真梨子
羽佐間 修:作

■ 第7章 淫獄16

「俺には女の愛なんて必要ない。 煩わしいだけだ。 俺が欲しい時だけひたすら尽くし、服従する淫らな牝犬がいればいいだけだ。 お前は俺のただの性処理用の生きた玩具なんだよ」
――煩わしい、、、  服従する牝犬、、、 ケイスケさまは私に愛など求めてなんかいない、、、 私はただ性欲を満たす為だけの生きた玩具、、、
 今の真梨子には絶望的で、そしてどうしようもなく官能的な言葉だった。 惨めで淫らな扱われ方が真梨子をゾクゾクとさせる。
 考える余地がないほど馬鹿げたことなのは真梨子には判っていた。 しかし真梨子の身体の奥から堕ちてしまいたい! と泣叫ぶ声が聞こえてくるのだ。
 真梨子の中で『それもいい!』そう思う心と、『そんなバカな事!』と理性が葛藤する。
 不毛な心の揺れに震えがくる程に真梨子は昂ぶりを覚えた。
「あっ、、、」
 啓介が真梨子の髪を掴み、股間へと導いた。 少し抗う素振りをみせながら真梨子は萎えた啓介のペ○スを口に含む。
――わたし、、、このペ○スを愛しく感じている、、、
 啓介の陰茎から発する匂いが真梨子の牝芯を蕩かせ、溢れるほどに淫蜜を噴き出すのだった。

「美味そうだな」
 懸命に奉仕する真梨子の頭の上から啓介の声が降る。
 怒張に舌を絡めながら上目遣いに啓介を見上げ、コクリと頷く真梨子の瞳は涙が溢れていた。
 触れ合う人々に誠心誠意接し、人として、女として、他人に尽くし愛される悦びは真梨子の自尊心を満足させ、そして健気に尽くす自分も好きだった。
 啓介は真梨子の人生を根こそぎ否定し、啓介の刹那的な性処理奴隷としてしか価値を認めてくれていなかった。

「ふふふっ。 お前は今のままだ。 お前は今まで通り旦那を愛し続けろ。 僕が欲しいと思ったときは、愛する夫を騙し裏切って、僕のチ○ポでアナルを掘られ、腰を淫らに振り乱して肉欲に喘ぐんだ。 自責の念に駆られながら肉の快感に溺れてしまうからこそお前は虐め甲斐がある。 俺がいつお前に飽きて棄てるか、ビクビクしながら刹那の快楽に溺れるのがお前には似合いだ」

――飽きられたら棄てられる玩具、、、わたし、浩二さんを裏切って、この人のつかの間の玩具に、、、 浩二さんを騙し続ける事が抱いてもらえる条件なのですか、、、 もう、ダメだわ、、、 取り返しの付かないことをしてしまった、、、 こめんなさい、、、
 死んで浩二に償うしか道がないように真梨子は思った。

「まだ暫くはお前を可愛がってやるから安心しろ」
 大きくそそり立った啓介の怒張から口を離し、真梨子はポツリと言った。
「もう、許してください、、、 もう私、生きていけません、、、」
 真梨子の浩二に対する贖罪の気持ちが啓介に抗う言葉を口にさせた。

「おやおや。 ふふふっ。お前は存外バカだな?! お前は、旦那の前から姿を消す事も、死ぬ事も出来ないんだぞ」
「……」
「もうすぐ旦那の会社は株式上場するんだろ!? そうなればお前は上場企業の社長夫人だ。 上場企業の社長婦人が謎の失踪!? とか、謎の自殺!? なんて記事がマスコミに流れて見ろ。 興味本位のゴシップ記事が溢れ、お前の性癖まで暴き出され面白おかしくマスコミは書きたてるだろう。 そうなれば旦那の会社の株価はどうなる?! そうなれば苦労して会社を大きく育てせっかく上場にまでこぎつけたのにお前の旦那は苦境に立たされる事になるだろうなあ!? 愛する旦那の会社はどうなるか、、、お前も企業コンサルタントなら分かるだろ!?」
 真梨子は愕然とした。

「それに旦那は、お前に惚れているんだろ!? もしお前がそんな軽はずみなことしてみろ。 信頼しきっているお前の裏切りの末、お前と会社を同時に失くす。 それは精神的に凄いショックだろうなあ」
 真梨子の頬に涙が溢れ、嗚咽を漏らしながら泣き崩れた。
――あああぁぁぁ、、、 浩二さんの為には身を隠すことも、死ぬ事も出来ないんだわ、、、
「真梨子。 もう一度言ってやろう。 いいか! お前は旦那を愛し、旦那に愛され、そして俺にケツを掘られてよがり狂ってるのが似合いなんだよ。 マゾ女のお前に出来る唯一の事だ!」
「ぅぅぅぅぅ… 惨いです、、、」
「それとも旦那にお前の淫乱ぶりを知らせて、呆れられて捨てて貰うのも手だ。 そうすれば旦那はお前を憎みながら棄てることが出来る。 ほら、この映像を見て貰うのが手っ取り早いぞ」
 壁に掛かった大きなスクリーンにはヴァギナに啓介が、そしてアナルを狐目の佐伯秀雄に同時に犯され、歓喜に打ち震える真梨子の姿が映し出された。
『奥さんのケツマ○コ! 最高だよ〜〜〜!』佐伯の雄たけびが大音量で真梨子の耳を襲う。
「いやあああああああああぁぁぁぁぁぁぁ 許して〜〜〜〜〜〜」
 真梨子は、シーツに突っ伏し嗚咽する。

 いつまでも泣きやまない真梨子に焦れたように啓介は真梨子の髪を掴んで顔を引き起こし、噛んで含めるように言い放った。
「お前はこれからも何食わぬ顔をして、貞淑な妻として旦那の日常を支えてやるんだよ。 そして俺の前では、お前の穴という穴すべてを俺に捧げ、淫らな牝犬奴隷になってよがり狂え。 お前に出来ることはそれだけだ。 わかったな! 真梨子!」
 浩二を愛し尽くし続け、そして騙し裏切り続ける事が、新しい支配者の命令なのだ。 それは愛する浩二に尽くす為には背く事が出来ない命令だった。 
――浩二さんは強い人、、、 でも心底私に心を預けてくれている、、、 まして上場を間近に控えた時に不逞を告げてお別れをする事は出来ない、、、 そう、、、今は、、、
 真梨子は涙が溢れる目で啓介をじっと見あげていた。
「、、、はい」
 長い沈黙の後、絞り上げるように真梨子は答えた。

「そうか。 では改めて聞く。 今日からおまえは俺の何になるんだ?」

「はい、、、 ケイスケさまの、、、め、牝犬奴隷にしてください、、、」
 身体を包む絶望感と背徳感に真梨子は目が眩む思いがした。

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