで無くとも、この部屋は不協和音が多くて、瞑想には向いていないんですから…」
 真が絵美の前から、身体を2人に向け、人差し指を口の前に立て、聞こえるか聞こえないかの小さな声で、稔達に告げた。
 稔達が真に顔を向けると、真の前でジャージ姿の絵美が、結跏趺坐を組み瞑想を行っている。
 稔達は真にペコリと頭を下げ、謝ると
「ほら、怒られたじゃねぇかよ…」
「それは、狂があんな事を言うから…。それに、こんな所で修行をさせる事自体間違ってます」
「んだと! じゃぁ、お前はあのSEX魔神と絵美を、二人っきりにしろって言うのかよ!」
「だから、僕はそんな事を…」
 稔がそう言い掛けた時、2人の視界に影が落ちる。

 もめだした2人の前に、音も無く真が現れ
「貴方達は、自分の領域で邪魔をされる事を、嫌いますよね? 私が例外だと思いますか? それに、これ程貴重な経験をしている私に、水を差すのは本気で止めて欲しいんですが…」
 真が稔達に向かい、初めて見せるような、冷徹な表情で注意した。
 稔と狂は顔を引きつらせ
「はい、すいません…」
 真に素直に謝り、ディスプレィに目を向ける。
 真は絵美の前に戻ると、結跏趺坐を組み真言を唱え始めた。

 狂はディスプレイの映像を、仏頂面で切り替えながら、有る物を見つけニンマリと笑い、稔を小突く。
 稔は狂に視線を向けると、廊下の映像が映っている。
 映像には職員用の女子トイレ前に、保健室から戻った黒澤が映っていた。
 狂は監視カメラを、職員用女子トイレの個室ブースに切り替え由香を探す。
 由香は直ぐに見つかり、顔を上げながら、口を大きく開いて話している姿が映る。
 俯いて暫く考えると、再び顔を上げ話しを続けた。
 由香は返事を待ち、スカートを捲ると、トイレットペーパーで股間を拭い、パンティーをたくし上げ、個室を後にする。

 狂はニヤニヤ笑いながら、小声で稔に向かい
「へへへっ、このおっさんは、心得てるねぇ…。こういったフォローの方が、俺は大切だと思うぜ」
 囁いた。
「ええ、そうでしょう。この方が、学んできた事は、言ってみれば究極のハードSMです…。なにせ、対象が死ぬ事もざらに有りますからね…。技術的や理論的な物は、ダントツでしょう…」
 稔がそう言うと、狂は目を丸くしながら
「おいおい、ここで死人が出たら、事だぜ!」
 稔に告げると
「それは、大丈夫です。あの方は、昔の職場で40人以上を拷問して、1人も死者を出さずに、目的を遂げられています」
 稔はさらりと、黒澤の経歴を狂に話した。

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