真梨子
羽佐間 修:作

■ 第6章 従属4

――こ、ここは…
 目覚めると薄暗い部屋の中で、大きなベッドで裸で横たわっていた。
 視界がぼんやりして焦点が合わない。
 上半身を起こして周りを伺うと窓辺のソファに誰かが座って真梨子を見詰めていた。
「気付いたか?」
「はっ…」
――誰?… この人が私を買った人…
 声からはそんなに若いとは思えなかったが、人懐っこい声音とイントネーションから関西出身の人だと真梨子は思った。
「3日間、楽しませて貰うぞ!」
 有無を言わせぬ力強さがあった。
「………はい…」
――身体を買われたんだ… とうとう私は…

 男が立ち上がりベッドに近づいてきた。
「あぁぁ…」
 意識がまだぼんやりして自分をコントロールできないでいる。
「手を後ろで組んでごらん。 縛ってやろう」
「は、はい…」
――な、何?!このひと…  
 不思議な魅力を男に感じた。
 後ろ手に手を組み合わせて男の次の動作を待つ。
 心の奥底でこの男に対して警鐘を鳴らしていた。
 逃げられなくなるかもしれないと漠然とした不安がこみ上げてくる。
 しかしその理由に思い当たるより早く、痛痒いザラつく麻縄の感触が重ねた手首に這い巻きついてきた。
「あっ…」
 手首の一番細い部分をとらえた縄が、ギギィ‥‥と喰い入ってきた。
 手首から伸びた縄が引き上げられ、首を通ってシュルシュルと肌を奔り、両乳房をくびり出す。
 二の腕の外側から乳房の上を通ったた縄がふたたび背中に戻り縄留めされた。
 真梨子は吊り上げられた後ろ手を揺することもできなくなっていた。
――ああぁぁぁ 何、これ… 怖い…
 浩二に打たれる縄の刺激とはぜんぜん感覚が違うのだ。
 じわじわ縄が当たる皮膚からジンジンと怪しい感覚が湧き上がってくる。
 身動きもできない圧迫感の中には痛みの中に初めて感じる不思議な感覚なのだ。
 無意識に抗うような仕草になり顔をそ向けると、いきなり身体を抱擁され男に唇を塞がれた。
 男はとろとろと唾液を流し込んでくる。
――いやぁ… そんな…
 男は飽くことなく真梨子の唇を堪能し、漸く唇を開放し真梨子の耳元で男はふぅっと息を吐いた。
「啓介だ」
―ケイスケ… こ、この人の名前…
「はい…」
 真梨子は返事をする為に自然に男の唾液を飲み干していた。
「ケ、ケイスケ…    さ…ま…」

 啓介の手が真梨子の股間に伸びて、秘列を弄る。
 指が蜜壷に進入してきた。
「あああああぁぁぁぁ…」 
 喉をそらし、男を煽る消え入りそうな啼き声を漏らす。
 クチュクチュ蜜が弾ける音が恥ずかしい。
「はっ! いやぁぁぁ…」
 身体を跳ね、抱擁から必死で逃れようとする真梨子。
 唯一の真梨子の支えだった股間のラビアの南京錠が外されていたのだった。

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