Netに舞う女
羽佐間 修:作

■ 第1章 投稿小説「ちなみ 陵辱」14

 石野から香に関する報告がメールで届いた。

1.3年前まで結婚の約束までしていた付き合っている男がいた。
2.香の元恋人は、鈴木 陽一 36歳 立京大学の経済学部助教授
3.鈴木は、東京帝都大学の講師をしていたのだが、出世を望み立京大学学部長の娘と結婚し、香は捨てられてしまった。
4.鈴木は今年の春に、助教授に出世している。
5.鈴木はかなりのサディストで、香は鈴木と付き合った5年の間にみっちりと手解きを受け、マゾの快感を仕込まれたらしい
6.結婚してからも暫くは、肉体関係があったようだが、2年前に別れ、香は今のマンションに引っ越してきた。

 正式の報告書ではなく、箇条書きで要点だけ書いてあった。
「何だって!? ホントかよ…」
――ふ〜ん 香、マゾ女だったんだ。 くくくっ! て事は、やはり早川が亜久里 香で、菊池香は綾と同じように”麗香”を演じて小説に相乗りした見せたがり屋のマゾ女ってことかぁ!

 早速石野に電話した。
「石ちゃん。 メール見たよ。 ずいぶん早く調べてくれたな!」
(ええ。 その程度なら直ぐにわかりますよ。)
「サンキュ!助かったよ。」
(えっ! もういいんですか?)

「どういう事?」
(いやぁ〜もうこれ以上必要ないと言われれば止めときますが、マゾ女ってのに個人的に興味が湧きましてね! あははっ)
「石ちゃん、その手の趣味があったのか?」
(あれ?! ご存知ありませんでしたっけ?)
「あはは! そうなのか。 あははっ」
(ここからの分は僕の趣味の色合いがもありますのでサービスしておきますよ、藤堂さん)
「ふふっ そうか。 じゃ好きにやってくれたらいいや。 ついでと言っちゃなんだけど、菊池香と早川って銀行員のメールアドレスとか通信環境って調べられるのかな?」
(ふふっ もちろん。 得意中の得意ですよ。 じゃ分かり次第連絡を入れますから」
「ああ。 頼むよ」

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