夢魔
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■ 第26章 開幕20

 2人の視線はそのマスクに、釘付けに成りワナワナと震えている。
「ここに来る人達は、それ成りの地位を築いてる人達よ、病気の心配なんかも無いし、妊娠が恐いなら、青色の首輪をして行けば挿入はされないわよ…。その身体を思いっきり、感じさせられると、思うんだけどな…」
 大城が甘い悪魔の囁きを、2人に吹き込む。
 直美と奈々は大城の言葉が、本当だと頭では理解していた。
 このまま本能のままに、身体を委ねれば、恐ろしい程の満足感を得られる事は、確かなのだった。
 だがそれを行うのは、見ず知らずの男達なのだ。
 直美と奈々は燃え上がる快感に身を灼かれ、それが突き抜けず全身で燻っているような、今の感覚に身をくねらせながら、見ず知らずの人間に身体を委ねる恐怖感とを秤に掛けた。

 そんな悶々と悩んでいた直美と奈々に
「行かないなら、もう引き上げるわよ…。だってここに居ても、仕方ないんだし…」
 大貫が、冷たく2人に言い放つ。
 直美と奈々は、お互いの顔を泣きそうな表情で見詰め合う。
「今のまま、我慢出来るなら帰りましょ…。2人とも、家でオナニーに耽る事ね…。まあ、どんな事をしても、満足するなんて事は無いと思うけど、貴女達の決めた事なんだから仕方ないわ」
 大貫はスッとソファーから立ち上がり、ツカツカと出口に向かおうとする。
 大貫の冷たい言葉と態度は、直美と奈々の心を、突き堕とした。

 直美と奈々は身体を震わせ、大貫に躙り寄ると
「ごめんなはい…いかせて…いただきまふ〜…らから…らから、まっててくらはい…」
 涙を流し哀願した。
 大貫は、厳しく引き締めていた表情をニッコリと微笑ませて、直美の頬を優しく撫でると
「ええ、良いわ…待ってて上げる…。いっぱい、可愛がって貰いなさい…」
 直美の耳元に囁いた。
 直美の身体は、それだけで感じてしまい、ビクビクと震える。
 大城が直美と奈々に黒い全頭マスクを付けると、ウエイトレスの制服を着せた。
 真っ黒な全頭マスクに、真っ黒な革のバニースーツ、乳首にはクリップでティアドロップ型の飾りを付ける。
 直美は頭に豚の耳飾りを着け、奈々は猫耳を付け、アナルにはそれぞれの尻尾が差し込まれた。

 2人はお互いの姿を見詰め、その姿にドキドキと胸を高鳴らせた。
 大貫が2人の前に来ると、6色の首輪を2組両手に持って、問い掛ける。
「さあ、何色の首輪をして行くの? 自分で選びなさい…」
 直美と奈々はチラチラとお互いを見つめ合い、目で相談した。
 2人は何度か選び直して、青色の首輪を選んだ。
 大貫はそれぞれの首に、2人の選んだ青色の首輪を巻き付けると
「さぁ、行ってらっしゃい…。今迄、経験した事がないくらい、楽しめるわよ…」
 大貫が扉を指して、促すと
「顔は誰にも見られないのよ、思いっきり乱れて来なさい…」
 大城が命令する。

 2人はコクリと頷くと、フラフラと扉に向かう。
「終わったらここに戻ってらっしゃい、私達もここで楽しんでるから…」
 大貫が、2人に向かって言葉を掛けると、コクリと頷き2人は扉を開けて出て行った。
 2人の後ろ姿を見送った大貫が、妖しげに微笑むと
「でも、本当に最先端の技術ですよね…これって…」
 大城が、大貫の残った首輪を指し示し、感心して問い掛ける。
「ええ、こんなの普通実現できないでしょ…。ブラックライトの光で、色が浮き出るなんて…」
 大貫が言うと、大城が壁際のスイッチを切る。
 すると、蛍光灯の脇に付いていた、電球が切れ大貫の持っている、首輪の色が全て黒に変わった。

 2人が話し込んでいると、井本がソッとバスルームの扉を開け、室内の様子を伺う
「良いわよ、出てきても…」
 大城がぞんざいな言い方で、井本を呼ぶと
「さっさと、後片付けしてしまいなさい…」
 大貫が視線も向けず、井本に命令した。
 井本は垂れ目の奥から、鋭い視線を投げ掛け大貫を睨むが、何も言い返せず片付けを始める。
 井本が箱に近付き、留め金を外すと、壁面がパカリと外れた。
 井本は全ての、壁面と天板を外すと、1つのパネルを畳み始める。
 2m四方の箱は、あっと言う間に1mの立方体に変わった。

 井本はその他の道具も片付け始めると、扉が開いて1人の男が入って来た。
「おや、もう撤収かい? 少し遅かったようですね…」
 大きなトランクを引いて来た男は、低く渋い声で大貫達に声を掛ける。
「ああ、これは、黒澤様…。あ、いえ…黒澤先生…」
 大貫は、一瞬自分自身の妄想の中で、呼び慣れた方を使って黒澤を呼んでしまい、慌てて言い直した。
 黒澤は訝しそうに、首を傾げ真正面から大貫を見詰める。
 大貫は真正面から視線を向けられ、少女のように頬を染め視線をそらせた。
「どうかしましたか? 大貫先生…」
 黒澤の質問に、大貫は呼吸を整え
「いえ、何でも御座いませんわ…。今、あの子達はフロアーに出て、サービスする所ですの」
 大貫がそう言うと、黒澤は頷き
「こんなに早く、そこまで追い込んだんですか…。大したモノですね…」
 驚きながら、大貫の手腕を褒めた。

 大貫は照れながら俯き
「いえ、この支給されたお薬のお陰ですわ…。この薬はどれも、強力で恐いぐらいです…。少し、説明書より用量を減らした方が良いかもしれませんわ…」
 黒澤に進言した。
「確かに凄い薬ですよね…、私が使っている傷薬も凄いんです。一晩経てばみみず腫れ程度は綺麗に無く成りますし、皮膚が裂けた跡なども3日有れば塞がって、消えてしまいます…」
 黒澤は大きく頷きながら、大貫の言葉を認める。
 大貫はフッと黒澤の持った、大きなトランクに目を向けると
「あら、それは何ですの?」
 黒澤に向かって問い掛けた。

 黒澤は大貫の質問に、ニッコリ微笑むと
「ええ、皆さんの手並みを見させて貰って、一緒に仕上げてしまおうと思いまして、少し追い込んで、持って来たんですよ…」
 右手に持った大きなトランクの取っ手を握り、ボタンを押し込む。
 カチリとロックが外れる音がすると、黒澤はトランクを一気に引き上げた。
 トランクは底部を床に残したまま、スポッと外れた。
 床に残ったトランクの底部には、学校で黒澤の机の下に居たまんまの由香が、ピクピクと震えながら座っている。

 黒澤は大貫を見つめ
「今、こいつの腹の中には、2リッターの浣腸液が入っています。井本先生にでもオ○ンコを突いて、刺激して貰おうと思って」
 井本の方に向き直り、ニヤリと笑いながら話した。
 井本はブンブン首を縦に振り
「い、良いんですか?」
 問い掛けてくる。
「ええ、但し。優しくしてはいけませんよ。これは躾なんですから、激しく強くしないと意味がありません」
 黒澤は酷薄な笑みを浮かべ、井本に注意した。
 井本は何度も頷きながら、由香の身体にむしゃぶりついた。

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