縄奴隷 あづみ
羽佐間 修:作

■ 第8章「縄奴隷」1

− 再調教1 −

公園から裸にコートを羽織っただけの姿でマンションまで連れ帰られたあづみに、横田が恐ろしい事を告げた。
さっきの川嵜らしい男性から、あづみの身体の代金として50万円受け取ったという。
「さき程のひとは?…」
不安げに尋ねた。
「あはは^^ 知りたいのですか? あづみ先生(笑)」
「い、いいえ… 」

ようやくコンタクトを外された目に映る横田の顔は、あずみの知っていた横田の顔ではなく、札束を振りかざしながら、あづみの身体を嘗め回すように見詰める様は、下卑た卑猥な表情で怖気が走った。
「あづみ先生は、これで立派な売春婦ですね! あはは^^」
「そんな…  ひどい…  あんまりだわ!」
「さぁ、これは立派に身体を打った代金ですよ。20万円は女衒の俺の手数料として頂いておきますからね(笑)」とあずみのハンドバックの中に札束を押し込んだ。

横田が、泣き崩れるあづみを抱え起こし、バスルームへと連れて行った。
「とにかく、エロ親父の精液で汚れた身体を洗ったらどうだ?!
臭くって仕方ないぞ! 牝犬、あづみ! あっはっは^^」

石井の問いかけに、「はい…」と涙声で答えた。
シャワーのコックを捻り、涙の流れる顔に強い水流を浴びせた。

ともかく一刻も早く身体から”公園の男”を洗い流してしまいたかった…
シャワーの強い飛沫を浴びながら、我が身に起こった忌まわしい出来事を思い出し、これからの不安に苛まれ、泣きながら懸命に汚れた身体を洗った…

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「さぁ、ちゃんとした牝犬奴隷になる修行をしましょうね! あづみ先生^^」
バスルームから引き出されたあづみは、縄できつく拘束され、目隠しで視界を塞がれた。

「久しぶりに休日のスケジュールは入れていませんから、今日から3日間、たっぷりと調教してあげましょう!
どんなご主人様にでも、献身的に仕えられる、素敵な淫乱牝犬になれるように、特別講師をお願いしていますから、頑張ってくださいね^^ あづみ先生^^」

「そんな…  これ以上知らない人に恥かしい姿を見せないでください! お願いします…」

「何言ってるんですか? あづみ先生^^ 縛られただけで、こんなに濡らしてるくせに!(笑)」
「あああぁぁぁ…」
−知らない人にこんな姿を見られ、調教される…
「誰だか判らないってのが、いいんでしょう?
それとも、知ってる俺達の方がいいですかね?! あはは^^」

大人しく待っているように言い捨てて、横田達は部屋を出て行った。

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10分も経っただろうか…
リビングから寝室に人が入ってくる気配がした。
−ぁぁぁ… だれ?…
近寄ってきた人物は、無言のまま、あづみの身体に触れ、縄を解き始めた。

肌を縛めるべき奔る縄の擦れる感触は、意思を持った蛇の如くあづみの肌を這いまわり、徐々にあづみに自由を奪っていく。
あづみの身体は、踊るように操られ、手際よく縄掛けされてしまった。
きっちりと食い込む縄から、ジワジワと怪しい甘美な感覚が湧いてきた…
−この人…凄く慣れてる…
石井や横田、まして自分で縛るのとはまったく違う感覚を縄が与えてくる。
身体を揺すられ、結び目が肌に喰い込む都度、身体の奥から熱いものが込み上げてくるのだ。
かつてこんな縛られ方を経験し、溺れるのが怖くて逃げ出したあづみだった。
再びこの一言も喋らない謎の人物によって、呼び覚まされようとしている。

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