里奈の放課後
林檎飴:作

■ 5

道を歩いていても、周りの人の目が気になって仕方なかった。
スカートは膝が少し見えるくらいの長さだから、分かるはず無いのだが、周りの人に気づかれてるように感じる。
夏服の下にキャミソールを着てきたのだが、乳首が透けてるように感じる。
脚の間を風が吹き抜ける。
スカートが少し捲れた。
「やっ……」
里奈はスカートを押さえ、胸を手で隠しながら学校への道を歩いていった。

「おはよっ! 里奈!」
「おはよ……。」
里奈は授業中もずっと俯いていた。
ぴったり脚を閉じていても、股間が直に空気に触れるのが恥ずかしい。
里奈は休み時間もずっと座ったまま五時間目までを過ごした。
そして、六時間目は西野の授業だった。
里奈はどんな恥ずかしい目に遭うかと戦々恐々だった。
しかし、里奈の予想とは裏腹に授業は普通に進められた。
キーンコーンカーンコーン
一日を終わらせるチャイムが鳴った。
(良かった…何もなくて……)
里奈はホッと息をついた。

しかし里奈は知らなかった。
クラスの男子生徒全員に西野からのメモが回されていたことを……

里奈が急いで帰ろうとすると、西野に呼び止められた。
「いいか? 四時半に体育倉庫。体操服でだ。」
西野はそれだけ言って去っていった。
しかし、里奈は体操服を持ってきてなかった。
「どうしよう……」
里奈は悩んだ末、制服で体育倉庫へ向かった。
里奈の学校の体育倉庫は屋外にあり、南京錠でしっかりと閉まっている。
(どうしよう…閉まってる……)
里奈は、体育倉庫の前で西野を待っていた。
(今日は…どんなことをされるんだろう…)
ドクンッと嫌な動悸がする。
(昨日のようなこと? もしかして…挿れられるの?)
そう思うと、こんなところにいないで、逃げ出したくなった。しかし、西野にはあのムービーがある。
あれを学校中に見せられたら……里奈は恥ずかしくて、生きていけないだろう。
そんなことを考えていると、西野がやってきた。
「体操服はどうした。」
里奈の服装を見て、そう言った。
「持ってきてなかったので…。」
里奈は顔を俯かせた。西野の目が里奈の制服をなめ回す。
「まあ、いいだろう。」
西野は、里奈から目を離し体育倉庫へと向き直った。そして、くるりと向きを変えると体育倉庫の裏へと向かった。
(どこへいくの…?)
里奈はいぶかしげに思いながら西野についていった。
体育倉庫の裏には地面から2メートルくらいのところに小さな窓があった。細身の里奈がやっと入れるような大きさだ。
「これで中に入れ。」
西野が里奈に言った。
しかし、地面から2メートルもある窓だ。
上ろうとしたら下からスカートの中が見えるに違いない。
「入れません……。」
里奈が言った。
「何故だ?」
西野は意地悪く言う。
「スカートの……中が見えてしまいす…。」
「スカートの中には何があるんだ?」
西野の問いに里奈は真っ赤になった。
「オ○ンコ……っです…。」
里奈が真っ赤になりながら言った。
「そんなの、昨日存分に見ただろ? さあ、登れ。
登らないと、あのムービーを……。」
「わかりました…。」
里奈は俯いて、真っ赤になった。
窓を見上げてみる。やはり高い。
近くにあったゴミ箱を取ってきて、里奈は出来るだけ控えめに窓を目指して登り始めた。

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