真梨子
羽佐間 修:作

■ 第6章 従属28

「あらっ、梶さん。 こんな片隅で一人でお楽しみなんですか?」
――ひっ! だ、誰?
「あー、これはこれは。 異なところでお会いしましたね。 いやぁ〜、恥ずかしいところを見られてしまいましたなあ。 ここの女達の美容を受け持たれているのはママから聞いて知っていたんですがね」
「そうなんですかあ。 あっ、私に構わずお手を休めないでお楽しみを続けてくださいね」
「あっはっはっ。では遠慮なく」
「でもいつからここの会員に?」
――ウソ… この声… 奈保子さん?! いやぁぁぁ…
「6月の末頃からですから、まだ新参者ですよ」
「それにしてはこんな可愛い子を独り占めにしてお店の主みたいな雰囲気ですよ、梶さん」
「あははっ。 少しは慎まないと皆さんの嫉みを買ってしまいそうですな」
 梶は喋りながらも真梨子の蜜坪を指で嬲り続けている。
「そんなこと気になさらないでよろしいんじゃないですか!? 皆さんそれぞれお楽しみになれば」
「ええ。 実のところまったく気にしませんがね。 あっはっはっ」
「それはそうと梶さん。 私、この子初めてなんだけど梶さんの持ち込みなんですか?」
「あははっ。 僕の女って訳じゃないんだけどそれなりの縁がある女でねえ。 今日で3度目だったかな?! ここでは遥って名前で遊んでいます」
「まぁ訳ありって感じですね。 それにしてもとても素敵な身体をしてるわ、この子」
「そうでしょう。 それにすこぶる淫乱ときてましてね。 いい声で啼くんですよ、この牝犬は」
「あっ! くぅぅ…」
梶の指が蜜壷にいきなり差し込まれたのだ。

「あらっ?」
奈保子の指が真梨子のクレヴァスに伸びてラビアを弄ってきた。
――あぁぁぁ… 奈保子さん… 許してぇ
「あなた… もしかして貴女、真梨子さんね!?」
――い、いやぁ〜〜〜〜…
 真梨子は懸命に頭を振って否定する。
「ほほほっ。 お顔は化粧で誤魔化しても、ここは今朝見せて貰ったものと同じだわ。 うふふっ」
「あ〜はっはっはっ。 さすがプロですね。 顔は隠していても身体で見分けられるんですね!」
「今夜、私の誘いを断ったのは、ここで梶さんと楽しめないと思ったのね、真梨子さん」
「おや、なんと! 川上さんはうちの羽佐間にこんな変態趣味があるのをご存知でここへ誘ったんですか?! しかし何ともお恥ずかしい限りですな。 プロジェクトでお世話になっているうちの社員がこんなふしだらな女だなんてねえ」
「おほほっ。 梶さん、お仕事さえしっかりお勤め下されば仕事外では何をなさっても関係ないですわ。 不倫をなさろうが、こういう趣味であろうがそのご本人のパーソナリティですもの。 それに私も真梨子さんの性癖には随分前から気付いていましたの。 体験エステを受けていただいて肌を触ると直ぐに分かりますもの。 ねっ!真梨子さん」
「あああ、ダメ! 許して!」
「ほらっ、やっぱり真梨子さんなのね。 うふふっ」
 奈保子が真梨子をじっと見詰めて微笑んだ。
「ち、違います! は、遥です…」
 懸命に顔を背け、見られまいとしながら声を沈めてカムフラージュする真梨子…
「真梨子さん。 ああ、ここでは遥って名前で楽しんでるんだったわね。 以前は由梨じゃなかったかしら?!」
「ち、違います…」
「あははっ。 川上さん。 由梨はここにいますよ!」
 梶が隣に置いていたドール・ユリのアイマスクを取って奈保子に見せた。
「まあー、素敵! 良くできてるわね! そっくりじゃないですか」
「でしょう! 少し前にご主人に申し訳ないからと、この店を卒業するとか言って来なくなった時がありましてね。 お客さんたちがとても寂しがったので雅ママが作らせたものらしいですよ」
「あら?! うふふっ。 なんだあ! 真梨子さんたら私に内緒でずっとここへ来て由梨を演じて楽しんでたって事ね」
――ああぁぁぁ 奈保子さんにもすべて知られてしまった…
「じゃ名前を遥に変えてお店に戻ってきたのは、梶さんのせいなのね?! うふふ、まあ二人がそうなった経緯なんて野暮な事は聞きませんけど、今日のアナルプラグは梶さんが挿れたのね」
「あははっ、それはそうなんですがこいつの要望もありましてね。 仕事に支障が出ては困るので会社では止せと言っているんだが躾が行き届かなくてね」

 奈保子はくすくす笑い、秘裂を嬲りながら真梨子の股間をしげしげと眺めていた。
「あぁぁ… み、見ないでください…」
「それは無理だよ。 羽佐間さん」
 声の主は桑野医師だった。
「いやあぁぁぁ… 先生… 見ないでください! お願いです…」
「あははっ。 診察室では私は医者ですから、女性の裸にはまったく関心を寄せないように訓練できているつもりです。 しかし一歩、病院を出て、こういうお店にお邪魔するとただのスケベな男ですからね」

「羽佐間さんはこういう性癖をお持ちであるとは思っていましたが、これほどの変態だとは思いませんでしたね。 あーっはっはっは」
 桑野は真梨子の股間に手を這わせ、ヴァギナの浅瀬を淫蜜をピチャピチャさせて弄っている。
「私も好きですが、患者さんだとわかるとこんな事をするのも少し気が引けますね」
「でも先生。 真梨子さんは名前を偽って顔を隠してまで恥ずかしい事を楽しみたいんですから、ちゃんと恥ずかしいことを堪能させてあげるのは露出症の治療の一環じゃありません?!」
「あははっ。 そう言えないことも無いね」

「では治療をして差し上げましょう。 梶さん、我々はVIPルームに居るんですが、真梨子さんを連れてご一緒に遊びませんか? 人数が多いほうが羽佐間さんも喜んでくれるでしょう」
「ほっほお、それはいいですね」
「さあ、行くぞ! 真梨子じゃなかった、 遥だったな。あははっ」
「いやぁ… 許してください… 先生! 奈保子さん! お願いします!」

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