真梨子
羽佐間 修:作
■ 第6章 従属20
「えっ… 俊ちゃん?!」
疲れ切ってマンションに戻ると玄関に大きなスニーカーがあった。
「姉さん、お帰り〜」
「あら、俊ちゃん… 来てたの。 電話くれた?! ビックリするじゃない」
「ゴメン、ゴメン。 仕事の邪魔をしちゃいけないと思ったから遠慮したんだ。 でも随分遅かったね。 お疲れ様でした〜」
真梨子は、先程の迄の淫行の痕が見えていないか凄く気になった。
「俊ちゃん、壮平君とこへ行くって言ってなかった?」
「ああ。 行くには行ったんだけどさ、彼女が来ちゃって追い出されちゃった」
「まぁ 、お気の毒様。うふふっ で、お腹空いてないの?俊ちゃん」
「ちょっとね」
「じゃシャワー浴びてから作ってあげるから待っててね」
真梨子はいそいそと自室に消えた。
◆
汗と愛液で汚れた身体にシャワーの飛沫が跳ねる。
小松原に叩かれたお尻が熱を持って赤く腫れ、冷たいシャワーが心地よかった。
――ああぁぁ 小松原先生にあんな恥ずかしい事を…
お尻をぶたれながら感じたあの感覚は、自分でも信じられないでいた。
数え切れないくらい尻をぶたれるうちに痛みと熱さを感じる皮膚の下から怪しい快感が湧き上がってきたのだ。
もっとぶって欲しい…
強くぶって欲しい…
いけない真梨子を叱って欲しい…
そんな思いが湧き上がり、恩師の鞭打ちに身悶えていた。
お尻をぶたれ、涙を流しながら許しを乞い、ピシッ!と尻で鳴る度に、全身を突き抜ける快感に真梨子はうろたえてしまった…
出来る事は小松原教授にお尻を差し出す事だけだった。
―先生! もっとぶってください!
思い出しただけで愛液が滲み出している事に真梨子は戸惑い、そして哀しかった。
◆
真梨子がシャワーをしている間、俊一は真梨子の部屋に入り、ベッドに脱いであったさっきまで姉が身に付けていた服を手に取り匂いを嗅いだ。
上品そうな香水の香りに混じって、姉の匂いを感じる。
衝動に突き動かされ、矢も盾も堪らずバスルームに忍び込んでしまった。
シャワーの水を弾く音が聞こえる。
洗濯籠を見るとバタフライのようなショーツと、カップが三角の水着のようなブラジャーが入っていた…
恐る恐る手に取ると、股間に当たる部分ははっきりと湿っていてさっきまで真梨子が身に着けていたのがわかる。
――こ、これは… 姉さんの愛液?!
さっき盗み見たようないやらしい下着を本当に真梨子が身に着けて会社に行っていた事に改めて驚きを感じた。
手の中のショーツを顔に近づける。
臭ってみると少し酸えたような匂いが俊一の鼻腔を包んだ。
――あぁぁ こ、これが姉さんのあそこの匂いなんだ・・・
◆
シャワーを終えた真梨子が手早く作った焼き飯は凄く美味しかった。
しかし目の前の風呂上りの真梨子はスッピンの顔がほんのりと上気し、タンクトップ1枚の胸の谷間に俊一はドギマギしてしまう。
――姉さん、こんなに胸が大きかったっけ?
俊一は炒飯をパクつきながら、真梨子と浩二の結婚生活事をしきりに聞くが、真梨子は笑ってはぐらかす。
「で、俊ちゃん。 いつまで東京にいるの?」
「そうだなぁ… 後一週間くらいかな。 お世話になります」
「いいわよ。 あら、もうこんな時間だわ。 先に休むわね。 俊ちゃん、この間と同じお部屋を使ってね。 じゃおやすみなさい」
俊一は自室に向かう姉の後姿を女として見ている自分に気付いていた。
■つづき
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