真梨子
羽佐間 修:作

■ 第6章 従属5

−背徳の追憶− 7月25日(月)

 真梨子は早朝の羽田空港にビジネスジェットのタラップから降り立った。
 啓介が用意してくれたシックな真っ赤なワンピースの下には何も着けていない。

「真梨子! 良い身体だった。 楽しかったぞ。 お前も楽しんだようだな!」
 背後からケイスケの声がした。
「はい・・・」
 真梨子は振り返り反射的に答えてしまった。
「また可愛がってやろう!」
「はい・・・」
――はっ! わ、わたし何て事を・・・

「そうか。 それまで忘れるな!」
 啓介はジッパーを下ろし、一物を取り出しタラップの上段で仁王立ちしていた。
――あぁぁぁ… こんなところで…  

 真梨子は魅入られたようにタラップを一段上り、啓介の前に跪いた。
 空港のはずれの位置に駐機しているとはいえ、野外の滑走路上で空港ビルの窓付近にいる人からはきっと見えてしまうはずだ。

「ご、ご奉仕を…させて…い、いただきます…」
 この3日間で培われた真梨子の啓介への従属の心が抗う事を許さなかった。
 真梨子を快楽の地獄へ突き落とした啓介の一物を両手で包み込むように支え、その先端を愛しそうに口に含んだ。

 ほんの数分前、機内で真梨子の膣奥に精を弾けさせたその太棹は、早くもムクムクと隆起し、真梨子の口腔でその存在を増す。
 啓介の精力の強さに今更ながら驚きを覚えた。
 真梨子は丹念に啓介のペニスを舐めあげる。
「んっぐっ…」
 髪を掴まれ頭を強引に啓介の股間に押し付けられ、喉奥にその切っ先が突き刺さる。
 髪を鷲づかみにされるのは啓介によって新たに開花された真梨子の快感のスイッチだった。
 荒々しく髪を掴んで頭を揺すられると、膣奥がキュンとして惨めな快感が身体を包む。
 こんなひどい仕打ちに哀しいほどにときめき、淫汁を噴出してしまう。
――あぁぁ…
 真梨子の秘裂から注ぎ込まれたばかりの啓介の精子が流れ出して、大腿を伝い落ちてきた。
 吐き気が込み上げてくるが、覚悟を決めて喉を開くと、ぐぐっと奥へ差し込まれ、啓介に叩き込まれた怪しい快感が喉元に湧き上がってきる。

「あぐぅ… んっ ぐっ…はぁぐっ…」
 呻き声を洩らす真梨子の喉を啓介の怒張がゆっくりと出し入れされる。
 喉まで性器になってしまったのかと思うほどの快感が真梨子を包み、淫汁が湧き出していた。
「欲しいか?真梨子」
 見上げた啓介と目が合い、怒張で喉を串刺しにされたまま、小さく頷いた。
――あぁぁ… 気持ちいい… ください… 真梨子に…
 小刻みに喉の奥でカリ首が前後すると、ひときわ膨れ上がり喉奥にケイスケの熱い精が吐き出された。
 息をつくこともままならず顎を突き出したまま啓介の分身の痙攣がおさまるのを待つ。

「ごほっ!ごほっ! はぁーはぁー ごほっ!」
 萎えた怒張が抜き出され、漸く息をする事ができた真梨子は、激しく肩を上下し空気を貪った。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ… ごふっ… はぁはぁ…」

「気を付けて帰るんだぞ」
 啓介は何事も無かったように言い放った。
「はい。 ありがとうございます・・・」
 真梨子は口を拭い、啓介を見上げ会釈をした。

「あっ!」
 突然啓介の手が真梨子の顎を捉え、唇を奪った。
――ああぁん…
 唇を離すと、啓介の唇との間には、唾が糸を引いて繋がっていた。

   ◆
――なんという3日間だったんだろう…
 空港からマンションに向かうタクシーの中で、車に揺られながら真梨子の頭の中にはこの3日間の出来事が走馬灯のようによぎっていた。

 北海道に着くなり奴隷オークションにかけられ、真梨子を落札した啓介に札幌の高級ホテルのロイヤルスウィートで丸々3日間、徹底した牝犬調教を受けた。
 ほんの少し許された仮眠さえも、首輪で繋がれアナルにプラグを穿たれ自由を奪われた牝犬として床の上で過ごした。

 それは、真梨子の浩二への操の唯一の拠所だったラビアの南京錠まで梶が売り渡していて、啓介の熱い精の塊を子宮の奥に叩きつけられた時から始まった。

 ヴァギナを犯されしかも強烈な快感が身を包み、淫らに腰を振り快楽を貪る自分が居た…
 一度折れた心は脆くも崩れ、浩二からも経験させられた事がない気が狂わんばかりの快楽地獄を真梨子は彷徨うことになる。
 縄に酔い、浣腸の苦痛に苦悶の脂汗を浮かべ、蝋燭の炎に焼かれ、喉をペニスで穿たれ、鞭で打たれて啼き叫び、痛みに潜む快感に酔い痴れ、顔を踏みつけられて屈辱の仕打ちに喜悦の涙を流し、従属の快感に埋もれていった。
 啓介に屈服し、己が肉体を啓介の肉欲の為に捧げ、奉仕の限りを尽くし、心の底からアナルへ、そしてヴァギナへ啓介の肉棒の挿入を乞い、淫らに腰を振ってその精を身体に放たれる事を哀願した。
 妻として女として完全に浩二を裏切り”ケイスケの牝犬”として身も心もを捧げ尽くした時間だった。

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