真梨子
羽佐間 修:作

■ 第7章 淫獄3

−民自党奥様会−  8月6日(土)

 昼過ぎにオフィスの1階にある高倉ビューティー本店の前に真梨子はいた。
 今日銀座のエンパイヤホテルでの民自党の議員婦人の懇親パーティ、通称「奥様会」で行われる高倉ビューティのプロモーションの為に全身をエステで磨き上げてあげましょうと久美と二人、奈保子に呼び出されていた。
 しかし、一昨日奈保子の前で晒してしまった痴態を思うと奈保子に会うのはたまらなく恥ずかしい。
 ドアの前で逡巡していると急にドアが開き、そこには奈保子がいた。
 
「いらっしゃい、真梨子さん」
「あっ、奈保子さん… こんにちは…」
「さあ、入って。 久美さんはもう先に始めてるわよ。 貴女も夜に備えて磨きを掛けましょうね」
 抱きかかえるようにして奈保子は真梨子を店の中に連れて入った。

「じゃ、奥の部屋で裸になって待っててね。 真梨子さん」
「はい…」

   ◆

 個室の処置台の上に全裸でうつ伏せになった真梨子の身体は、高倉ビューティが独自に開発した細胞を活性化させるローションがたっぷりと塗られ滑光っている。
 ヒップをやさしくマッサージする奈保子の細い指がもたらす心地よい刺激が、真梨子の性感をくすぐってくる。
 真梨子の官能を呼び覚まそうとしているかのようなそのタッチに、真梨子のヴァギナはもう恥ずかしいほどに蜜を湛えている。
 何とか声は押し殺したが、既に軽いアクメに何度か達してしまっていた。

「真梨子さん、気持ちいいでしょう」
「あっ、え、ええ… 本当に… 奈保子さんのマッサージは、ホント心地よくて眠ってしまいそうです…」
 愛液が溢れ性的な興奮を感じている様子は奈保子の目にも留まっているはずだが、精一杯の虚勢を張って奈保子のマッサージのテクニックを褒め、その心地よさに浸っている風を装った。

「そう。良かったわ。 リラックスする事がお肌の健康の源なのよ。 じゃ仰向けになって頂戴」
「あっ、はい…」
 処置台の上でゆっくりと身体を反転させ、裸を奈保子の前に晒した。
――あぁ… 恥ずかしい…
 手にたっぷりとローションを付けた奈保子の手が真梨子のバストを円を描きながら下から上へ持ち上げるようにして、ローションを塗りこんでくる。
 やがて腹部から腰周りへ奈保子の指は降りてきて、足の付け根にやさしく這う。
 ヌルヌルとした指は、ラビアの辺りにまで届き、もう愛撫という方が似合いの接触の仕方だ。
 快感は更に湧き上がって既にぐっしょりと濡れている媚肉は更に充血して花弁をうっすら開き、淫汁がアナルにまで零れ落ちた。
 真梨子の脳裏には一昨日の事が蘇ってきた。
――あっ、また来ちゃう… 
 懸命に悟られまいと身体に力を入れるが、身体が小刻みに痙攣してしまうのを抑え切れなかった。

「うふふっ。 真梨子さんの肌って本当に肌理細やかで赤ちゃんのような肌ねえ。 今日は皆さん、貴女の美しいこの肌に注目だわね」
「あの… 今日のパーティはどうすればいいんですか?」
「な〜に?! 心配してるの? ステージの上で、インタビュー形式で高倉のエステの感想をしゃべって貰うだけですよ。 その後は皆様と一緒にお食事を楽しんで頂戴」
「はい… 上手く出来るのか不安になってきました」
「ほほほっ。 大丈夫よ。 お喋りよりも何よりエステの効果はこの貴女の美肌が証明してくれるんですもの。 貴女の綺麗な肌をお見せして自慢するだけでいいのよ。 好きでしょ!? たくさんの人に見詰めてもらうの。 うふふっ」
 奈保子が一昨日の夜の事を揶揄している。
 さっきまでは、奈保子が真梨子を気遣って口に出さないでくれていると思っていた。
「はい…」
 一気に恥ずかしさがこみ上げてきた。
 頬を赤らめ羞恥に染まる真梨子を意に介さず、奈保子は真梨子の腕を取って万歳の格好を取らせた。
 真梨子の腋にローションでまみれた奈保子の魔法の手が這うと、もう堪える事が出来なかった。
「あっ、あああぁぁぁぁ… 先生… ダメ… 恥ずかしいぃぃ ぁぁぁぁぁ…」
 処置台の上で身体を反り返し、微かに痙攣する真梨子を奈保子は微笑ましそうに眺めていた。

   ◆
 真梨子は菅野久美と二人でタクシーに乗り、パーティ会場のエンパイアホテルに向かっていた。
 久美は、やたらと喋りかけてくるが、真梨子はなにかしら気詰まりな感じだった。
 先に肌の手入れが終わり、真梨子を迎えに個室に入ってきた久美に、奈保子の愛撫のようなマッサージの余韻に浸って素っ裸で横たわっているところをはっきりと見られてしまった。
 慕ってくれている後輩に性的快感に浸った直後の裸を見られ、未だに火照っている顔が無性に恥ずかしく、出来れば火照りがおさまるまで久美と離れていたかった。
 そんな真梨子を気にも留めず、久美は始めてのモデルの経験に期待を膨らませているのか無邪気に真梨子に話しかけ続ける。
 やがて車はホテルに到着し、車寄せに静かに横付けされた。

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