縄奴隷 あづみ
羽佐間 修:作

■ 第3章「高倉由紀ビューティクリニック」8

あづみのような性癖の女の扱いに慣れているようで、少し強引なところが、あづみにはドキドキして気持ちが昂ぶってしまう。
久しぶりの一人暮らしで、未来や健一に逢えないのは寂しいが、チャットで自慰をする時は、誰に気兼ねする事もなく、大っぴらに身体を愛撫する事が出来る。
そのせいだからだろう…数日前の「★調教師」とのチャットでは、逝く事を告げる自分の声が凄くイヤらしく感じ、信じられないほどの快感があづみを襲い、気が遠くなりかけてしまった程だ。
仕事の都合で単身赴任になった事を知らせると、
『一人だったらHし放題じゃない!? 俺が実際に虐めてやろうか? フフッ冗談だよ^^ チャットの時にアンタを虐める道具がバイブしかないのはお前も詰まらんだろう?! 大人の玩具、もっと仕入れたらどう? もっとちゃんと逝かせてやるぜ!』と淫具の購入を勧められていた。

確かに、相手の性器に見立てて、バイブや自分の指で秘部を愛撫するが、自分の状態を伝える為にキーボードを叩くのが疎かになってしまう。
いやらしい自分をチャット中に知って貰うには、もどかしい限りだ。
身体に装着したまま、手が自由に動く”淫具”があればもっと気持ちいいだろうなと、あづみは思い、勧められるままの淫具を、通販で申し込んでしまっていた。
注文確認メールにあったお届け予定通り、今日マンションに品物は届いていた。
帰宅した時、マンションのエントランス横の宅配BOXに、届いていた大きな箱が目の前にある。
ドキドキしながら箱の中身を取り出し、包装紙を開ける。
購入を指示されていたのは、バイブやローター等の性具と共に、たくさんの木製のクリップだった。
プレイ用なのか、挟んだ跡形がつかない様に、先端の滑り止めのギザギザの凹凸が浅いものだった。
箱からビニール袋に包まれたものを取り出す時、使用される場面を想像するだけで、あづみは、もう蜜が湧き出しかけた股をよじり合わせながら、思わず深いため息を吐いた。
―どれくらい痛いのかしら?・・・
試しに、指先を挟んでみたがそのバネの弾力は強そうで、指先の爪は白くなり、痛いくらいだった。
パソコンに向かい、「★調教師」を探した・・・。

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