縄奴隷 あづみ
羽佐間 修:作

■ 第2章「ゲーム・サークル アトランティス倶楽部」5

MSN Messenger通称メッセ。
浩二に教えられたメッセでのチャットで、毎日のように問わず語りに今まであづみに起きた性にまつわる様々な出来事を話すようになっていった。
もちろん近藤 昌也との2年間のことも・・・。

「そっか^^ ほとんどの調教は受けてきたんだね^^ で、そのパーティが別れるきっかけになっちゃったんだね?!」
「はい・・・」
「無理に言わなくていいよ^^ 言ってスッキリするんならお聞きいたしますがね^^」

「はい… 聞いて欲しいんです。とても…
その時の私の事を知っている人がいて欲しいんです…」

「ハイ^^ じゃ教えて^^ その時のあづみの事を」

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−クリスマスパーティ 最後の夜−

ドキドキしながら店に足を踏み入れた。
「橘様、いらっしゃいませ!」
黒服のボーイが老紳士を奥へ誘う。
サチが鎖に引かれて着いて奥に向かった。

もう一人の黒服が現れ、あづみの前に立った。
「いらっしゃいませ。鹿鳴館へようこそ^^」
あづみの目を見ながら「ご予約のお名前は?」と尋ねる。
「あの・・・・・ 近藤です・・・」
「あっ、あづみ様ですね! お待ちしておりました」
「コートをお預かりいたします」

「えっ、 あっ はい・・・」
分かっていたことだけど、チャイナドレスの姿を晒す事に少しドギマギしてしまった。
平然を装うつもりだったのに、下着を着けていない不安が頭をよぎる。
ボタンを外しコートの前をはだけた。
袖から腕を抜いて、黒服に渡しす。
鮮やかな青緑のサテン地のチャイナドレスがエントランスのダウンライトに映える。
JAZZが流れる店の中へ、ドレスの裾が割れないように、小さな歩幅で彼の後について歩いていった。

豪華なシャンデリアの鮮やかな光に照らされた部屋は、、随分と広く、グレーを基調にコーディネートされたシックで落ち着いた内装で、フロアの向こう正面のスポットの当たったステージに向かって、ガラスのテーブルを挟む黒皮のソファのテーブル席が、ゆったりとした間隔で9つ配置されていた。
席の大半は既に招待客らしき着飾ったカップルがそれぞれ席を占め談笑している。

ステージ正面の前から2番目の席に案内された。
向かいのソファには、先程の橘という老紳士たちが座っており、彼らと相席だった。
サチという女の子が、床にうずくまっていたので、少し驚いた。
軽く目礼をして、あづみはソファに腰をおろした。
深々と身体が沈み、膝頭が浮き、左右のスリットからは、足の付け根まであらわになってしまった。
慌てて身体を起こし、深くかけなおして裾を引張った。
「お飲み物は何にいたしましょうか?」と黒服が聞いた。

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