縄奴隷 あづみ
羽佐間 修:作

■ 第4章「覚醒」5

−麗香・ドッグスクール A−

麗香からのメールで
『縄が届いたら、1時間位、鍋で煮て、縄をなめすのよ。
よく乾かしたら、縄をタオルで、ゴシゴシしごいておきなさい。
早く貴女の肌に馴染むようにするためだから、サボらずにやるのよ!』と命じられていた。
―私の肌に馴染む…

『おまえの肌は、ホントに縄が馴染むなぁ! 肌にしっとり吸い付くような感じで喰い込んでいくなぁ!』
かつて昌也によく誉めてもらった言葉だ・・・
届いたばかりの縄を、早速鍋に入れて火に掛けた。

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―乾いてる^^
昨夜、届いた縄を鍋で煮た後、軽く脱水機にかけて、部屋の中に干したままにして出かけていた。

会社から戻って、化粧も落とさず、すべての縄をゴシゴシと拭いた。
縄のけばが、ポロポロ落ちて、床は藁のような糸くずで一杯になった。

あづみは、縄の準備が出来て、少し嬉しくなり、縄の束を持ち、頬擦りしてみた。
―あっ!… この匂い…
ズキンとした。
たちまち、蜜壷に淫らな液体が滲み出してきた。
―この匂いに包まれて、ギチギチの縛めをうけ、気が狂わんばかりの責めを享けていたあの頃…

バスルームに向かった。
裸になり、鏡に映っている自分を見て、とてもイヤらしい顔をしていると思った・・・

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「マリコはね〜、とんでもなく要領の悪い牝犬なの!
最初に教えた時は2時間も掛かったのよ!
今日はあづみに教えるつもりだったけど、貴女も一緒に復習のつもりで勉強なさい! いいわね! マリコ!」
「はい・・・」
「貴女もいいわね?! あづみ!」
「はい」

指定された時間に、グループチャットの用意された部屋に入ると、既にマリコがいた。
パスワード設定がされた、「自縛教室」と名付けられた部屋だ。
他の人は入ってこないが、あづみが入室している事は、外から見えるので、知っている人、特に陽子には見られない事を願うしかない。

マリコと二人で、麗香のページの『図解 自縛講座』のページを見ながら、次々下される縄の扱いを、一つずつこなしていった。

何年振りかで、あづみの肌を縄が這う・・・
講座の縛り方を見ながら、自ら縄を操る。
再びあづみの肌を締め付けていく。
あづみを翻弄し、何度も快楽の深遠に導いた麻縄の感触。
麻縄に染み込んだ『馬油』の匂いが、鼻をくすぐる。

ただ、マリオネットのようにあづみの身体を躍らせながら、あっと言う間に身動きできないように縛り上げた昌也はここにはいない。

あづみにとって、自分で拘束していくのは、思っていたより簡単だった。
散々縛られていく自分の姿を眺めてきたからだろう・・・・

―ああぁぁ・・・
自分で乳房を下から縄で持ち上げ、背中に縄を廻してきつく結んだ時、ギュっと縄が軋む音がして、思わず声が出てしまう程感じてしまった。

マリコは、中々上手に出来ないようで麗香に叱られてばかりいた。

『ホントにおまえは、愚図なんだねぇ〜! ちゃんと人の話を聞いてるの?! 変態の縄奴隷のくせに!』

「ごめんなさい・・・」

何度も叱られ、何度も謝るマリコ。
何処で、苦労しているのか、手に取るようにあづみにはわかる。
少しずつ自縛が完成していく様子が、文字で画面に表示される。

「マリコ! アンタ、濡らしてるんだろ、オマ○コ!」

「・・・はい・・・」

「どれくらい濡れてるの?」

「すごく・・・・ ベチャベチャ です・・・」

―マリコさん、濡れてるんだわ・・・
―わたしも すごく濡れていますぅ・・・・
早く次の命令が欲しい・・・・

もう5分くらい前に、縛り終えていたあづみは、腰をモジモジさせながら、麗香の言葉を待っていた。

「できました」
ようやくマリコが告げた。

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