桜怜ちゃんグラマラスデイズ
わたる:作
■ 6
桜怜は最初、男子ばかりの中に自分が転校すれば、周りが積極的に仲良くなろうとするだろうと思っていた。
進んで学校を案内してくれたり色々教えてくれたり、それなりにチヤホヤされるだろうと思っていた。
しかし実際は誰も桜怜に話かけようとはせず、ただ桜怜の顔やおっぱいをジロジロ見るばかり。
今頃教室では桜怜の胸の話題で持ちきりになっているだろう。
「いやっ……」
あの視線を思い出し、桜怜は心底イヤな気分になる。
「だめ、だめ……思い出しちゃ……」
桜怜は思い、深呼吸をしてみる。
すぅ、と大きく空気を吸い込み……
ぷちっ!
「あっ!」
桜怜が思わず声を上げる。背中に感じる違和感。
「と……とれちゃった……!」
桜怜が背中をまさぐる。深呼吸によってさらに膨らんだバストの圧迫に耐え切れず、
音を立ててブラジャーのホックが外れた。
高校に入学してから転校するまで、桜怜にはひとつ秘密があった。
桜怜は今までの高校生活で、全くブラジャーを着けたことがなかった。
小学校の時は少しでも胸を抑えるため同学年の誰より早くブラを着け始めた桜怜。
それからは一ヶ月に一回くらいのペースでサイズを変えなくてはならないほどおっぱいが発育したが、ブラは着けていた。
しかし高校生になり、さらに桜怜の胸は発育してついには98cm、Jカップの大きさにまでなってしまった。
もうロクに桜怜の胸を押さえられるブラはそう簡単に見つからなかった。
下着屋で注文すれば作ってくれるのだろうが、桜怜にとってはサイズを測られることがたまらない羞恥になっていた。
服装の指定が特に無く、周りが全員女子だった今までは、夏場でも重ね着をするなどしてどうにかノーブラをごまかせた。
しかし今は正反対の状況。夏は白シャツ一枚が校則である。しかも周りは皆男。
もし桜怜がノーブラならおっぱいは大きさがさらに強調され、乳首も見られることになる。
桜怜は一か八か、自分が前使っていた一番大きいブラを着けることにした。
■つづき
■目次
■メニュー
■作者別