にいちゃんのけんきゅう
ホモ:作

■ 9

にいちゃんは、もう、俺ひとりのものではもうない。
にいちゃんは複数の人間の恋人だ。
ガランとした部屋で俺は毎日ボーッとしている。美津子ともわかれた。
美津子は、しょせん、にいちゃんをいじめるための道具でしかなかったのだろうか。
斉藤からは、たまに段ボールでにいちゃんの映っている作品が送られてくる。
市販されている作品のほかに、斉藤個人のクレジットの作品も混じっていた。
斉藤は、実に陰湿な男で、自分が、いかににいちゃんをいじめ、可愛がっているかを俺にみせしめるためにビデオに撮って送ってくるのだ。
その中にショタオフ会のビデオがあった。
にいちゃんがどこかの家の部屋で複数の中学生らしきオタク男たちにかこまれている。
「ゆたかくんのとうじょうでーす、わーい」という歓声とともにサンダーマスクのマークのはいったハイソックスだけのかっこうのにいちゃんが登場する。
斉藤が映っている。
「ゆたかくん、どこにすわりたいの?」と斉藤。
「お、おにいさ、ま、のひ、ひざのうえに、す、す、すわらせてください」とにいちゃん。
斉藤にだっこされるにいちゃん。
「えーっと、ゆたかくんはおさけがのめないので、ジュースをのみまーす、わーい」
斉藤がソーセージを皿からとってにいちゃんに食べさせる。
「はい、ゆたかくん、ちびっこソーセージ」と斉藤。
オタクの集団が「ヒヒヒ」と下品に笑う。
「ゆたかくん、はずかしがらないの。はい。ソーセージ」と斉藤。
真っ赤になったにいちゃんの顔を箸でつつきながら、斉藤がにいちゃんにソーセージを食べさせている。
「お、おいしかったよ」とにいちゃん。
「ゆたかくん、いろいろなおにいさんたちにかわいがってもらおうね」と斉藤。
にいちゃんは、それぞれのオタクたちのひざにのせられ、箸やフォークでいたぶられるのだった。
「しんたいけんさ」という芸がはじまった。
にいちゃんがしこまれたらしきせりふをいう。
「ぼ、ぼくのからだ、け、けんこう、かどうか、しらべ、て、く、ください」とにいちゃん。
にいちゃんはオタクたちに執拗に検便、検尿などをされるのだった。
「けんこうなゆたかくんには、いけないことをおしえちゃおうかなー」とオタク集団。
最後はにいちゃんをかこんでオタクたちが集団プレイをするのだった。
にいちゃんのいない暮らしは穴があいたようだが、もう監禁のことでビクビクしたくない。
斉藤には腹が立つが、もうこのことはあきらめようと思った。



今日は、にいちゃんのショタオフ会に出席した。
ビジネスホテルの一室だった。
ビールや日本酒でもりあがったころ、例の、幼児用ハイソックスだけのかっこうのにいちゃんが部屋にはいってきた。
「これから、ぼくは、みんなとあそびたいです。」
一同はどよめいた。ワー、ワー。
「そのまえに、ぼくがくさくないか、みなさん、かくにんしてください」にいちゃんはいった。
小学生らしきマニアから、中年男、老人までいたが、皆が好奇の表情になった。
にいちゃんは、俺のところに歩いてきた。
「おしりのあなは、くさくないですか?」にいちゃんは俺の鼻の前にケツの穴をつきだした。
おれは、反射的に、にいちゃんの肛門に鼻をうずめた。
一緒にいたころはよく毎日こうしてにおいをかいでやっていたものだった。
「ま、まあ、そんなにひどいにおいじゃないよ」
わざと風呂にいれていないらしく、にいちゃんの肛門は鼻がまがるほど臭かったが、社交辞令を言ってしまった。
にいちゃんは、ほかの男のところにいった。
「ぼくのくつしたはくさくないですか?」
20才も年下の子供にも平気でケツや○んこをつきだすにいちゃんはさすがだ。
「ぼくの○んこはくさくないですか?」
にいちゃんはいろいろな男に自分の体臭をかがせた。

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