縄奴隷 あづみ
羽佐間 修:作

■ 第5章「魔手」11

−Net覗き−

新入会の「ハムいちろー」から素晴らしい提案がmastermcrに届けられた。
女性の部屋に、隠しカメラを部屋中に仕掛けて手に入れた覗き映像が手に入ったというのだ。
もちろん非合法だけど、彼が親しくしている人が、運営している個人サイトらしい。
「ハムいちろー」が、その友人にアトランティス倶楽部の事を話したら、まじめにエロを楽しんでいるサークルで、むやみにメンバーを増やさず、人物評価をしっかりしているようだから、会の運営コンテンツとして無料でリンクして使わせてあげるよと言ってくれたそうだ。


さすがに、見ず知らずの相手に、見つかれば、まずはお縄になるであろうコンテンツを開示するのだから、ログインするには、正規のプロバイダーのメールアドレスを求められたが、これは仕様がないだろうなと思い、早速申し込んでみた。
すぐさまIDが発行され、確保している何人かの画像の中から、独身の若い女性が覗けるURLが送られてきた。

どうせ蓮っ葉な女が、オナニーでもしてるエロ動画なんだろうとたかを括っていた。
サイトに入ってビックリしたのは、なんと本物の盗撮ライブ中継だったのだ。

「へ〜! 驚きだな、こりゃ^^」
音は聞こえないが、カメラが家中に配置してあるらしく、リビング、キッチン、トイレ、寝室、玄関と、死角がないほどで、角度をパーン出来ないが、選んだカメラの画像は拡大して見ることができる。

彼女がテレビを見だした時、テレビ横に隠されているカメラに映る女の画像を始めて見たときは、こちらが見られているような気がして、思わずドキッとししてしまった。
25歳くらいの独身らしい若い可愛い女だ。


毎日、結構夢中になって覗き見を楽しんでいた。
何回か見た裸は、胸も大きく綺麗な身体をしている。
ビデオウィンドウのタイトル欄に”YOKO”と書いてあるので、浩二は、この女を「ようこ」と呼んで、一緒に暮らしているような妙な感覚ある。
画面に向かって『おはよう!』などと挨拶を投げかける自分に気付き、苦笑してしまった。
ほんの数日で、すっかり怪しい魅力にとり憑かれていた。
女の普通の生活を覗き見する背徳の快感は、低俗だが妖しい魅力に溢れている。
本人はまったく知らないで生活しているようで、可哀相とも思うが、だからこそまったく普通の若い女性の日常が覗けるのだ。
有料エロサイトの、頭の悪そうな女達と違い、きっちり仕事を持って活き活き生活していそうなチャーミングな女だ。

覗きを題材にした猟奇的な映画を何本か見たことがあるが、作り物と違いその興奮は並じゃない。
毎日、凄く「YOKO」のことが気掛かりで、仕事中もふっと今、何をしてるのかなと考えてしまう事がある。
週末に訪ねてくる真梨子のことも、お座なりに扱ってしまうので、拗ねられてしまい、なだめるのに一苦労してしまった。
せっかくの極上サイトなので、メンバーへの案内は慎重に案内しなければならない。
漏れるとサイト運営者に迷惑が掛かり、なによりも見れなくなるのが何より惜しい。
直接、URLを案内せず、入浴シーンなど興味を惹きそうなシーンだけを抜粋して、ストリーミング配信する事に決めて、口が堅そうな何人かのside S メンバーに案内メールを送った。

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