縄奴隷 あづみ
羽佐間 修:作

■ 第8章「縄奴隷」15

− キャンペーン最終日 −

この日は、キャンペーン最終日・博多が会場だ。
連日、表の事業『セレブ フルボディ スペシャルエステ』の事業責任者としての仕事と、裏の事業「愛奴育成プログラム」の奴隷モデルをこなしていたが、それも今日で終わりだ。
表の事業の披露は、久しぶりに逢うあづみのお膝元の博多店スタッフ達の努力により、最終日に相応しい盛り上がりを見せて終了した。
後は、最後の『愛奴育成プログラム』のプレゼンテーションを残すのみとなり、控え室で時間がくるのを待っていた。
会場となるこのホテルは、初めて高倉由紀に逢った”ホテル全日航福岡”なのは、偶然と言えども、ここで聞いて、描いた夢とはかけ離れた皮肉な現実をあづみに強いていた。

毎日、違う人々の前で、愛液を溢れさせ、恥をさらしてきた。
厳重な審査を経て会員となり、秘密を共有する人達とはいえ、本名を明かし、文字通り臓器の中まで晒す事は、何度やっても恥かしく、その恥かしさに慣れる事はない…。
客席を向き、自らの意思のように、にっこり微笑みながら服を脱いでいく屈辱は、何度やっても恥かしく、脱いだショーツを濡らす淫汁の分泌は、回を重ねるごとに増えているような気がする。
強制的に脱がされたり、縛られたりする方が”仕方がない”と自分に言い訳が出来る。

今日が終われば、昌也からプレゼントとして、一日だけ、実家に帰る事を許されていた。
横田が、実家と連絡を取ってくれていたが、二度と逢えない覚悟をしていただけにとても嬉しかったが、困惑する気持ちがある。
あづみは番宣のHPしか見ていないが、家族は先日のTV放送を見ているはずなので、どんな反応が返ってくるのか正直怖い…

「そろそろ、行きましょうか? あづみ先生^^」
ドアを開けて入ってきた横田が、告げた。

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この1週間、全国で行ってきた恥かしいメニューが、ここ博多でも淡々と進行していた。
大勢の前で、感極まった声を張り上げて堕ちた陽子が、ステージで肩で息をして横たわっているところに、あづみがステージに引き出された。
あづみの口上の後、アナウンスがあった。
「どなた様か、この牝犬あづみを、縛って吊るしていただけませんか?」

会場から選ばれた男が壇上にあがり、縄を手に、あづみに近寄り、ドレスを脱がし始めた。
瞬く間に下着だけに剥かれたあづみは、後ろ手に縛られ、滑車で宙に浮いていく。
「ぁぁあああぅぅぅ……」

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