夢魔
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■ 第26章 開幕30

 恵美が驚いてそのリングを見詰めていると、掌のリングは振動を始める。
「こいつはな、お前の中に埋め込まれた、親機の信号を受け、お前が感じ始めたら振動を始める。更にお前が感じると親機が動き始めて、クリ○リスに付いたリングにも、信号を送る。だが、それだけじゃないのは、お前の身体の方が知ってるな? そう、お前がイキそうになったら、自動的に止めてくれるんだ…電撃でな…。変態行為を見て、お前は感じる筈が無い、軽蔑する行為だと、お前は言った。お前の言う事がお前にとって、事実なら、こいつは只のお飾りだ。だが、もし嘘だったら…、堪らない苦しみをお前にプレゼントする筈だ…。精々冷静で居るんだな」
 そう説明して、リングを恵美の掌から摘み上げ、箱に戻して背を向けながら、立ち上がった。

 呆気に取られている恵美に、山孝は振り返ると
「そうそう、無理に取ろうとしても、絶対に外せないから。こいつはパスワードで停止させない限り、電池が無く成るまで取れない。電池が切れるのは、多分2年後だ…」
 残忍な顔で補足した。
 恵美は戦慄すると、山孝の足にしがみつき
「い、嫌よ〜! す、直ぐに外しなさい! これを、今すぐ外しなさいよ!」
 必死の形相で、怒鳴りまくる。
「おいおい、勘違いするなよ…。それを着けたのは、俺達じゃないんでぜ…。そこの女が着けたんだ、俺達がパスワードなんか、知る筈ねぇだろ…」
 山孝は恵美を足蹴にして引き剥がし、輪姦されている光を顎で、指し示す。

 恵美は立ち上がり、光に飛び掛かろうとしたが、山孝が髪の毛を掴んでそれを止め、恵美を引き倒すと
「無粋な事するんじゃねぇよ! あいつは、今お楽しみの真っ最中だ。それにお前は、言ったぜ[最後まで見届ける]ってな。ちゃんと、最後まで黙って見てろ…それがお前の約束だ…」
 山孝は冷たい威圧を込め、恵美に言い放つと、恵美は項垂れ泣き崩れた。
 恵美は余りの酷い仕打ちに泣き崩れ、一挙に性的興奮を冷めさせたが、恵美の身体の中で溶け始めた媚薬が、身体に染み込み性感を狂わせて行く。
 泣き崩れる恵美の心臓が、ドクンと激しく波打つと、身体の奥が火照り始め、リングが動き出し楕円球が震える。
「あ、あ、あ、あ、あぁ〜〜〜…い、嫌〜〜〜っ…」
 恵美の虚しい悲鳴が、カラオケボックスに響き渡り、光の嬌声と絡み合う。

 30分後、光はテーブルの上で、だらしなく全裸の身体を晒し、四肢をダラリと垂らして、寝そべっていた。
 テーブルからはみ出た頭は、力無くのけぞり、その目は快楽の中で蕩け、視線を宙に彷徨わせている。
 時折快感がぶり返し、ビクビクと震える身体は、4人の精液と自分の体液で、ベトベトに成っていた。
 大きく拡げた股間からは、4人の精液と溢れ出る愛液が、糸を引き流れている。
 光は全身で快楽を感じ、何度も絶頂を迎え、満足の中で微笑んでいた。
 それと反するように、恵美は床に突っ伏し、啜り泣いている。
 何度も何度も、快感を感じ絶頂に昇りつめらされては、一瞬で叩き落とされ藻掻き苦しむ。
 苦痛を避けようとしても、火照りきった身体は、直ぐに快感に反応し、又絶頂の階段を上り始めるが、登り切ったと思った瞬間に、その階段から突き落とされるのだ。

 恵美はこうなる前に、何度も謝罪し、許しを請いかけたが、山孝達は恵美のその言葉を、巧妙に邪魔した。
 蔑み、なじり、あざ笑って、恵美の謝罪の出鼻を挫く。
 その度に恵美は自分の謝罪する行為が、悔しくて堪らなくなり、言葉を飲み込む。
 しかし、恵美は踞って啜りながら
(が、がまん…した…。できたわ…わたしの…かち…よ…)
 心の中で、疲労しきりながら、ホッとしていた。

 山孝が恵美に近付き、しゃがみ込んで髪の毛を掴むと、グイッと引き上げ
「へぇ〜…。頑張ったじゃねぇか…。良く保った方だ…」
 恵美を褒めると、恵美の瞳に力が戻り、口を開こうとした。
 しかし、山孝はニヤリと残酷な笑みを浮かべると、恵美を絶望の淵に叩き落とす。
「おい、第1ラウンドは終了したが、直ぐに第2ラウンドを始めるぞ…」
 山孝は山源達にそう言うと、恵美に向き直り
「夜はまだ長い…、精々楽しんでいってくれ…」
 恵美の髪の毛を放し、ユックリと立ち上がった。

 恵美の心は山孝の言葉を聞いて、音を立てて砕け散る。
 ブルブルと震えながら、這い蹲ると
「もう…もう、許して…。許して下さい…。お願いよ…、お願いします…」
 泣きながら山孝に謝罪した。
 山孝はその言葉を聞いて、ニンマリ笑うと、顔を引き締め直し、恵美にユックリと向き直ると
「そりゃ、お前は負けを認めたって、取って良いのか?」
 静かに問い掛けると
「は…い…、負けを認めます…。私は、何でも言う事を聞きますから…。お願いです、これを外して下さい…」
 恵美は泣きながら、土下座をして山孝に許しを請うた。

 山孝は再び恵美の前にしゃがみ、髪の毛を掴んで引き上げると
「じゃぁ、お前は自分の言った事を、嘘だと認めるんだな? お前は本当は、淫乱で変態だと認めるんだな?」
 恵美に問い掛けた。
 恵美は山孝の言葉に、力無く頷き
「何でも認めます…。私は、淫乱で変態です…。何でも命令を聞きますから、お願いします…。これを外して下さい…」
 屈辱の言葉を口にし、懇願する。
「はんっ! 偉そうな事を言った割りには、あっさり認めやがったな…。お前が淫乱で変態なら、俺達が使ってやる。文句ねぇな!」
 山孝が髪の毛を揺さ振りながら、問い掛けると
「はい…どうぞ、お使い下さい…。お願い…します…」
 恵美は諦めきった表情で、山孝に答えた。

 山孝は鋭い視線で、恵美の目を覗き込み
「態度は気にくわねぇが、良く言った。俺達が、お前の身体をどうしようが、それはお前の意志なんだな?」
 念を押すように、問い掛けると恵美は、力無い瞳を山孝に向け
「はい…全て…私の意志です…」
 唇を噛みながら、小さな声で誓った。
 山孝は満足そうに微笑むと
「それじゃ、俺の命令を伝えてやる。お前は、俺が良いと言うまで、それを着けてろ! お前の態度いかんでは、直ぐに外すかも知れないし、電池が無く成るまで、外れないかも知れない…。肝に銘じていろ…」
 冷酷な声で、恵美に命じて立ち上がる。
「そ、そんな…、それじゃ、約束が…」
 恵美は泣きそうな顔で、抗議をしようとするが
「俺の命令には絶対服従じゃ、無かったか? …。それに俺は、外すなんて約束…一度もしてねぇぞ…」
 冷たい目で睨み付け、恵美の言葉を一蹴した。
 恵美は項垂れて、又、啜り泣きを始める。

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