夢魔
MIN:作

■ 第27章 誓約3

 光が職員室を飛び出すと、それと入れ替えに京本が出勤して来た。
 京本の姿を見た途端、志保里が椅子から立ち上がり、職員室の入り口に向かって駆け出す。
 職員室の入り口で立ち止まる京本は、駆け寄ってくる志保里の姿を見て、唇の端を少し持ち上げ微笑む。
 志保里は京本の前に来ると、社会科の指導書を取り出し、質問をするふりをしながら
「お、お願いします…京本先生…何とかして下さい…。お願いします…お尻の穴の…外して下さい…」
 小声で京本に懇願する。
 京本はにやりと笑みを強めると、志保里の手に持った本を覗き込み
「どうやら、まだ躾が足りないようだな…。お前は誰に話し掛けてるんだ」
 京本は低く小さな声で、志保里に問い掛けた。
 志保里は京本の声にビクリと震えると
「あ、…あの…、済みません…ご…、ご主人…様…」
 唇を噛み眉根を寄せて、表情を歪めながら顔をそらし、小声で京本に謝罪した。

 京本は途端に笑みを消し、スッと志保里の前から移動すると、さっさと自分の席に歩いて行く。
 志保里は屈辱をかみ殺した表情を驚きに変え、京本の背中に追いすがり
「済みません! 済みません! 素直になります…ちゃんとしますから…。許して下さい…お願いします…」
 小声で京本に泣きついた。
「解っていないな…。お前の頼みなど、私は聞く必要は無いんだ。お前は自分で望んで、アナルにそれを飲み込んだんだ。違うか?」
 京本の刺すような視線が、志保里の目を射抜き、志保里を竦み上がらせる。
 志保里はオドオドと俯き、手を摺り合わせながら
「はい…誠に持って…せん…ご主人様の…仰る通りです…。私の…都合で…お呼びするのに…。ふ、不遜な態度を…取ってしまった…事を…どうか…、どうか、お許し下さい…」
 志保里は京本の横で、頭を深々と下げ、小声で謝罪した。

 京本は自分の鞄を机に置くと、志保里に向かって大きく溜息を吐き、職員室の入り口に向かって、顎をしゃくる。
 京本と志保里の態度は、傍目には失敗をした教師が、上司に謝罪しているようにしか見えなかった。
 京本と志保里は職員室を出ると、京本がボソリと志保里に告げる。
「お前は昨夜私に誓った事を、忘れた訳ではないだろうな? 生意気な態度が、どんな結果を生むか教えてやる。精々覚悟しろ…」
 志保里は京本の言葉に、総毛立ち
「す、済みません…許して…、許して下さい…。もう二度と、逆らいません、生意気な事も言いませんから…。痛いのだけは…許して下さい…お願いします…」
 京本に涙を浮かべて縋り付き、必死に哀願する。
「痛いのが嫌なのか? なら、痛く無ければ良いんだな? 良し…お前の言葉を聞いてやろう…楽しみにしていろ」
 京本はそう言うと、にやりと笑い志保里を引き立てて行く。

◆◆◆◆◆

 京本と志保里が出て行くと、直美と奈々が職員室に戻って来て、自分の席に座った。
 その時、春菜がおもむろに席を立ち上がり、職員室を後にする。
 直美と奈々が帰ってきた時、職員室の扉の向こうを、庵と沙希が通り過ぎて行くのが、ハッキリと春菜に確認出来たからだった。
(こんな朝早くに会えるなんて…嘘みたい…。一体あの2人は、こんな時間に学校に何の用があったの…)
 春菜は疑問を感じながらも、一心に2人の姿を追いかけて行く。
 職員室を離れると、試験休みの学校は全く人影が無く、2人の姿を識別するのは、容易だった。

 春菜は2人に追いつくと、必死の形相で声を掛ける
「待って! 待って下さい!」
 春菜の必死の声に庵が振り返ると、春菜は庵の前に身体を投げ出して、平伏した。
 平伏した春菜をジッと見下ろし、何も話さない春菜に
「何だ? 何か用か…」
 低い声でボソリと問い掛けると
「済みません…屑女が…お声を掛ける事をお許し下さい…」
 春菜はそう前置きをして、顔を持ち上げ、泣きそうな顔を庵に向けた。

 庵が身体を回して、春菜に正面を向けると
「何だ、言ってみろ」
 低く響く声で、春菜に問い掛ける。
「あ、有り難うございます…」
 春菜は庵の顔を見上げ、感謝すると頭の中に色々浮かんでいた質問を整理した。
(貴方は誰で、何の目的が有るの? 何でこんな事をするの? どうして、私なの? …)
 様々な質問が、一瞬で春菜の脳内を駆けめぐるが、春菜の口から出た質問は、全く別の物だった。

 春菜は、庵をジッと見詰めながら
「この、おちんちんが外れたら…私も、前田さんのように…変えてくれますか? 屑女の身分でも構いません、お仲間の端に、加えて頂けますか?」
 庵に質問した。
 庵はあまりに突飛な質問に、クククッとかみ殺した笑いを漏らし
「お前にそれが出来るか? 快感を貪るだけのお前に、それが出来ると、本気で思っているのか? お前、昨日何回イッた? 言ってみろ…」
 春菜に質問すると、春菜は頭を下げて
「はい、テニスコートの1回だけです」
 即座に庵に返事を返した。

 春菜の返事を聞き、庵の表情から笑いが消え、獰猛な大型獣のような雰囲気が現れる。
 春菜はその雰囲気を肌で感じ、ガタガタと震え始めた。
「お前…何かでカバーしたな…」
 庵の押し殺した低い声は、春菜の血の気を一瞬で下がらせる。
「は、はい…。タオルを…余りの刺激に…タオルを巻き付けて…しまいました」
 春菜はガクガクと震え、蒼白の顔で庵に答えた。
「顔を上げろ」
 庵の短い命令に、春菜の上体が弾かれたように跳ね上がり、正座した姿勢で庵の顔を見詰める。
 庵はジッと春菜を見詰め、春菜は庵の視線を受け止めるだけで、子宮が熱くなり愛液を垂れ流す。

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