縄奴隷 あづみ
羽佐間 修:作

■ 第5章「魔手」5

− 発 覚 U−

「せんせい^^ いらっしゃいませ^^ 」

「こんばんは^^ お招き、ありがとう^^」

「さぁ、どうぞ!^^」

あづみが、陽子のマンションを訪ねるのは、これで2度目だった。
陽子が引っ越してきた時以来になる。

店から普通に歩いて約10分の距離。
20分近くかけて、ゆっくり歩いてここまで辿り着いた。 
ゆっくりとしか歩けなかったのだった…
隆の指示通りに股間をT字に走る縄に固定されたバイブが、足を踏み出すたびに収縮する尻や太股の筋肉が左右に押しのけ、蜜壷の中を微妙に擦りあげる…。
クリトリスに当たるよう設計された舌のような柔らかい突起物が、肉芽を舐めてゆく。
何度も立ち止まり、肩で息をしながらようやく辿り着いたのだった。

1回のエントランスでエレベータを待つ間、カバンのポケットに入れたバイブのリモコンを手探りで探し、手に握り締めた。
エレベータで誰とも一緒にならなかったら、試してみようと思っていた。
幸いエレベータに同乗者はいなかった。

陽子の部屋のある8階のボタンを押した。
届いたばかりで使ったことがバイブなので、そおれの発する振動も音も確かめていなかった…。
−陽子ちゃんの前で、絶対使ったりなんかしちゃイケナイ…
でも、もし、陽子が席を外して、ばれない状況が生まれたら、使いたくなってしまうかもしれない自分がいることも知っていた。
動き出すエレベータの中でスイッチを入れて見た。

『ううっぁぁぁ…』

微妙な振動があづみの蜜壷の中で沸き起こる。
スカートの中で、こもったモーター音が微かに聞こえる。
−ぁぁぁ… き、気持ちいい… これくらいの音だったら大丈夫かもしれないわ…
自分で考えている事に気付いてあづみは愕然とする…
−陽子ちゃんの前で気付かれずに淫らなになりたい! と望んでいるんだわ…わたし…

夕刻の人が行き交う往来で、外から刺激を加えられず、ただゆっくりとバイブを喰い絞めながら歩いてきたあづみの身体からは、縄などでは吸収できないほど蜜を噴きこぼし、淫汁はストッキングのゴム止めにまで垂れ流していた。
擦れ合う内腿の濡らつく感覚で、その淫汁はおびただしい量だということもわかる…

8階に付く前に、恨めしそうにスイッチを切った。

陽子の部屋の前で、自分の姿をチェックした。

平静を装っていたが、あづみは極度に緊張している…・


陽子は、満面の笑みであづみを迎え入れてくれた。
玄関でブーツを脱ぐ時、足元が定まらない。
そして、声がうわずるほど、心臓が鼓動を打ち、興奮していた…・

あづみを姉と慕い、可愛い妹のように思っている陽子の目の前で、服の下に、牝犬の証:赤い縄で縛り、秘部にバイブを呑み込んだイヤらしい身体を隠している。
そう思うだけ、また秘奥が熱くなるのがわかる。
−なんていやらしいんだろう……
自分で自分に呆れてしまう。
もう一人のあづみが、『こんなことをしていちゃダメ!』と囁く……
何も悪い事をしているわけじゃないんだからと、身体の奥底から打ち消す声が聞こえる…

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