縄奴隷 あづみ
羽佐間 修:作

■ 第5章「魔手」19

−リング−

研修初日、陽子は、常務の木島 紀子から恥ずかしい命令を受けた。
パンフレット用の写真撮影の為に、ビキニラインの全脱毛を受けろというのだ。
これはあづみに打診したが、断ってきたので、あづみの右腕である陽子にして貰いたいと言う。
恋人が居るわけでもないが、永久脱毛となると考えてしまう。

少し考えて、新規事業の為に出来る事はなんでも協力はしたいが、そこまでは恥かしくてとても出来ないと断ると、いきなり机の上に封筒が投げられた。

−な、なに、これ… どうして… 盗撮?!
手にとって開けてみると、それはあづみと陽子が裸で、絡み合っている写真だった。
顔からサーっと血の気が引き、手が震えてきた。
先日マンションであづみと抱き合った時のものだった。

−いったい誰が… 最上階の8階なのに… それに、どうして木島さんが持っているの?

「剃毛が恥かしいなんて言えるわね! これは、貴女と麻木さんね!」

「………」
顔が、かぁーと熱くなり恥ずかしくて、顔を上げられない。
「どうなの! 貴方達ね! ここに写っているのは!」

「………はい…」
「恥知らずに困った事をしてくれたわね! 貴女達は!」

ベランダのカーテンの隙間から撮られたらしく、先日高倉ビューティに送り付けられたもので、木島の独断で高額のお金で買い取ったものだという。
「それで、どうする、貴女?」

「あの…、どうって…?」
「警察に届けるかって事よ!」

「…それは…」
「会社として表沙汰になるのは困るから、犯人の言うがまま500万円ものお金で買い取ったのよ!
でもね、森さん。 これは、明らかに犯罪よ! 会社の事とは別の問題ですからね。 貴女達が訴えたかったら、訴えてもいいのよ!
それに、犯人が捕まれば、お金が戻ってくる可能性もあるわけだしね! 貴女、どうする? 訴えるの?」

−訴える!? 500万円… どうしたら…  表沙汰になる… 先生の立場は?…
頭の中で様々な想いが駆け巡る…
あづみにだけは、迷惑を掛けられない…
「どうするの? 森さん?」

「訴える事だけは…」

「警察には行かないのね?!」
「…はい…」

「ほほほ わかったわ。 警察には報告しない事にします。但し500万は貴女達への貸しよ! いいわね!」
「は、はい。 あ、ありがとうございます。」

「それにしても、女同士でふしだらな人達ね!」
「ほら、御覧なさい! この写真なんか、正視に耐えられないほどいやらしいわ!」
「ねぇ^^ 御覧なさいよ^^」

「……はい…  すみません…」
目の前に、陽子があづみの秘部に舌を差し入れる写真をヒラヒラさせられ、嬲るように陽子を叱責する。

「貴女達、いつからこんな関係なの? うちの会社に来る前から?」
「…いっ、いいえ…」

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