真梨子
羽佐間 修:作

■ 第7章 淫獄1

−代々木公園− 8月4日(水)

 いつもの出勤時間に、真梨子は俊一と二人で新御茶の水駅のホームに立った。
 俊一は秋葉原で先着何名かの特売品を買うとかで真梨子と一緒にマンションを出た。
「ひゅー! さすがに東京の通勤電車だなぁ。 大阪の比じゃないね。 毎日こんなに凄く混んでるん?」
 駅に着いた時に止まっていた満員電車が走り去るところを見て俊一が驚きの声を上げた。
「そうね。 私も最初は戸惑っちゃったもの」

 俊一と何気ない会話をして電車の到着を待っていると、ホームをこちらに向かって歩いて来る梶の姿が目に入った。
――えっ… あの人… どうして…
 思わず俊一の陰に隠たつもりだったが、梶は目ざとく真梨子の姿を見つけ、にやりと口元を歪めてゆっくりと歩み寄り真梨子たちの直ぐ後ろに並んだ。
――いやぁ… どこまで私を嬲るつもりなの…
 昨夜、プロジェクトメンバーの前で晒してしまった恥ずかしい痴態が脳裏に蘇る。
 真梨子は俊一が話し掛けてきても、今から我が身に降りかかる出来事を想像し、胸がざわめいて気もそぞろだった。
 やがて時刻通りに電車がホームに滑り込んできた。

 乗客の流れに押し込まれて、俊一と向かい合うようにドア付近に位置した。
 背後にはピタリと真梨子に身体を密着させた梶が立つ。

 電車が動き出すと梶の手が真梨子のスカートの中に潜り込んできた。
――やっぱり…
 真梨子には梶が電車内で痴漢を仕掛けてくるのはわかりきっていたが、目の前の弟・俊一には気づかれる訳にはいかない。
 正義感が強く、凄く慕ってくれている俊一が姉に対する漢行為に気付いた時、どんな行動に出るのかわからない。
 被害者と言えども性的な一面を弟に知られるのは避けたいし、何よりも痴漢されていることが発覚した時、梶なら”同意の上だ!”と言い出しかねない。
 真梨子には、少なくとも俊一と別れるまでは辛抱するしか手立てはなかった。
――とにかく俊ちゃんに気付かれちゃだめ…

 真梨子の心情を見透かしたように、梶の指は大胆にスカートの中を這い、散々下半身を撫で回した後、昨夜真梨子に挿入したアナルプラグがちゃんと装着されているのかを探っていた。
 プロジェクトメンバー達に散々嬲られた後、帰る間際にに梶が真梨子に装着した淫具だ。
 挿入された後、梶の手に握られたポンプで空気を送り込まれた腸管の中の楔形のプラグの先端が空気を抜かない限り絶対取ることが出来ない程の大きさに膨らみ、プラグに繋がる管を外されてしまった。
『真梨子! 糞がしたいなら明日は休むんじゃないぞ。 この鍵がないとこのプラグは外れないからな』
 昨夜、帰り際に梶は小さなキーを手で遊びながら真梨子に言った。
 とば口が熱を持ったようにジクジクと疼き、一晩中、真梨子を苛んで満足に眠れずに朝を迎えてしまった。
――やめて… お願い…
 真梨子の様子から安心したようにスカートの中で梶の手が、アナルプラグに触れてきた。
 一晩中入れっぱなしの梶は淫具を直腸の中で回転させるように押し込むかと思えば、アナルから飛び出ているプラグのツバを持って引き抜こうとする動作をしてきた。
――あん… いやっ! そっ、そんなの、無理です… あああぁぁぁ…
 大きな楔形に膨張した先端部が直腸ごと引き出そうとするような感覚は、拡がるアナルの恐怖とともに甘い痛痒感を覚え、俊一を前にうろたえてしまう。
―えっ! 何…
 梶が真梨子の股間でなにやらゴソゴソと怪しい動きをし、背後から梶の忍び笑いが聞こえてきた。
「ひっ!」
 電車が揺れた瞬間、冷たい液体が直腸の中に流れ込んできたのだ。
――うそ…
「姉さん、どうしたん?」
「う、ううん。 少し足先を踏まれちゃったの…」
「大丈夫か?」
「ええ…」
 平然を装っているが真梨子は明らかに動揺している。
 プラグをしたまま浣腸が出来る仕掛けが施されていたのだ。
――あぁ… やめて…
 新たな水流が直腸の中に流れ込んでくる。
 この直ぐ後に身体を襲うであろう事を考えると、あと10分近くある代々木公園駅までの時間はとてつもなく不安にさせる。
――ま、また… もう許して…
 流し込まれる液体は下腹を少し膨らませ、真梨子の腸内を刺激し始めた。
 真梨子の額に脂汗が浮かんできた。
「くっくっくっくっ」
 楽しくて堪らない風情の梶の忍び笑いと共にまた冷たい液体が腸腔に忍び入ってきた。
――あああぁぁぁ もう堪忍してぇ…

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