夢魔
MIN:作

■ 第25章 胎動21

 4日目の女教師達の反応は、素晴らしい物があった。
 女教師達の眼前で、繰り広げられた黒澤達の仕打ちが、彼女達の意識に働いたのだろう。
 皆、衣服をはだけながら、夢中でオナニーに耽り、痴態を晒し指示にも素直に従って、身なりを整える。
 研修の3時間を過ぎても、茫然とした表情を浮かべ、余韻に浸っていた。
 教頭が頓服を配り終え、解散を命じると女教師達は、3つのグループに別れる。
 1つはPC教室で、茫然とするグループ。
 もう1つは、トイレに駆け込むグループ。
 そして最後の1つは、猛然と職員室に駆け込むグループだった。

 一番多いPC教室組は25人程で、次に多かったのがトイレ組の13人、最後の10人は職員室に入り、グルリと中を見渡す。
 職員室組のトップは、由香だった。
 無人の職員室を見て、ガックリと肩を落とす。
 だが、由香は直ぐに何かを思いつき踵を返した。
 由香の行動に気付いた、他の女教師達も直ぐに理解し、由香の後を追う。
 職員室組の10人は皆、黒澤が目当てであった。
 この10人は特に、被虐願望が強い者達で、黒澤の行動がその本質に拍車を掛けたのである。
 彼女達の中に有るのは、漠然としたイメージで、[自分の中に有る物を、黒澤なら教えて呉れる]そんな気持ちで、接触を試みようとしていた。
 只1人を除いては。
(黒澤先生〜! 何処ですか〜! 由香を! 由香を、教育してください〜!)
 由香は何度も心の中で、叫びながら黒澤の姿を探す。
 だが、黒澤の姿は何処にも無く、探す教師達も1人減り、2人減りとしていった。

◆◆◆◆◆

 由香が必死に探す黒澤は、旧生徒会室でディスプレィに映る、由香達の姿を見ていた。
 稔が操作する、監視カメラの映像に必死な顔をして走る、由香の顔が映っている。
 黒澤はその顔を黙って、腕を組み見つめていた。
「黒澤先生…、どうしますか? 本来ですと、教師全員が集まった状況で選別をする予定でしたが、彼女このままでは、帰りそうも有りませんよ…」
 稔の言葉に黒澤は、黙して答えない。
 更に30分が経っても、由香は廊下を走り回り、何度も教室の扉を開け、黒澤の姿を探す。

 稔がまた口を開き
「アンフェアかも知れませんが…。黒澤先生が良ければ、彼女をそのまま担当していただけませんか?」
 黒澤に問い掛けた。
「アンフェア云々じゃない…。彼女の面倒を見るのは、目覚めさせた私の責任だと思ってる…。だが、まだ早いな…もう少し様子を見させて貰う」
 稔に向かって、ポツリと呟く。
「そうですか…、そこまでお考えなら、僕はもう何も言いません」
 稔はキーボードを操作しながら、黒澤に答えた。
 稔は由香を追尾するように、1つのウインドウを設定すると、他の状況を確認し始める。

 稔がカメラを切り替えると、PC組も大半が帰宅の途に着いたのか、学校内には女教師の姿は減っていた。
 トイレでオナニーに耽る女教師が2人、PC教室ではまだ茫然とする春菜と、職員室の自分の席で項垂れる志保里、廊下を走り回る由香の5人になっていた。
 やがて、トイレのオナニー組も帰り、春菜も職員室へ向かう。
 稔が目線を由香の追尾ウインドウに目を向けると、由香は再び同じコースを折り返し、黒澤を捜している。
 30分程を掛けて、由香は学校中を回ると、廊下に座り込み泣き始めた。
「黒澤先生…」
 稔が首を巡らせ、背後を振り返ると黒澤の姿は、何処にもなかった。
 稔はその見事な気配の消し方に、呆気に取られながら、目線をディスプレイに戻す。

◆◆◆◆◆

 廊下にへたり込み、泣きじゃくる由香の背後に、音も無く黒澤が近付いた。
 由香は黒澤が接近している事に、全く気付かず泣き続けている。
 由香の真後ろに黒澤が立ち、ジッと由香を見下ろす。
 由香はフッと目を開け、自分の前に影が伸びている事に気付く。
 由香は驚きながら、顔を後ろに振り向かせ、影の主を認識すると泣き笑いの表情を浮かべ
「く、黒澤先生〜…」
 自分の探し求めていた、中年教師の名を呼んだ。
「どうした? 何を泣いている…」
 黒澤が由香に問い掛けると、由香はフルフルと首を横に振り
「な、何でも無いんです〜…。由香…由香…」
 黒澤に何か言おうとするが、言葉が出てこない。

 黒澤は由香に手を差し出すと
「躾けて欲しいのか…」
 由香に静かに囁いた。
 由香はドキリと顔を驚きに染め、コクリと頷いて
「黒澤先生…由香を躾けて下さい〜…」
 舌っ足らずな甘えるような声で、黒澤に懇願して頭を下げる。
 黒澤は、由香のまだ浮いている頭の後ろに足を乗せると、グイッと力を掛け床に押しつけた。
「私に物を頼むなら、頭はこの位置だ…。礼儀すら知らんのか…」
 由香は顔を由香に押しつぶされ
「ふぁひ…もうひわへ、ほあいあへん…」
 黒澤に謝罪する。

 黒澤が足を降ろし
「顔を上げろ…」
 静かに命令すると、由香はバネ仕掛けのオモチャのように、勢い良く顔を持ち上げ、黒澤の顔を見上げた。
 持ち上げた由香の顔は、真っ赤に興奮で染まり、瞳は潤んでいる。
「お前は今から、私の生徒だ…。その身体に、礼儀と作法を徹底的に刻みつけてやる。解ったか?」
 黒澤がそう告げると、由香は顔を廊下に擦り付け
「はい、よろしくお願いいたします」
 大きな声で黒澤に答えた。

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