真梨子
羽佐間 修:作

■ 第7章 淫獄14

「あ、あれが姉だって確認できたわけじゃないですから、、、」
 大好きな姉を冒涜されたようで、俊一は無償に腹が立っていた。

「ほほほっ。 それはそうよね」
 俊一はカウンターの方向を食い入る様に見つめている。

「これはね、真梨子さんのご主人に頼まれた事なの」
「えっ!? 義兄さんが? まさか、何でそんな…」
「真梨子さん夫婦はね、こういう愛し方をしていらしたのよ。 貴方のお姉さんは、露出症のマゾ女なの。 それでね、真梨子さんの半年間の単身赴任が決まった時、疼く身体を持て余すだろうからってご主人から面倒をみてやって欲しいって頼まれたのよ」
「?!  姉さんが露出症のマゾ女、、、 ほ、本当に義兄さんが?」
――露出症のマゾ女、、、 あの姉さんが、、、 うそだ、、、

「ええ。 ドキドキさせてやってくれってね。 ご主人に隠れて快楽に溺れてしまってるって背徳感を味合わせて虐めてやってくれって頼まれたのよ。 だから真梨子さんはご主人に内緒にしているつもりで今日も罪の意識に苛まれながら露出の快楽に身を任せてるのよ」
「し、信じらんない… だって愛する人を他の男に抱かせるなんて…」
「ほほほっ。 そこは誤解しないで。 旦那様からはセックスだけは駄目って言われているのよ。 人によっては愛する人が他の男に抱かれるのを見て興奮する人もいるけど、お姉さんの旦那様は違うわね。 幸い貴方のお姉さんは、オマ○コにチンチンを突っ込まれなくても逝く事が出来るマゾ女だから欲求不満にはならないけれどね」
 姉・真梨子に関して露骨で卑猥な単語で語られることに憤りと共に激しく興奮し、動悸が激しくなってきた。
「でも、、、こんな事をしてるのが世間に知れたら…」

「顔はね、マスクを被ったり、濃いメイクをしたりして真梨子さんってわからないように変装してるから大丈夫よ。 もし真梨子さんだって判ったとしても、このお店は会員制で秘密厳守の規則はとても厳格なのよ」
「……」

「俊一君にはわからないかも知れないけど、真梨子さんはご主人にとても愛されているのよ。 もちろん真梨子さんもご主人を心の底から愛しているわ」
「そ、そうなんでしょうか?!」
「そうなのよ! そんな性癖を持った年の離れた可愛いお嫁さんのためにわざわざ頼みに来られたんだから。 真梨子さんの事、もの凄く大事にされてるのは私にはよく判るわ。 真梨子さんも愛しているご主人を裏切っているから凄く感じちゃうの」
「……」
「露出症の事、そんなに大仰に考えちゃだめよ。 君が今まで付き合った女の子だってキスが大好きな子とか、オッパイを触られるのが好きな子とか色々いたでしょ?! それと同じなの」
「はぁ、、、」

「俊一君! あなた、絶対お姉さんに言っちゃダメよ! もちろん旦那様にもね。 弟のあなたにこんな姿を見られた事を知ったら真梨子さん、、、二度とあなたに会えなくなる思うわ」

――そうかも知れない… こんな恥ずかしい姿を僕に見られたなんて姉さんが知ったらきっと…
 しかし俊一は未だ半信半疑だった。
 それはカウンターで全裸で身体を横たえ、抵抗せずに男に嬲られている女の顔を見たわけではないし、俊一の記憶の中のどこをどう探しても真梨子に淫らな女のイメージは欠片もなかった。
――ああ、、、 尾行なんかするんじゃなかった、、、 電話なんかするんじゃなかった、、、

「俊一君。 ちょっとこっちへに来て」
 フロアとは反対側にあるドアを開けると小さな部屋があった。

「お姉さんで確かめて貰う訳にはいかないけど、真梨子さんと同じように虐められるのが好きな女の身体、確かめていきなさい」
「えっ! い、いや、僕は…」
「お姉さんの為にも貴方のマゾ女に対する偏見を取り除かなくっちゃね。 ちょっと待ってて。 うふふっ」

 雅が店に姿を消すと間もなく縄で全身を縛られた若い裸の女が入ってきた。
「久美といいます…」

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