夢魔
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■ 第26章 開幕11

 山源は光が堕ちた呆気なさに目を剥いたが、胸中を満たす感覚に更に驚いた。
 山源は合宿場でマゾヒストを下した感覚より、更に強い征服感と、充足感に満たされる。
(うぉ! こ、これが支配するって事か! これが、服従させるって事なのか…)
 今迄、人を踏みにじり、痛めつけた感覚の、更に遙か上の高揚感のような物が、山源を満たす。
 人の尊厳を奪うのでは無く、捧げさせる。
 それがどれ程の高揚感を持つのか、山源は始めて知った。
 そして、それを知った瞬間、光の主としての自覚と責任が産まれた事を、同時に感じ始めた。

 山源は光を見詰め、棍棒のグリップを持つと、ユックリ出し入れし
「光、お前はこれから、俺達のオモチャだ…俺達の命令には、服従するんだぞ…」
 ニチャニチャと音を立てながら、棍棒を出し入れし、言い聞かせた。
「あふぅん、はん〜…はい〜…、いっぱい…あん…あそんでぇ…くださいぃ〜…うく〜ん…」
 光は目を潤ませて、山源に擦り寄り甘えた声で、おねだりした。
「お前の、担当は俺だからよ、先ず俺の命令に従うんだぞ…、その次は、迫田先生、その次は山孝さんだ…」
 山源は光に説明すると、光がウットリした顔で
「はい〜…わかりましたぁ〜…うふぅ〜…うれしいのぉ〜…山元さまあぁ〜ん…やさしくてぇ〜…きびしくてぇ〜…すてきなのぉ〜…。えっちな、光を〜しかってくださいぃ〜…」
 山源の首に手を巻き付けて、擦り寄ってくる。
 山源はそんな光の反応に、有頂天に成りながら抱き締め、棍棒を抽出した。

 そんな、山源を見ていた山孝が
「おい、源! 好い加減にしねーか! 後は、手前ぇの家に行ってからやりやがれ! 飲みに行くのはどう成ったんだよ!」
 捲し立てるように、山源に言い放つと
「ですね…。予定より、時間が32分遅れています。早めにして下さい」
 迫田が神経質そうに、呟いて文句を言う。
 自分の上級者に苦情を言われた、山源は渋々立ち上がると
「光、用意しろ! お前が、一番準備に時間が掛かるだろ!」
 山源が光に命令した。
「はい〜、すぐに、準備しま〜す…」
 光が棍棒を引き抜こうとすると、山源がその動きを制し
「それはそのままにしてろ…、良いか咥え込んで離すんじゃないぞ」
 光に命令すると、光は身悶えして
「このままじゃ、パンティーが履けません〜…」
 甘えた声を上げて、訴える。

 山源はニヤリと笑って
「ばーか、変態女は、下着なんか着けねぇんだよ。そのままで、来い!」
 光に命令すると、光はモジモジとしながら
「は〜〜い、光は源治様の命令に従います〜」
 山源の名前にさん付けをして、身をくねらせた。
 そこに、無視し続けられた森が、残りの棍棒を持って、光のお尻に触れ何かしようとしていた。
「おい、森! 手前ぇ何する気だ?」
 山源が森に問いつめると、森は平然とした顔で
「いえ、1本余ってるから、アナルに入れようかと思って…。何か?」
 森が[何か]と言った瞬間に、山源の蹴りが、森の顔面にめり込んでいた。

 森は棍棒を取り落とし、ゴロゴロと体育館の床を転がって、パタリと動かなくなった。
「誰が手前ぇに頼んだよ! いらねぇ事するんじゃねぇ!」
 怒鳴った山源の声は、森には届かなかった。
 森は体育館の床に、大の字に成って伸びていたのだ。
 迫田と山孝が溜息を吐く中、山源は光に向かって命令する。
「おい、こいつをアナルに入れて欲しけりゃ、ねだって見せろ。変態のオモチャらしく言うんだぞ」
 光は山源に命じられると、少し考えて
「源治様〜、変態オモチャの光のアナルに、棍棒を入れてもっと、変態にして下さい〜感じさせて下さい〜」
 光は上体を屈め自らアナルを山源に突き出し、大きく尻タブを左右の手で押し開いた。
 山源は頷くと、棍棒をアナルに押し当て入れようとするが、その手を迫田に止められる。

 山源は興奮しきった顔を、怪訝に歪め迫田の顔を見る。
 迫田は、そんな山源の視線を受け止め、スッとポケットから右手を取り出し、山源に軟膏チューブを差し出すと
「これを使った方が良い。それと、こっちの方にも塗って、上げなさい」
 既に咥え込んでいる、オ○ンコの棍棒をズボリと引き抜き、山源の目の前に突き出した。
「あひゃぁ〜〜〜ん」
 光はアナルに刺激が来るのを待って居たが、全く別の刺激に悲鳴のような淫声を上げ、ペタリと座り込んでしまった。
「おい、源。お前ぇ〜の事だから、何にも用意してないんだろ? これも着けてやりゃ〜、喜ぶんじゃないか…」
 山孝がゴソゴソと、ポケットから50p程の細いチェーンを取り出し、シルバーのアクセサリーのような物と合わせて手渡した。
「こっちは乳首、こっちは下の豆だ…、これを使って、その軟膏と合わせると、飛び上がるぜ…」
 山孝はニヤリと笑って説明した。

 山源は頷くと、光を引き摺って急いで部室に向かう。
 新体操部部室前に着くと、山源が光に向かい
「俺も着替えて来るからよ、お前も手早く準備しろ」
 光を部室に追いやり、自分も下の階の柔道場に走っていった。
 光は山源の姿が廊下の端を曲がるまで見送り、姿が見えなくなるとペコリと頭を下げて、部室に入る。
 光の表情は暗く沈むどころか、期待に胸を膨らませ、瞳を濡らし頬を紅潮させていた。
 マゾヒストの性癖とサディストの陵辱をここまで安易に受け入れられたのは、大本は本人の資質だが、稔の教育と投与された薬品の力が、かなりの割合を占めていた。

 山源は柔道場に着くと、急いでポロシャツとデニムパンツに着替え、道場を飛び出す。
 階段を一挙に駆け上がり、廊下を見るが誰も居なかった。
 山源が慌てて、新体操部部室前に走り寄ると、中に人の気配がある。
 山源が躊躇せず扉を開けると、中では、光が全裸のままで化粧をしていた。
「あ、源治様…。今、お化粧終わりました」
 ニッコリ微笑み、薄化粧をした光が頭を下げる。
 源治はその姿に、ニヤリと笑いかけると
「お前、何で先に服を着ねぇんだ?」
 光を見詰めながら、新体操部の部室の中に入り問い掛けた。
「あ、まだ装飾をされると思いましたので、このままの方が都合が良いかと…。それに、お待たせするのも嫌ですから、先にお化粧を致しました」
 光は山源に向かって、頭を下げながらしっかりと答える。

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