夢魔
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■ 第27章 誓約23

 一方由香と出て行った直美と奈々は、人気のない校舎裏に辿り着き、由香に向かって問い掛ける。
「藤田先生。それって、黒澤先生に付けて貰ったんですよね?」
 奈々が由香に質問すると
「はい、そうです〜。オ○ンコとアナルを使って頂いて、いっぱい褒められて、授けて頂いたの〜。由香の宝物なんです〜」
 由香は満面に笑顔を浮かべ、股の前で手を組み身体をくねらせて、奈々に答えた。
「黒澤先生って…とっても、怖いでしょ? 藤田先生平気なの?」
 直美が由香に問い掛けると、途端に由香の眉毛が跳ね上がり
「黒澤先生を悪く言わないで! あの方は凄い人なんです! そんな言い方をするんだったら、由香は何も喋らないし、もう帰ります」
 由香の突然の剣幕に、直美と奈々は面くらい
「ご、ごめんなさい…、悪く言ったつもりじゃないの…。その、厳しそうな方だな〜って思っただけで、そう、悪気は無いのよ本当、ゴメン、許して…」
 直美は慌ててぺこぺこ平謝りする。

 由香は直美に謝られても、頬を膨らませジッと睨むように、直美と奈々を見詰め
「厳しいのと怖いのは全然違います〜。怖いのは、理由もなく怒る人で、黒澤様はそんな事絶対しません〜。本当にとっても素敵で、素晴らしいお方なんですから…。黒澤様の悪口言うと、絶対許さないんだから〜…。」
 ブツブツと口の中で、文句を言っていた。
 直美と奈々は顔を見合わせ、由香に再び頭を下げると、由香も気を取り直して怒りを解いた。
 直美と奈々は由香の怒りが解けたのを見て、やっと本題である謝罪の仕方を聞ける事になり、由香に事情を説明する。
 由香は2人の話を聞いて
「そんな事してたら、絶対怒られます〜…、礼儀知らずも良い所ですよ…。やだぁ〜、先生達と居たら私まで怒られそうですぅ〜…」
 由香はイヤそうな顔をして、一歩後ずさった。

 直美と奈々は慌てて、由香を宥め
「礼儀知らずは、本当に解ってるの…。問題は、どうやってそのお怒りを無くすかなのよ…」
 奈々が由香に真剣な顔で、詰め寄り問い掛けると
「え〜…。それって、もう先生達解ってるんじゃないんですか〜? 自分が服従する気持ちを、示すしか無いじゃないですか〜…。先生達、服従するのも躊躇って、謝罪するのも躊躇って…同じ事の繰り返しです〜」
 由香は間の抜けた声で、辛辣な言葉を2人に告げる。

 由香の言葉を聞いて、2人は愕然として項垂れた。
(そ、そうだわ…これって、躊躇ってるだけ…。謝るのは決まってるのに、方法を探すとか言って、問題を先送りにしてるだけよ…。全てを捨てる覚悟があるなら、何を置いても真っ先に謝罪して、許しを請うしかないじゃないの…。馬鹿だわ私って…また同じ過ちを繰り返している…)
 奈々が激しい後悔をしていると、直美はクルリと背中を向けて
「藤田先生、有り難う御座います〜…、スッゴク参考に成ったわ。それと、黒澤先生を怖いって言って本当にごめんなさいね!」
 由香に感謝と謝罪を告げて、走り出していった。

 奈々はその背中を見て
「あ〜! また置いてけ堀する〜! どうして直ちゃんって…。あん、もう待ってよ〜」
 文句を言いながら、直美の後を追って、全力疾走する。
 校舎裏にポツンと一人っきりになった由香が呆然とし、走り去る2人を見詰め
「変なの…、当たり前の事なのに、2人ともそれに気付かないなんて?」
 ポツリと呟き、頭をかしげた。

 直美と奈々が職員室前に戻って来ると、背後の小会議室の扉が開き、黒澤達3人が姿を現して何か話をしていた。
 直美と奈々は急いでUターンし、3人の元に駆け寄ると
「あ、あの…お時間を…頂いても…、宜しいでしょうか…」
 ペコリと頭を下げ、弾ませた息を整わせながら、直美が問い掛ける。
「あ、あの…大切な…大切な…、ご相談なんです…お願いします…」
 奈々も深々と頭を下げると、3人に懇願した。

 大貫が2人をジロリと見詰め
「良いわよ…。で、何なの?」
 冷たく問い掛けると、2人は萎縮しながら
「あ、あの…廊下では…少し、出来ない話ですので…。な、中でお願いしたいんですが…」
 小会議室をチラチラ見て、大貫に告げる。
 大貫は溜息を吐くと、クイッと顎をしゃくり、小会議室に入って行く。
「じゃぁ、それでは私はこれで」
 そう言って黒澤が立ち去ろうとすると
「あっ、ま、待って下さい黒澤先生! 是非黒澤先生も、お立ち会い願いたいんです…。お願いします」
 直美は慌てて黒澤を引き留め、同席を願い出た。
 黒澤は足を止めると、身体の向きを変え
「私もですか? ええ、構いませんが…」
 困惑顔で了承して、小会議室に入って行った。

 小会議室に入ると奈々が内鍵を掛け、直美は着ている服をイソイソと脱ぎ始める。
 後ろを向いていた奈々は、鍵を掛け終え振り返り、直美の行動に一瞬驚いたが、直ぐに奈々も同じ行動を取った。
 全裸に成った直美と奈々は、会議室の床にひれ伏すと
「申し訳御座いません! 今朝、私達2人は不遜にも大貫様を疑い、服従を反故にしようと思ってしまいました。どうか、どうかお許し頂き、再び服従を誓わせて下さい!」
「身勝手な言い分で、誠に申し訳有りません! どんな事でもします。どんな罰でも受けます。ですから、もう一度だけ私達にチャンスを下さい!」
 直美と奈々は床に額を擦り付け、必死の声で懇願する。

 大貫が黒澤の方を向くと、黒澤が軽く顎を引いて頷いた。
 大貫は婉然と微笑み頷き返すと、表情を引き締め、目線を大城に向け
「貴女達は、そのまま待っていなさい。大城先生、ちょっと道具を持って来て…」
 ニヤリと冷酷に微笑み、静かに告げる。
 大城はその笑みを酷薄な笑みで受け返し、頷いて小会議室を出て行った。
 直美と奈々はこの後どう言う展開に成るのか、内心ドキドキしたが、微動だにせず平伏の姿勢を続ける。

 数分後大城が鞄を持って小会議室に戻ってくると、再び内鍵を掛け鞄を大貫に渡し
「適当に見繕って来ました…。大貫先生のご希望に、添える物は入っていると思います」
 酷薄な笑みを強め大貫に告げた。
 大貫は鞄を開けて中身を確認するとニンマリと微笑み、目線を直美と奈々に向ける。
「どんな罰も受けるって言ったわね…、それは命に関わる事や一生消えない傷を作る事も含めてなの?」
 大貫が質問すると、直美と奈々の身体がビクリと震え
「は、はい…どのような罰でも、お受けします…」
 声を揃えて大貫に返事を返した。

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