The Report from a Fallen Angel
ぽっけ:作

■ 12

――――
初めは先の部分に優しく唇をあてるように教えられました。
徐々に奥まで加えるように命じられ、私はその通りにしました。
安藤さんは私の口のなかで性器を上下に擦りはじめました。
突然、口の中に苦く生ぬるい粘り気のある液体が放たれたのを感じました。
男の人はある程度の性感に達すると、白い液を吐き出すのだと本で読んだことがあります。
それが、あの口の中に吐き出されたものだったのだと気付いたのは随分後になってからでした。
あの時、私はその液体をそのまま飲み込むよう、命令されたからです。

その日以来、毎晩、私は安藤さんとの性行為を続けています。
こんな生活は辛いですが、もっと辛いのはこんなことをサブさんに報告しなければならないことです。
お願いです、これ以上、私に手紙を書かせないでください。
そうすれば、私はどんな辛いことにだって耐えていけると思います。
愛するあなたのことを想い続けることで……
――――

手紙はそこで終わっていた。
体中がガクガクと震え、ただおぞましい想像に耐えていた。
だが、いつまでも、こうしてはいられない。
絵美子への返事を書かなければ――

彼女は手紙をこれ以上書かせないで欲しい……そう言っている。
事実、このようなやり取りを続けていても、お互いが傷付き合っていくだけだろう。

最良の手段は分かりきっていた。
自分が彼女の提案を承諾すればいい。
彼女にそう返事をすれば、彼女からの手紙はもう来なくなるに違いなかった。

だから、一度は彼女の提案に乗ろうとした。
しかし、手紙を書きながら思うのだ……もし、彼女からの手紙が無くなってしまえば、もはや自分に残るものは何もない。
それに、手紙が来なくなれば、確かに安藤に弄ばれる絵美子の様子を知らずに済むが、結局、頭の中は彼女のことで一杯になる筈だ。

「くそっ!!」

半分ほどまで書き上げた手紙を丸めて放り投げる。
結局、次に書き始めた手紙は、彼女の提案を拒否する内容のものとなった。

「すまねぇ絵美子ぉ……すまねぇ……」

次の週の金曜日の午後、絵美子からの手紙が来た。

――――
義三郎様

お返事有難う御座います。
サブさんからの手紙を読んで、私は決心しました。
私、どんなことがあっても、この手紙をサブさんに書き続けることにします。
例えその内容がどんなものであっても、この手紙を書くことこそが、サブさんへの気持ちが変わらない証なのです。
だから、サブさん……忘れないでください。
今後、安藤さんに何をされても……
この手紙を送り続ける限り、私の気持ちはあなたの元にあることを……
――――

「あぁ、絵美子ぉ……オラは忘れねぇ……」

何となく理解できた。
2頁目からの内容は彼女が書きたくない内容なのだ。
それは、暗黙の伝言だ。
恐らく彼女は自分に2頁目以降を読むな、と言っている。
もちろん、そんなことを手紙に書けば、安藤に見つかってしまう。

だから、ここで読むのをやめればいい。
そのまま手紙を封筒に仕舞ってしまえばいいのだ。
だが、止まらない……
続きが気になって仕方がないのだ……

――――
今週も私は安藤さんに犯されました。
安藤さんは私に少しづつ卑猥な言葉を教えます。
女性器のことは「マン○」と言うそうです。
私は安藤さんに犯される前にいつも決まって、台詞を言わなければなりません。

「絵美子のマン○に、どうか安藤さんのデカマラを入れてください」

最近は安藤さんが外に出かけるとき、一緒に付いていくことが多くなりました。
安藤さんは知り合いの前で私のことを自慢します。
もちろん、その自慢は、締め付けが格別だとか、口の具合が最高だとかそういったことです。
そうなると、相手の方は決まって「実際にやって見せろ」と言います。
私は知らない人の見ている前で、安藤さんのおちん○んを咥えるのです。

この間は8人の男の人の前で、安藤さんのおちん○んにしゃぶりつきました。
安藤さんは私の顔面に例の白濁液を吐き出し、塗りたくりました。
顔を洗うことは許されませんでした。
私はそんな恥ずかしい顔のままで安藤さんと一緒に大通りを歩いて、屋敷に帰りました。

お風呂も安藤さんと一緒に入ることが多くなりました。
私は丁寧に安藤さんの体を素手で洗います。
自分のマン○に石鹸を塗りたくり、恥毛で泡立てて、安藤さんの腕や足を洗います。
最後は安藤さんが座っている椅子の下から顔を出し、おちん○んをしゃぶります。
最後におちん○んを綺麗に舐めあげます。

夜も同じ布団で眠ります。
安藤さんが好きなときに、私はいつでも性行為に応じなければなりません。
行為の後、汚れた体を洗うことも許されません。
私は安藤さんと安藤さんの吐き出した精液の匂いに包まれて朝を迎えます。

段々、自分が自分でなくなっていくような気がします。
サブさんと一緒にいたときの私とは、もう違っているのかもしれません。
体だけではなく、心も……
――――

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