夢魔
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■ 第26章 開幕22

 井本はそんな由香を下から見上げ、容赦なく腰を突き上げ、由香を責める。
(へへへっ…仕方ねぇよな…リーダー様の命令だからよ、お前をこんな風に突き上げるのは、俺も心が痛むんだぜ〜、俺を恨むんじゃねぇぞ…。まぁ、その姿じゃ、突いてるのが、俺だとは判りゃしないだろうがな〜)
 井本はニヤニヤと笑いながら、浣腸によりポッテリと膨れた由香の腹を撫で、皮の拘束衣で絞り出された乳房を揉みながら、腰をせっせと動かした。
(おほ〜っ…またこの女イキやがった…。オ○ンコがビクビク震えて、おもしれぇ〜…こいつ、何考えてんだろうね、こんなにされてまで、あのおっさんが良いのかねぇ〜…)
 井本はチラリと黒澤を盗み見すると、黒澤は刺すような視線で、ジッと井本達を見詰めていた。
 井本はビクリと震え、視線を由香に戻し、命令通り腰を突き上げる。

 由香は激烈な痛みの中、快感だけを求めていた。
 今迄自分を繋ぎ止めていた、様々な刺激がドンドン無くなって行き、今では膣を擦る快感だけに成っている。
 全身がバラバラに成りそうな苦痛、それを唯一忘れさせる快感。
 だが、それは一瞬で走り抜け、またそれを越える苦痛が、由香を苛む。
(いたい…くるしい…つらい…いたい…くるしい…つらい…あ、あはぁ〜…いたい…くるしい…)
 由香の中でそれは、無限のループの様に繰り返された。
 そして、そんな由香の中に、別の思考が始まる。
(まえは…なにか…あったのに…べつの…もの…こんな…くりかえし…じゃない…もの…うれしい…もの…)
 それと同時に安寧の坂道が、口を開く。
 それは、由香の感覚も、意識も、自我すら、真っ白く塗りつぶす道。
 全てを白く塗りつぶし、由香を染め抜き、忘却の住人に閉じこめる道だった。

 由香の頭の中に拡がる、様々な物が白に塗りつぶされ始める。
 極限の痛みが、由香の心を追い立てるように、由香の自我は白い光に向かって進み始める。
(あはぁ〜…きれい…いたくない…くるしくない…つらくない…)
 由香の意識は痛みや苦しみから、逃げるようにドンドン坂道を進み始めた。
 由香の身体からスッと汗が引き、身体の揺れが緩慢に成り始める。
 手を組みジッと由香の身体を見続けていた、黒澤の眉毛がピクリと跳ね上がる。
(来たか…。問題はタイミングだ…、自己崩壊に近ければ近い程、本能まで染められる…。だが、今の俺に見切れるか…)
 黒澤は自問自答しながら、その一瞬を逃さないように、ベストのサルベージ方法を模索しながら、由香の微妙な変化に目を向けていた。

 直美と奈々が個室を出て2時間が経ち、ボロボロに成った直美と奈々が帰ってくる。
 扉を開けてウエイトレスが入ってくると、2人とも高足の四つん這いで、室内に入って来た。
 全身精液まみれの2人は、四つん這いの身体を、フラフラと揺らし、足は今にも崩れ落ちそうにガクガクと揺れ、顔は上げる事も出来ず、床を見ていた。
 ウエイトレスが一礼して、リードを離して退室すると、2人はユックリ虚ろな顔を上げた。
 2人の目の前には、大貫と大城が立ち、にこやかに出迎える。
 2人は朦朧とした顔に、トロリとした微笑みを浮かべ、大貫と大城に擦り寄って行く。
「どう、気持ち良かったでしょ?」
 大貫の質問に、直美はトロリと蕩けきった瞳で、コクリと頷き
「はひ〜…こんなの…はじめてですぅ〜…あふぅ〜〜〜…」
 余韻にビクビクと腰を震わせ、絶頂を感じ、愛液と精液を膣から垂れ流す。

 直美と奈々は2人寄り添って、ウットリとした目線を絡め合わせ、お互いの顔に付いている、誰の物とも判らない精液を舐め合い啜り合った。
 その2人の視線がボンヤリと動き、部屋の中で動く者を見つける。
 2人には始めそれが何か判らなかったが、徐々に思考が戻ってくると、それが人間の女性だと気付く。
 そして、その下に寝そべり、その女性を突き上げている、男が居る事も認識した。
 男の顔がニヤニヤ笑い、ジッと自分達を見ている事に気付いた直美と奈々は、その男の顔を理解する。
「きゃー!」
「やだ、うそ!」
 男が同僚教師の、井本であると認識した2人は、弱々しい悲鳴を上げ、身体を丸めて床に踞る。

 大貫がニンマリと笑い2人に説明しようとした時、黒澤がそれを制する。
「私から説明しよう」
 その言葉は、重く深く強かった。
 キサラの店で女王様として、訓練され5本の指に入るまでの成績を収めた、大貫がピクリとも動けない程に。
 ソファーに浅く腰を掛け、組んだ手の上からジッと視線を2人に向ける黒澤の雰囲気が、ドンドン圧力を増し圧倒的な存在感と威圧感を湛えた物に変わる。
 黒澤の口がユックリと開き、直美と奈々に降り注ぐ
「何をしている…こっちを見なさい…」
 黒澤が放った言葉に、直美と奈々がビクリと震え、抗う事が出来ず顔を恐る恐る持ち上げた。

 その瞬間2人の視線は射抜かれ、身体を凍り付かせる。
 2人の視線は黒澤に絡め取られ、身動きが出来なくなった。
 黒澤はジッと2人を見詰め
「大貫先生や大城先生…そこの、井本先生とは同好の志だ…。今日は、私の調教に付き合っていただいている…。そこに居るのが、私が躾けているペットだ」
 顎をしゃくって、井本に突き上げられている由香を示す。

 黒澤に示された由香と井本を見て、2人は更に息を飲む。
 由香の格好をマジマジと見て、2人の顔から血の気が下がる。
 ガクガクと揺れる2人に、三度黒澤が声を掛けた。
「お前達とは、別の世界の物だ…、気にするな…。で、お前達は何がしたい?」
 黒澤の声に2人の震えが、更に大きくなる。
 直美と奈々が口をパクパクと開き、何か答えようとすると黒澤が、素早い動きで言葉を制し、視線を由香に向けた。

 由香の身体がカタカタと小刻みに揺れ始め、次第に振幅が大きくなる。
 (なにもみえない…なにもきこえない…なにもかんじない…ここはどこ…わたしは…なに…)
 フラフラと井本の上で揺れる由香は、度重なる苦痛のために、その精神を閉ざし始める。
 直美と奈々にサディストの姿を、見せ付けようとしていた黒澤は、由香の精神状態が崩れ、引き戻す限界の兆候を見逃さなかった。
 スッとソファーから立ち上がると、音も無く由香の側に擦り寄り、クリ○リスに付けられたゴムをを引きちぎり、井本の上から由香を引き抜くと、あっと言う間に拘束具を外し、聴覚と視覚を奪っていた物も外す。
 その上で由香の身体をギュと抱き締め、瞳を覗き込み
「帰って来い、お前は私の物だ…」
 力強く言い切った。

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