夢魔
MIN:作

■ 第27章 誓約17

 春菜は床を舐め終えると、顔を上げる。
 顔を上げた瞬間、春菜の表情が硬く強ばり、四つん這いの姿勢から、ペタンと腰が落ちて床に座り込む。
 春菜の目線の正面に、ニヤニヤ笑う男が一人立って、ジッと春菜の行動を見ていたのだ。
 その男は、笑みを崩さずゆっくり春菜に向かって、歩きだした。
「霜月先生…何をして居るんですか?」
 男はカマキリのような容貌を、イヤらしい笑いで歪め、春菜に問い掛ける。
 春菜は項垂れながら、教頭の質問に
「はい…床を汚してしまったので…掃除をしておりました…」
 崩れた足を引き寄せ、正座をして手を突き、正直に消え入りそうな声で答えた。

 教頭はイヤらしい笑いを更に強めると
「はぁ? 良く意味が分かりませんね、どこが、何で、どう汚れて、どうやって掃除していたか、教えて貰えませんか?」
 春菜に粘つくような質問を投げ掛ける。
 春菜は更に項垂れ小さくなると
「あ、愛液で…床が…汚れたので…舐めて…掃除…していました…」
 全身を真っ赤に染め、小声でブツブツと説明した。
 教頭は春菜の小さな答えに
「はぁ? 何ですか…良く聞こえませんでしたよ? 私の顔を見て、もっと具体的に仰い」
 手を耳に当て、オーバーアクション気味に問い返し、春菜に命令する。

 春菜は俯いたまま下唇を噛みしめ
(くっ…、どうして…そんな事を…言わされなきゃ…いけないの…)
 屈辱に身を震わせたが、それを掻き消すように、庵の命令を思い出す。
(はっ…。駄目だわ…私は、命令されたんだわ。[屑女として恥を晒せ]そう、命令された…。あの方に…)
 春菜は顔を持ち上げ、教頭を見詰めると
「申し訳御座いません。淫乱な屑女の私が発情してしまい、愛液で床を汚してしまったので、自分の舌で舐め上げ掃除をしておりました」
 教頭に向かって、精一杯の微笑みを作りながら説明した。

 教頭はニヤニヤと嫌な笑いを浮かべ、春菜の前に近づき
「屑女? 貴女は、今自分の事を屑女と言いましたね? 屑女って、何ですか?」
 教頭はその意味を量りかね、曖昧に問い掛ける。
「はい、[屑女]とは、こう言う女の事を差しています」
 春菜はブラウスのボタンを手早く外して、前面を大きく開く。
 春菜がブラウスのボタンを外すと、たわわな釣り鐘型の乳房と、鍛えられた腹筋でキュッと引き締まった、滑らかなお腹が露わになる。
 春菜は沙希によってマジックで書かれた、屈辱の文字。
 乳房の[変態]と、お腹の[何でも、突っ込んで下さい]の文字を教頭の目に晒した。

 教頭は驚きながらも、ニンマリ微笑むと
「霜月先生、貴女は変態で何を突っ込んでも良い、屑女なんですか?」
 教頭が問い質す。
 春菜は内心歯噛みして[知ってるくせに]といらだちを覚えながらも、教頭の問いにブラウスを完全に脱ぎ、クルリと回り背中を見せて[使用制限無し]の文字を晒し
「はい、私の身体をどのようにでも、ご自由にお使い下さい…」
 滑らかな肩越しに視線を向け、教頭に頭を下げて告げる。
 教頭は興奮に声を裏返し
「よ、良し…じゃ、じゃあ…。オ、オ○ンコを見せてみろ」
 春菜に命令すると、春菜は身体を前に倒して、フレアースカートを、捲り上げお尻を晒す。

 艶やかなお尻に書かれた[屑女]の文字を見せると、腰を教頭に突き出し疑似男根に塞がれた下半身の全貌を晒して
「申し訳御座いません…。オ○ンコは事情により蓋をされておりますので、お尻の穴に好きな物を入れて下さいませ。[屑女]は何を入れられても、イヤらしい声を上げさせて頂きます」
 教頭に謝罪し、両手を尻タブに回し押し広げて、ヒク付くアナルを向けて懇願した。
 春菜は顔を伏せ、アナルを晒しながら、必死だった。
 教頭の今後の行動は、春菜の中では、春菜自身の判断基準の分水嶺に達していたからだ。
 ここまで恥辱を晒し、屈辱を口にしても、忌み嫌っていた教頭が、侮蔑の言葉を投げ掛け立ち去って行くのでは無いか? どんな事をしても、誰にも相手をされ無い、自分はそんな価値すら無い本当の屑なのか? それとも、好色の対象として、身体を貪って貰えるのか? 好奇の目であざ笑い、弄んで貰えるのか? 春菜は硬く強ばりながら、そんな考えの中でドキドキと鼓動を早め、教頭の反応を待った。

 教頭は自分が命じたにも係わらず、スカートを捲り上げお尻を突き出した春菜の姿に、固まっていた。
(お、おい…今は午前中で、ここは学校の廊下だぞ! な、何だ? 何で霜月はお尻を晒せる? しかも私に突きだして、好きなようにしろと…。こ、これ…い、良いんだよな…? また、工藤とかが来て…お預け食らわないだろうな…)
 教頭は過去の出来事を思い出し、キョロキョロと辺りを見回すが、誰一人出てくる気配が無い。
 ゴクリと生唾を飲み込み、目の前に有るたわわなお尻に目を向けると、教頭は思わず膝を突いて頬摺りする。
 春菜は突然柔らかい感触がお尻に当たってドキリとするが、それが教頭の頬だと分かると、ホッと胸をなで下ろす。
(よ、良かった…まだ、私を[価値ある物]と見てくれる人が居て…。昨日、テニスコートであんな恥を晒し、[屑女]と罵られた私を、まだ使ってくれる人が…必要としてくれる人が…居たんだ…)
 春菜は余りの喜びに、腰を振って教頭の頬に応え、お尻を掴む教頭の両手を無意識に掴んで、撫でさすった。

 教頭はその春菜の反応に驚き、動きが止まってしまう。
 実は教頭は、春菜が屑女に堕とされた経緯を知らない。
 春菜が庵と試合をしている最中、教頭は校長達に校長室に連れ込まれ、いかに合宿が辛い物だったか、愚痴を延々と聞かされて居たからだった。
 従って、教頭にはこの経緯が理解出来ておらず、ただ誰かの調教中だと思って声を掛けただけなのだが、思いも掛けず裸身を晒され、つい足を踏み込んでしまった。
 誰かが自分に叱責するかもと言う予感は有ったが、これほど魅惑的な状況を、押さえ込める程教頭の意志は強く無い。
(良いのか? 良いのか…。知らないぞ…。連れて行くぞ…? このまま…本当に、連れて行って…ヤッちゃうぞ…)
 教頭は春菜のお尻に顔を埋め、五感をフルに使い辺りの状況に気配を探る。

■つづき

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