真梨子
羽佐間 修:作

■ 第7章 淫獄7

−慰労会・東京サロン−  8月6日(土)V

 地下から乗ったエレベータは直ぐに止まり、ほどなく静かにドアが開いた。
――ひっ… 誰もいないでぇ…
 お尻を押されてエレベータを出ると、足が沈む感じがする毛足の長い絨毯が足元にはあった。
――専用のフロアなの…
 促されるまま少し廊下を歩くと、ドアが開く気配がした。

 中に入ると奥のほうから女の愁いを帯びた悲鳴が聞こえてきた。
――ああぁぁぁ… やっぱり…

 ソファらしき感触のするところに座らされると、間近で喘ぐ女の声が耳に届いた。
 奈保子が真梨子の目隠しをそっと外す。
 目を開けるのが怖かったが、自分が置かれた場所を確認せずにはいられない。
 真梨子は、恐る々々目を開けた。

「ひっ! そんな…」
 目の前の光景は信じられない光景だった。
 全裸で縄掛けされた女が宙に浮いてゆらゆら揺れている。
「今日は、お、お疲れ様でした、、、 あうぅぅぅ、、、 存分に楽しんで うぐっ、、、 ください…」
「あ、麻木さん…?!」
 天井から縄で吊るされている女は、つい先ほどパーティの席でプロモーションの進行を勤めていた麻木あづみ、その人だった。
(ピシッ!)
「あああぁぁぁぁ 昌也さまぁ〜〜〜… 許してくださいぃ〜〜〜 ひぃぃぁぁああああああ」

 ゆらゆらと揺れる身体を、アイマスクをした逞しい身体つきの男が容赦なく鞭打つ。
 あづみが鞭を振るう男に許しを乞い、泣き叫び淫靡で壮絶な光景に真梨子息を呑む。
 しかし真梨子の目には、あづみが悦んでいるのが手に取るようにわかった。
――あづみさん、悦んでる… えっ?! あづみ… あづみ?! まさか…
 縄で醜く歪んだ乳房、身体を飾るボディピアス、当時あづみは美容師だった事、そしてあづみのご主人様の名前、昌也…
――間違いないわ! あのあづみさんだわ…
 麻木あづみは、夫・浩二がネット上で主催していた「アトランティス倶楽部」に刺激的な裸の写真をたくさん投稿していたあの”あづみ”だと気付いた。
 以前、真梨子がレーザー脱毛を受けた時、セレブエステのパンフレットに恥丘の脱毛サンプル写真として、責任者:麻木あづみの名前が記してあり、まさか!? と思ったことを思い出した。
――そんな… あのサイトで出会った人が… これって偶然なの…
 高倉ビューティのプロジェクトに関わるようになってからの日々が真梨子の頭の中を駆け巡る。

「近藤さん。 この真梨子さんも縛ってあげて」
「ああ、わかった。 で、この女の身体、使っていいのか?」
「ええ、もちろん」

「そ、そんな… 許してしてください。 私、そんな事…」
 ”身体を使う”という言葉の冷たい響きに、真梨子は怯え大きく首を振って許しを請う。
 half moonでされた淫戯以上の陵辱が待っている事を真梨子は感じ取っていた。
「ほほほっ。 煩わしい人だこと。 強いられないと踏み出していけないのねぇ。 いいわ。 じゃ、命令してあげる。 私が磨き上げてあげたその綺麗な裸を私に黙って人様に晒して恥ずかしさを楽しんでいた事への罰を与えてあげます。 ここで真梨子さんの本性をすべて見せるのよ! わかった!?」
――真梨子さんの本性…
 逡巡している真梨子の秘部に奈保子の指が差し入れられると、ラビアに包まれていた淫汁が、一筋勢いよく飛び出した。
「あっ、ああぁぁぁ…」

「うふふっ。 何、コレ! もうグショグショじゃない」
 いつもとは別人のような奈保子の口調と、蜜壷をすでに恥ずかしいほどに濡らしていることを知られ、頷いたかのように頭を垂れた。

 そして昌也と呼ばれたアイマスクの男が、真梨子の傍に立った。
 昌也は無造作に真梨子の髪の毛を鷲づかみにし、強引に真梨子の顔を引き起こした。
「あっ、あぁぁぁぁぁ…」
「腕を後ろに回せ!」
 昌也の低く強い声にビクンと身体が震え、真梨子はゆっくりと腕を腰の辺りで重ねた。
 手にしていたどす黒い麻縄がシュルシュルと手際よく真梨子の肌を這い、瞬く間に後ろ手縛りに拘束されてしまった。

――な、何なの… こんな事って…
 縄から伝わる緊縛感が札幌の夜を思い起こさせた。
――もしや… ケイスケさま… でも声が違う…

「あぁぁ… 恥ずかしい…」
 真梨子が羞恥に頬を染めている間に、膝にも縄が掛けられ大きく股を開く形で固定されてしまった。

 天井のレールから下がる鎖に背中と両膝の縄が繋がれ、滑車の巻き上げる金属音と共に、真梨子の身体は惨めで辛い体勢のまま、ソファからゆっくりと浮き上がっていった。

「いやあああああ、、、 許してええええ」
 後ろ手に縄で縛られ、歪に突出した乳房の先には乳首が尖り勃ち、M字に開かれた股間を晒して真梨子は宙に揺れていた。

 身体が揺れると、縄が更にキシキシと柔肌に喰い込んでくるのだが、眩暈がするほどの恥ずかしい姿に真梨子は思わず身悶えてしまう。

 やがて自分の体重で徐々に引き絞られる縄は、得もいえぬ快感をじくじくと湧き出させてくるのだった。
――な、何なの… どうして気持ちいいの…

 レールを鎖が擦る音と共に、首輪を昌也に掴まれてあづみの身体が宙をスライドし、真梨子の正面に移動してきた。
 床から1mほどの位置で、真梨子とあづみは、開ききった股間を接するように向き合う。
「変態女、二人で腰を振り合ってみろ!」
 昌也の手には極太の双頭ディルドウが握られ、その先端があづみの秘裂に宛がわれていた。
「うっむぅぅぅああ…」
 ディルドウがズブズブと秘裂にその姿を隠し、あづみの呻き声が漏れる。

 あづみの股間から生えた巨大な肉塊のもう一方の端が、真梨子の濡れたクレヴァスに添えられた。
「こんな大きい物、食べちゃうんだ。 凄い女ね、真梨子って」
 奈保子は笑みを浮かべ、宙に浮いた真梨子のヒップをあづみの股間に押し付けるように前へと押し出した。
「ああああ、、、 くぅぅぅあああぁぁぁぁ」

■つづき

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