夢魔
MIN:作

■ 第26章 開幕17

 クラブのカウンターで、男が1人グラスを傾けている。
 男は今しがた繰り広げられていた、鞭打ちを見ながらクスリと笑う。
(本当に、とんでも無いレベルに成って、帰って来てる…。あんなのが、11人も居るとなると、私もうかうかしてられない…。しかも、彼女で成績は半分以下だと言う…、後の者のレベルは押して量るべしだな…)
 男は自嘲気味に笑いながら、カウンターの中のウエイトレスを呼びつけ
「悪いが、さっきのボックスの女性達に、メッセージを届けてくれ。内容は、[少し野暮用が出来た、後で顔を出す]それで構わない…」
 メッセージを残して、立ち上がった。
 男は音も無く姿を移動させると、入り口に消えて行く。
 チームリーダーの黒澤は、自分のチームの実力を目の当たりにし、自分の担当も合流させる事にした。

 大城と2人でトイレに立った大貫は、黒澤のメッセージを受けて、残念そうな顔をして、メッセージカードを大城に渡す。
 大城はニッコリ微笑むと
「大丈夫ですわ、後で合流されると、書いて有りますもの…。きっとこの場は、私達に任せて大丈夫と、ご判断為されたんですわ…」
 大貫にメッセージカードを差し出した。
「ん〜…そうなら、良いんだけど…。黒澤様に、私の技術を見ていただきたかったわ…」
 拗ねたような顔で、大貫が呟く。
「うふふ、紗英様は、本当に黒澤様にご執心ですわね…。でも、確かに素敵な殿方では有りますわ…。威厳が有って迫力も厚みも兼ね備え、それにあの存在感…素晴らしいですわ…。私も、お相手していただきたいぐらいです…」
 大城がそう言うと、大貫が薄く微笑んで
「うふ、良いわね…奴隷が落ち着いたら、今度2人でお相手頼んでみましょうか? 洋子だったら一緒に、楽しむのも全然構わないわ…。奴隷達も含めて、大乱交しましょう。ご主人様は黒澤様只1人で、後はみんなで傅くの…」
 大貫は情慾に濡れた瞳で、大城を見つめ、艶然と微笑んだ。

 大貫は、実はずっと前から黒澤に思いを寄せていた。
 この学校に赴任して6年に成る大貫は、1年遅れて赴任して来た、黒澤に初対面から強く惹かれた。
 だが、自分の性癖を知っていた彼女は、その性癖がバレる事を恐れ、ずっと思いを告げずにいたのだ。
 それが、今回この計画が持ち上がり、黒澤も同じ嗜好を持ち、しかも自分より強者の立場にいる事を知り、大貫の胸はドキドキと早鐘を打つ。
 [自分の感覚は間違っていない、この方が私の主だ]と、強く思うようになった。
 大貫は、サディストとマゾヒストの両面を持ち、自分よりその強さが、上か下かでその顔を変える。
 思いを寄せていた、黒澤の存在は、大貫の中で偶像化され、盲従するレベルまで育っていた。

 大貫の提案に、大城が喜び
「紗英様、じゃぁ早くあの子達を堕としてしまいましょうよ…。そうしたら、きっと黒澤様もお喜びに成られると思いますわ」
 大貫に提案すると、大貫はニッコリ微笑んで
「ええ、そうね…。有り難う洋子…」
 そっと、洋子の唇に自分の唇を合わせる。
 暫く、舌を絡め合った2人は、[ほう]と熱い息を吐いて離れ、微笑み遭うと視線を引き締めた。
 合宿で同室だった2人は、完全にレズの主従関係を作り、大城は服従を誓っていたのだ。
 大貫が居酒屋で言った、[SEXにタブー無し]は全く持って、事実だったのだ。

 2人はトイレの中で、鞄からチューブを取り出すと掌から手の甲、二の腕まで軟膏を塗り、暫く乾燥させ、別の軟膏を取り出して、掌に馴染ませる。
 軟膏を塗り終えるとニッコリ微笑み遭って、トイレを後にし席に戻る。
 席に戻ると直美と奈々は虚ろな視線を漂わせ、ハァハァと荒い息を吐き、力無く悶えていた。
「あの薬って、こんな風に成るのね…。凄いわね…、合宿でもこんな効果のある薬、目にしなかったわよ…」
 大貫が直美と奈々の状態を見て、驚きながら呟くと
「多分、ここにある方が最先端じゃないんですか? 垣内様や稔様、それに今日始めてみたけど、源様の異常性は、あそこでも見れませんでしたもの…」
 大城が呟くと、大貫は自分の手を見詰め
「って事は、この薬も相当危ないかもね…」
 ボソリと呟いた。

 だが、大貫は直ぐに顔を引き締め
「効果を見るためにも、必要な事ね。この子達に実験台になって貰いましょ…」
 大城に小声で告げ、お互いの席に着いた。
 大貫の横に直美、大城の横に奈々が、グッタリとして荒い息を吐く。
 大貫と大城は直美と奈々を引き寄せると
「どうしたの…? 興奮しちゃったのかな」
 耳元に囁き、身体に触れた。

 直美は大貫に擦り寄られて、熱く潤んだ瞳を向け
「か、身体が…変なんです…。あ、あの…熱くて…ドキドキして…んふぅ〜…」
 自分の身体の変化に、戸惑っている。
「あら、それはね…、貴女が心から望んで、見てみたいと思ってたからよ…。興奮して、身体が過剰反応してるの…」
 そう言いながら、ヤワヤワと服の上から身体を撫でた。
「はうぅ〜…だめ…先生…感じちゃう…。こんなの、変です〜…」
 直美は目に涙を溜めながら、女性同士の愛撫と言う異常性に抵抗する。
「いいえ…全然変じゃないの…。女の身体は、女が一番知ってるのよ…。私も大城先生とはそう言う仲だから、良〜く知ってるのよ。ほら、気持ち良いでしょ…」
 大貫が直美の股間に手を伸ばし、パンティーをずらして、オ○ンコを撫でた。
「あふ〜〜ん、はん、はぁ〜〜ん…。やだ…きもちいい〜…大貫先生…きもちいいの〜…」
 直美はビクビクと身体を震わせ、大貫にしがみつき快感を訴える。

 大貫は直美を優しく引き剥がし
「どう? 気持ち良いでしょ…。もっと、気持ち良くして上げましょうか? 私の言う事を聞けたら、もっと気持ち良い事して上げるわよ…」
 直美の目を覗き込んで、妖しく問い掛けた。
 直美は俯き、モジモジとしながら
「でも…、でも…。恥ずかしい…です」
 大貫にボソボソと呟く。
「あら、ここはそう言う人の集まる所だし、誰も見ていないわ…。もし見てても、誰にも口外できないしね…。平気なのよ…ここでは…」
 大貫の声が甘く妖しく、直美の耳朶を打つ。
 直美は頬を真っ赤に染め、蕩ける目線で大貫を見詰め、コクリと頷き
「先生…して下さい…。教えて下さい…」
 小さくポツリと呟いた。

■つづき

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