にいちゃんのけんきゅう
ホモ:作

■ 6

オレの部屋は最近はクラスのワルガキグループの午後のたまり場になっていた。
きょうも、いつものように、竜、勇気をはじめとするワルガキが部屋にたむろしていた。そして、いつものワルガキにまじって、みなれない顔もあった。
オタクの斉藤だ。
斉藤は牛乳瓶のような厚い眼鏡をかけた男で、いつも、アイドルの写真をカバンにいれて歩いているようなやつだった。斉藤のたっての要求で、今日は、この部屋に、今日だけという制限付きで、入室を許可したのだった。
斉藤が、自分のカバンから、青いビニール袋をバリバリという音をだしてとりだした。
それを、俺にさしだし、耳打ちして「先輩に、この服、着せてもらえませんか?」といった。
クラスのワルガキたちの慣例で、にいちゃんは、「先輩」とよばれていて、なぜか、にいちゃんには、みんな、敬語をつかうのだった。
その服は、白のタートルネックだったが、丈が異常に短くすそのぶぶんがフレアのようなミニスカートになっているといった服だった。フレアの部分はピンクの色違いになっていた。
おれは、「いいよ」といって、にいちゃんを、押入からだした。
斉藤は、にいちゃんをみると、顔が真っ赤になった。うわさできいて、あこがれているらしかった。
俺は、にいちゃんにこの服を着るようにいった。にいちゃんにとってはいささか抵抗があるようだった。
にいちゃんが、その服を着ると、とても、すっとんきょうな印象になった。
上半身はピッタリしたタートルネックでそれは普通なのだが、その裾が胸の部分までしかなくて、その下がフレアみたいなミニスカートだから、へそから下が、まるみえなのだ。
にいちゃんは女としてみても耐えられるほどの、かなりの美形なので、いっそうこっけいにみえた。
斉藤は、俺に、この服はよなべしてにいちゃんのために作った服だと説明した。
にいちゃんが、その服をきにいったかどうか判断するためには、にいちゃんの○んこをみればよかった。にいちゃんの○んこはいままでみたこともないほどにぼっきしてうえにそりあがっていた。にいちゃんは醜い男にいじめられることにこのうえない刺激を感じることも、俺はしっていた。
斉藤はもはや、興奮して、話の内容がメチャクチャだった。
「ハアハア、はしのえみこちゃん、ハアッハアア」
斉藤はおれにまた耳打ちした。「はしのえみこちゃんのおどりをを先輩におどってもらえませんか?」
俺は直接交渉してくれといったら、斉藤は、にいちゃんのところにいった。
斉藤はしどろもどろににいちゃんに何かを交渉しているようだった。
にいちゃんは顔を赤くしてその話の内容にききいっていた。にいちゃんが首をたてにふった。
斉藤が声を大きくした。
「ええっと、これから、先輩が、はしのえみこちゃんのおどりをおどってくれるそうです、ええっと、拍手で拍子を、ええっと、みなさん、ええっと、とってください」
ワルガキグループは「ヒューヒュー、いいよいいよ、やりましょう!」と大喜びしていった。
それはテレビCMのうただった。部屋中の大合唱がはじまった。
「♪けーんかしーてー、ほしーの♪でーんわしーてーほしーの♪えみこのところにきてほしーの♪」
にいちゃんは、斉藤にふきこまれたとおりに、みんなのまえにしりをつきだしたり、みぎあしをチアガールふうにつきあげたりしておどった。大合唱のスピードは、どんどんはやくなっていった。
「♪けーんかしーてー、ほしーの♪でーんわしーてーほしーの♪えみこのところにきてほしーの♪」
にいちゃんはうたについていこうと、必死におどりのスピードをあげているようだった。
大合唱はしつこく何回もつづけられた。歌がおわった。
にいちゃんは、そうとうつかれたらしく、肩で息をしていた。
斉藤は、また、俺のところにきていった。「あの、先輩と、押入ですごしたいんですけど、あの」
俺は「いいよ」といい、斉藤とにいちゃんをドギマギしていた。
にいちゃんと斉藤を押入におしこんで、宴会の続きをはじめた。
ワルガキグループは、もうほかの話をしていた。
しばらくすると、押入の戸が、ゴトゴトとはげしく何回も鳴った。
どうやら、押入の中でなにかがおこっているらしかった。おれは、ほかのワルガキたちの話に耳をかたむけた。しばらくして、押入から斉藤がでてきた。
何か、勝ち誇ったような、勇ましい表情だったので、何がおこったか、わかった。
そのあと、にいちゃんが押入からでてきた。にいちゃんは、泣いていた。けつをみると、けつから白い液をたらしていた。
俺は、「ああ、やっぱりね」と思った。夜になって、みんなそれぞれの家に帰っていった。

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