縄奴隷 あづみ
羽佐間 修:作

■ 第8章「縄奴隷」18

「さあ、行こうか!」と父親の古瀬 義男が立ち上がった。
「とうさん!? 行こうかって?」
「あはは^^ 今日は横田君と中州で豪遊じゃ! 夜は、おまえの部屋で寝させて貰うぞ! わっははっは」
「そ〜なのよ^^ 二人意気投合しちゃってねぇ^^ 今晩、おまえの部屋を貸してやってな。」と母親までが、後押しをする。
「そんなぁ……」
昌也を残して出てきた部屋… 淫らな生活の痕跡を発見されないとも限らない…
「でも、部屋は綺麗にしていないから、あちこちウロウロしちゃだめよ、とうさん^^」

「ああ、わかっちょるよ! なぁ〜横田君! あはは^^」
健二が車で駅まで送るからと、家の前まで車を回してくるからと家を出た。
横田が、テーブルの下からハンカチに包まれた”物”を渡し「これをトイレでつけて来い!」と小声で耳元で囁いた。
急いでトイレに行くと、想像通り、リモコンバイブだった……
親の前では、加減してくれているんだと感謝すらしていたのに、最後の最後になって…
秘奥のバイブは、車に乗り込む前から静かな振動を始めた。
泣きながら笑って見送る未来に手を振り、あづみも思わず涙がこぼれていた。
−なんの涙なの…

義男は、博多行きの「特急みどり」の中で年甲斐もなくはしゃいでいた。
横田とどこへ行こうとしているのか知らなかったが、「若くもないので、程ほどにしてね!」と釘を刺したが、この様子では無理だろうなとあづみは苦笑した。
ずっと上機嫌の義男の前で、バイブは、横田のコントロールで強弱を繰り返してあづみを苛んでいた。
横田は、父親の前でうろたえるあづみを楽しんでいた。
博多に着く直前、バイブは”強”に切り替えられ、あづみは、義男の前で一度逝かされてしまった…
義男に気付かれた様子がなかったのが、唯一の救いだった。

博多駅で、横田と、父親と別れた。
あづみは、一人タクシーに乗り、福岡空港に向かう途中、昌也から携帯電話が鳴った。

「はい。あづみです。」
『今すぐ、マンションに戻って来い!』
「ぇ… 私は、今から東京へ…」
『うるさい! 直ぐに来い!』
電話はそう言って切られてしまった。
仕方なしに、運転手に言って直ぐにマンションに向かった。

玄関を開け、下駄箱から首輪を取り出し、首に取り付けた。
習慣として帰宅すると必ずそうしている。

昌也は、リビングにいた。
「ただいまかえりました… あの…」
「脱げ!」
「…はい…」
シックな装いを、昌也の前で1枚ずつ脱いでゆく。
裸になったあづみを、昌也が手際よく縄で拘束していく。

鎖のリードを付けコートを1枚、肩から掛けられた。
「さぁ、行こうか!」
「あの…何処へ…」

「ふふっ^^ パーティだよ!^^」

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