にいちゃんのけんきゅう
ホモ:作

■ 7

次の日、斉藤が俺の家の玄関に立っていた。
顔がポーッとしてなにも見ていないような表情だった。
「えみこちゃんいますか?」
俺は「そんなやついねえよ。にいちゃんならいるよ」と言った。
斉藤は「先輩に会わせてください、ホットケーキやいてきたんです。2人で食べようと思って」と言った。
俺は、にいちゃんのことなら俺の部屋にいって交渉してくれ」と言った。
「おじゃましまーす」と斉藤はスリッパをはいて2階にあがった。
「えみこちゃーん、ホットケーキやいてきたよー」といって、斉藤は押入をあけた。
にいちゃんは押入のなかで水をのんでいた。
斉藤が突然怒り出した。「オメエ、なんでオレのつくった服着てねんだよ!」
斉藤は怒ってオリごと押入の外にひきだした。
バシャーン、と大きな音がして、オリごとにいちゃんはゆかに落ちた。
ゆかにひえとみずがちらばった。
俺はにいちゃんに事情を話し、オリからだし、昨日の服を着てもらって、斉藤としばらく部屋で過ごさせることにした。
にいちゃんのマゾにも20年もつきあえば、どうでもよくなってくる。
最近では、逆に、こっちがにいちゃんに利用されているような気がして腹がたっていた。
もうにいちゃんには飽きたし、斉藤に譲ってもいいかなとも思ったが、しかし、それはやめておいた。
「オレ、本屋行ってくる」といって、俺は家をでた。
しばらくして、部屋に帰ってくると、部屋には誰もいなくて、押入の中でゴトゴト音がしていた。
「そんな服着て僕を誘おうっていうの?僕には好きな女の子がいるんだよ」
斉藤の無機質な声が押入の中から聞こえた。
「そんな服着て僕を誘おうっていうの?僕には好きな女の子がいるんだよ」
斉藤はそのフレーズが好きらしく繰り返し繰り替しそのフレーズをつぶやいているようだった。
「そ、そういうことじゃなくて」にいちゃんの声がきこえた。
「おめえはこうしてほしいんだろ!?」ゴトゴトゴト、
押入の中でなにかしているようだった。
俺は斉藤に聞こえるように大きな声で、
「斉藤、1週間なら貸してもいいぞ」と言った。
「本当?じゃ、えみこちゃん、行こうか?」という声が押入から聞こえて、弱ったような表情をしたにいちゃんと、喜色満面の斉藤が押入からでてきた。
「じゃ、1週間ね」、斉藤はにいちゃんのおしりを右手でなでまわした。
そのたびに、にいちゃんは、斉藤から離れようとしていた。
玄関のドアの音がして2人は外に出たようだった。向かいの通りを2人が歩いていくのがみえた。
斉藤はにいちゃんのおしりを右手でなでまわしていた。
そのたびに、にいちゃんは、斉藤から離れようとしていた。

斉藤ににいちゃんを貸して1週間が過ぎた。
この1週間は、にいちゃんにえさをやらずに済んだので、本当に自由な1週間だった。
俺がにいちゃんにどれだけ拘束されているかがわかった。
どうせタダでひろってきたものだし、にいちゃんがいないことがこんなに楽なら、にいちゃんを斉藤に譲ってもいいかなとも思ったが、にいちゃんの横顔を思い出すと、譲る気はきえた。
斉藤の家にいったらガラス越しに、斉藤がにいちゃんの○んこをひっぱているのがみえた。
門のブザーをおしたら斉藤がでてきた。
「斉藤、1週間たったらにいちゃんをかえす約束だろ?」俺はいった。
「あの、ご、ごめん」斉藤はいった。
「おい、えみこ、豊がきたぞ!」
部屋にいくと、体中あざだらけのにいちゃんがいた。斉藤がつくった例の服をきていた。
にいちゃんは俺にだきついた。
「さ、斉藤さんがらんぼうするんです」とにいちゃんはいった。
「主人だろ!いいなおせ!」斉藤がいった。
「しゅ、主人がらんぼうするんです!」にいちゃんがいった。
どうもにいちゃんは、斉藤の家でお嫁さんの役をやらされていたらしい。
俺は、「いつもの靴下とちがうものをはいているじゃないか、かえてもらえ、そしたら家にかえろう」といった。
にいちゃんは、「あなた、チェリーの靴下をかえしてください」と言った。
にいちゃんには、寝ているときは女性用ガーターをつけさせているので、女性の体格をしているのだが、1週間それをつけていなかったので、大分、男性の体に戻っていた。
斉藤は、「ちくしょう!ほらよ!」といってにいちゃんに靴下をかえした。にいちゃんは靴下をはきかえて部屋をでようとした。
すると斉藤が、「その服かえせよ。ぼくのだぞ」といった。
にいちゃんは、「あなた、くれるっていったでしょ、このまえ」といった。
斉藤は、「言ってねえよ」といった。
にいちゃんはしぶしぶ服を脱いで斉藤の家をでた。
今日は、にいちゃんはつかれているだろうと思って、そのままおりにいれてねむらせた。
斉藤の部屋でなにをされたのかは、後日、にいちゃんの口からきくことにした。

今日は、にいちゃんに、斉藤になにをされたか、きいた。
個人的に興味もあったし、斉藤が本当のことをいうわけがなかったからだ。
俺はゆかにあぐらをかき、おりからだしたにいちゃんを目の前に正座させた。
「昨日までの1週間のことを話てみろ」
にいちゃんの○んこからは精液がダラダラと垂れていた。にいちゃんが極度に興奮していることの証拠だった。
「たいしたことはありませんでした」にいちゃんはいった。
「また斉藤の家に送ろうか?」俺はいった。
にいちゃんはあわてて話をはじめた。
「斉藤さんのお、お、お嫁さんの役をさ、させられまし、し、た、よ、よなかに、台所で食事のしたくをさせられたり、それから」といってにいちゃんはだまりこんでしまた。
「それで?」俺は大きい声でいった。
「よ、夜の相手をさせられました」にいちゃんはいった。
「具体的にいえ。うそをついてもどうせ斉藤に話をきくからな」」俺はわざと事務的にきいた。
「さ、斉藤さんのふ、布団にいれられて、セ、セックスの、あ、相手をさ、させられました」にいちゃんはいった。
「あとは?」俺はいった。
「顔の上にす、す」にいちゃんは、真っ赤になって、しゃべるのをやめてしまった。
「斉藤の顔の上にすわったんだな?」俺はいった。
「はい」にいちゃんはいった。
「あとは?いちいち俺に質問させるなよ、つづけていえよ」俺はいった。
にいちゃんは、斉藤の部屋で、はしのえみこの踊りをさせられたこと、SMプレイをさせられたこと、公園で露出プレイをさせられたこと、ショタマニアの撮影会に出させられたこと、そのオフ会で集団プレイの相手をさせられたことなどをしゃべった。
俺は内心あせっていた。
にいちゃんの存在が公に明らかになってしまったのだ。
おれはガタガタふるえていた。
撮影会なら、もはや、にいちゃんの写真は、複数の人間によって、何百枚も撮られていると考えてまちがいない。もはや回収は不可能だと俺は思った。
下の階で母親の声がした。
「豊、電話よ」
俺は電話にでるために下の階におりていった。
「もしもし」
老人の声だった。
「あ、もしもしイ?おたく、ゆたかくんのごしゅじんかエ?」
話がわからなかった。
老人はいった。「ショタアイドルのゆたかくんのごしゅじんかエ?」
それだけでどういうことかがわかった。ショタマニアのメンバーの老人からの電話だった。
どうも、にいちゃんは「ゆたかくん」という名前をつけさせられているらしい。
「ゆたかくんを1週間貸してほしいんじゃけど」

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