夏休みと淫魔が巣くう聖堂
有利書:作

■ 第2章6

盗み撮影の儀式
栞と別れた茉莉は、部屋に戻って居た。
「いよいよ、明日か・・何か、緊張するなぁ・・。」
茉莉は、1人呟いていた。
プルロロロル・・・
茉莉の携帯の着信音が鳴り響いた。
「あ、もしもし・・」
茉莉が答えた。
「あ、如月さんです。」
と相手が呟き
「あ、佐久弥・・どうしたの?」
と茉莉が呟いた。
「いよいよ、明日だね・・」
佐久弥こと如月佐久弥が呟いた。
「え? あ、うん・・まあ・・。」
と茉莉が。
「あれ? どうしたの・・・もしかして緊張?」
これは、佐久弥。
「うん・・まあ・・ね。」
今度は茉莉が。
「と、とにかく、お互いがんばろうね・・。」
佐久弥が呟いた。
「え? もしかして、佐久弥も参加するの?」
茉莉が佐久弥に訊ねた。
「うん、そうだ・・きゃああ。」
佐久弥の悲鳴が聞こえた。
「佐久弥? どうしたの?」
心配そうに茉莉がつぶやいた。
「佐久弥ちゃん、白のパンティはいいのう。」
という声が聞こえてきた。
「おじいちゃん、電話中に孫のスカート捲るな。」
と、祖父を怒る佐久弥の声が聞こえてきた。
「スカートを捲られたのね。」
茉莉が呟いた。

「あ、ごめんごめん・・・」
おじいちゃんは、やる気満々だからねえ。」
佐久弥が呟いた。
「お爺さんが、撮影者?」
茉莉が、佐久弥に訊ねた。
「うん、そうなの・・今から盗撮してるし。」
呆れ声で、佐久弥が呟いた。
「こら、何時まで電話してる稽古の時間だぞ。」
父親らしき男性の声が聞こえてきた。
「あ、そういう事だから、明日深月神社で。」
とだけ、呟き佐久弥は電話を切った。


行事の朝
チュンチュン・・
二羽の鳥が屋根に止まって鳴いていた。
栞は、午前6時何時もより遅い目覚めだ。
茉莉は、寝像が悪かったのか寝まきである浴衣が乱れ膨らんだおっぱいと白色のパンティが見えていた。
栞は、普段着に着替え境内の身和鞠を行い落ち葉の清掃を行い境内に結界を張り巡らせた。
この結界を張り巡らせておけば落ち葉が必要時以外に落ちる事がなくなるのだ。
「行事は、9時からだっからま2時間程あるかな。」
栞は呟き、朝食を済ませては体を清め儀式用の装束に着替え薄いピンク色の口紅を塗った。
この口紅は、儀式用の物である為普段栞が使用することはないのだ。

「さて、行きますか。」
栞は呟き、境内へと姿を現した。
境内では、茉莉や佐久弥が来て雑談をしていた。
「お早うございます。」
栞は茉莉達に挨拶をした。
「でも、なんだか緊張すなあ・・。」
佐久弥が呟いた。
境内には、数人のカメラマンなどが集まり巫女庁から事前説明を受けていた。
巫女庁が、定めた行為以外の事を行わないようにするために行われたことであり要するに再確認である。
「そろそろ、時間ですね。」
栞は呟き、張巡らせていた結界を解いた。

時刻は、9時になり茉莉達が境内へ姿を現した。
境内には、突風が吹き栞達の髪がなびき袴が揺れた。
栞達が境内に姿を現すや、カメラマン達は掻く場所に散らばりカメラで栞達を撮り始めた。
茉莉は、ナギナタを構え佐久弥と見つめ合っていた。
茉莉と佐久弥の後ろには、カメラを構えたカメラマンが茉莉達をカメラに納めていた。

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