Netに舞う女
羽佐間 修:作

■ 第2章 恥辱の命令5

− 再指令 −

 今日も神内オーナーがマンションの前まで車で送ってくれた。
 去っていく車を見送っている時、ツツーッっと右の太腿を淫らな雫が流れ落ちてきた。
「あっ、、、」

 ドアを閉めて鍵を掛けた。
 綾は今日一日、小説のちなみが命じられたとおり、講義中も、バイト先のロートンでもずっとショーツを着けずに過ごしてしまった。
 何度も、何度もトイレに駆け込み、いやらしく充血したスリットから溢れ、大腿を伝う愛液を拭わなければならなかった。


 Mr.Mの指令が綾の頭をよぎる。

『まず明日は、一日中ノーパンで過ごすんだ。 通学の時も、大学の講義も、バイト先でもずっとパンツ無しでいるんだ! そしてマンションに戻ったら、鍵を掛けずに玄関で素っ裸になって、尻をドアに向かっておっぴろげてオナニーしろ。』

――は、裸にならなきゃ、、、わたし、、、 そして鍵を掛けずに、、、
 玄関先で汗ばんだブラウスを脱ぎ、ブラジャーを取る。
 淡いピンクの乳首がしこって突き出していた。
 残ったデニムのスカートを足元に落とす。
 薄暗い玄関先で素っ裸で佇む。 染み一つない肌理(きめ)細やかな素肌が火照り、膝が少し震えている。

――わたし、、、裸なの、、、 オナニーするの、、、
 綾の心臓が、ドクッン、ドクッンと音が聞こえる程に心拍を刻む。
――誰かが、、、誰かがいきなりドアを開けたら、わたし、、、 だ、だめよ、、、

 綾はチェーンを掛け、そして静かに鍵を開けた。
 扉に背を向けそっと秘部に指を這わせる。
――あぁぁぁ、、、 こんなに濡れてるぅぅぅ、、、 わたしっていやらしいのぉぉぉ、、、

          ◆

「はははっ、写真の効果テキメンだな」
 真介は香の更新された小説を見て満足そうに笑った。 メールで脅した結果が早速サイトに反映されている。 

【Mr.M から 麗香へ】

変態麗香! よくも命令を無視してくれたな!

今日、お前が無視した命令を明朝、再度命じてやる。。
お前のむさ苦しいオマ○コの毛を写真BOXの中で鋏で短くカットしろ!

切り取った陰毛は写真BOXの椅子の上に置いておけ!
もちろん、いつもの出勤時間にだ。
そしてその無様な姿を、写真に撮りその場に置いていけ。
判ったな?!

【麗香 から Mr.M様へ】

今朝は申し訳ありませんでした。急な仕事でいつもよりうんと早い時間に出掛けなければなりませんでした。
けっしてご命令に逆らったわけではないんです。どうかお許しください。

明日は必ずご命令とおりにします。 どうか恥ずかしい証拠写真はお願いですからMr.M様のお手元に、、、

「はははっ。 恥ずかしい証拠写真ってのは、明日撮る写真じゃなくて添付した写真の事を言ってやがるな。 くくくっ」
 真介がメールのチェックをすると、新たに設定した早川のアカウントに香からメールが入っていた。

【件名:明日もお願い!】
早川 武明 様
香です。
今日は残念でした。明日はどうですか? 明日の朝、同じ時間に駅前の写真BOXへ行って頂けませんか? 明日はトラップじゃなく本当に麗香は写真を撮るはずですが、写真の回収はしなくていいので、取りに来た人だけを確認して欲しいんです。 どうかお願いします。

「くくっ。 まだ足掻いてやがる! 往生際が悪いねえ。 しかしやる気でいるじゃないか、かおるちゃん!」

 真介は早川に成りすまして文面を考える。 妙にウキウキしている自分に気付き、声をだして笑ってしまった。

――香には未だ早川の協力が得られると思わせておくか、、、

【件名:わかりました】
亜久里 香 様
早川です。今朝は本当にすいませんでした。明日は必ずその現場に来た男の姿を確認します。

「さて、、、お次はっと、、、」
 頭を「TODO」に切り替えキーボードを叩き始める。 真介はお気に入りの綾のために香に小説を更新させるつもりだ。 頭に思い浮かぶのは、夕方ケーキ屋ロートンで見た綾の姿だ。
 今日の綾は、なにやら頬を紅く染め、いつもとは違うぎこちない接客態度だった。 その様子から、香の小説の中でちなみが命じられたように綾もノーパンなのかも知れないと思わせた。
 その仕草は、いつも以上に綾を可愛く魅せ、そのスカートの中を確かめたくて仕方がない。
 真介が新聞を読む振りをしながら観察していると、時折ロングのフレアスカートの中で股をよじり合わせているとしか思えないような仕草までする。 眉間に微かに皺を寄せ、切なそうな表情を浮かべて周りの視線を気にしているようだった。
――堪らんなあ! 間違いないよな?!
 一気に綾の深部に迫る過激な課題が真介の頭をよぎる。
「いや、いかん!いかん! そういう願望を込めた目で見るからそう見えたのかも知れん… 焦りは禁物だ」と一人呟き、逸る心を落ち着かせた。
 真介はワクワクしながら香に書かせるちなみへの課題に思案を巡らせた。

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