真梨子
羽佐間 修:作

■ 第7章 淫獄12

 札幌で夫・浩二以外に始めて膣内への射精を願い、アナルにもその精を受けて快楽に溺れ狂った”ケイスケさまの牝犬”として捧げ尽くした3日間の出来事が頭を駆け巡る。
 真梨子に限らず、人間同士の主従関係、上下関係は、相手の事を思考する時の呼称でその位置が決まるものなのかもしれない。
 服従するしかない壮絶な快楽に翻弄したこの太くて逞しい男根の持ち主を真梨子には『ケイスケさま』としか呼び様がないのだった。

(ジュポッ、ジュッ、グジュッ、ジュッポ、チュ)
 真梨子は懸命に啓介の反り返った怒張を咥え、喉の奥にまで迎え入れる。
――あぁぁぁ 何なのぉぉぉ 喉が焼けるぅぅ ケイスケさまぁぁぁ き、気持ちいいのぉぉぉ
 嘔吐感が込上げ涙目になりながらも奉仕に没頭する。

「なあ〜に、この子、、、 オ○ンコ汁がこんなに垂れてるわ! いやらしい牝犬ね!」
――そう! そうなのぉぉ 真梨子は牝犬なの、、、
 真梨子の頭の中は、啓介と過ごすことになるだろう今から事で占められていた。
 徐々にこみ上げてきた便意は、ケイスケの前で晒すことになる屈辱の時を思うと苦痛ではなくなっていた。
 啓介は真梨子にとって、排泄を一番見られたくない男(ひと)、、、そして一番その屈辱の様を見られて嬲られたい男だった。

「もういい」

 啓介が膝に掛かる真梨子の長い黒髪を掴み、顔を強引に持ち上げ股間から引き離す。

「ゴフォッ、、、ググッ ケヘッ、ケホォ、、、」
 2週間前の札幌でそうだったように、征服者への畏怖の念からか、知らぬうちにケイスケの剛棒に懸命に愛撫を捧げていた真梨子の喉から大きく張ったカリ首がいきなり引き抜かれた途端、吐き気がこみあげてきたが真梨子は何とか吐瀉物を晒さずに堪える事が出来た。
 何か気に入らないところがあったのかと真梨子は少し狼狽し、啓介の怒張に手を添えたまま身をすくめて次の言葉を待った。

「あら、お気に召しませんでした?」
「いや、別に。 僕はそんなに若くはないんでね、口になんか出してると体力が持たないよ」
――やっぱりケイスケさまの声、、、
 胸がキュンとなって蜜壺が疼く。

「そうですか。 じゃ今から今夜真梨子を可愛がっていただく殿方を真梨子自身に決めさせましょう。 さあ、いらっしゃい」
 雅に首輪のリードを引かれて反対側のソファ迄這って移動し、絨毯の上に正座させられた。
「今夜はどなたに可愛がって頂くのかドキドキね、真梨子!?」
 そういうと雅は真梨子の目隠しを外した。

「あぁぁ、、、」
 マスクも目隠しも、変装用の舞台化粧も何もせずに素顔のまま痴態を晒すのは初めてだ。
 真梨子は、恥ずかしくて目を開けられないで俯いている。
 (グル、グルッ、ギューッ)
 真梨子の下腹から腸が泣く間抜けで惨めな音がした。
「ほほほっ。 早くウンチしなきゃね、真梨子」
 意を決して瞼を開く。

 見渡すと知っている顔は、梶と桑野医師の二人だけで、後はアイマスクをした男が一人、そして見知らぬ男が二人、全員裸で悠然とソファに腰を下ろして真梨子を見つめていた。
「皆さんのお席はシャッフルして頂いたから貴女がご奉仕した順番に座られている訳じゃないわよ。 見た目の印象で選んでもいいし、知っている方のほうが安心して淫らな姿を晒せるのならその方を選べばいいし、オチ○ポの形や大きさで狂わせて欲しいなら牝犬らしくもう一度匂いを嗅いで好きなオチ○ポを探し出してもいいわ。 さあ、今夜のご主人様を選びなさい!」
――どこなの、ケイスケさま、、、 ケイスケさまは誰?
 アイマスクをした男か、怜悧な目をした40歳位の男か、童顔の40歳半ばの男か、、、
――分からない、、、 どの人が? この3人の中のにケイスケさまがいる、、、
 誰のペニスもすでに勃起しておらず、真梨子には見分けがつかなかった。
 しかし羽田空港でキスをして別れた時、どこかで会うことがあったら絶対ケイスケが分かると確信めいた自信があったのに、誰を見てもピンと来ない事が真梨子にはショックだった。
 真梨子はすがるような眼差しで雅を見つめ、そして再び四つん這いになって男たちのソファーの方へ進んでいった。

「ほほほっ! さすがに牝犬ね! 匂いを嗅がなきゃ分からないのね」
 真梨子の下腹部の痛みはかなり切羽詰ってきていた。

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