真梨子
羽佐間 修:作

■ 第8章 牝奴隷3

 真梨子は6時過ぎにオフィスを出た。 隣には梶がいる。

 駅に向かう道で身体の芯から沸き起こる淫らな快感に思わず立ち止まってしまう。
 出かける前に、会議室で梶に淫らな仕掛けを施された。
『淫汁コロンをたっぷりと塗っておいてやろうな。 拭き取るんじゃないぞ!』
 梶はその作業を久美に命じ、久美は辛そうな表情を浮かべながら真梨子の秘裂から淫汁を掬い取り、うなじや腋窩、手首に塗りつけた。
 皮製の下半身拘束ベルトにアナルとヴァギナにリモコンバイブを挿入され、ベルトは南京錠で閉じられてしまった。
 梶は指で摘んだ鍵と、抜き取られたクリスタル製のア○ルディルドウを真梨子の前でヒラヒラさせ「half moonで渡してやる」と言ってポケットに仕舞いこんだ。

 ワンピースの下に許されたものはこの拘束具だけだった。
 歩を進める度にノーブラのバストが揺れ、乳首が擦れてそれだけで軽いアクメに追いやられそうになる。
――こんな姿で先生に逢いたくない、、、

          ◆

 小松原と待ち合わせた店は、朴訥とした小松原のイメージからは少し意外な洒落た日本料理のお店だった。
「すいません。 お待たせしちゃいました?! お誘いいただきありがとうございます。先生」
「直ぐに場所は分かったのかね?! 忙しいのにかえって悪かったのではなかったですか?!」
「いいえ、そんなことはないです」
――いつもの教授だわ、、この前の先生と同じ人とは思えない、、、 内にあんなサディスチックな一面を持っていらっしゃるなんて、、、

 真梨子は、自分が演じた遥とイメージがダブらないように、いつも以上に丁寧に小松原に接する。
 料理が運ばれと小皿に取り分けたり、レモンを絞ったり、尊敬する恩師に尽くす教え子に徹して小松原の世話をする。
 しかし真梨子が動く度に、ワンピースの先端に浮いて見える乳首が小松原を煽るのを真梨子は気付いていない。
――真梨子君は下着を着けていないのか? やはりあのドール・ユリは真梨子君がモデルなのか?
 小松原がいくら聞いても雅は笑うだけで答えてくれず終いだった。

――真梨子がドール・ユリのモデルであればどうしよう、、、
 小松原教授の頭の中は希望にも似た真梨子への淫らな欲望で締められ、邪な目で甲斐々々しく世話を焼く教え子を見詰めていた。
「真梨子君。 具合でも悪いのかい? 随分と汗をかいているようだが、、、」  小笠原が心配そうに真梨子の顔を覗き込む。
「あっ、、、少し酔ったせいかもしれませんね、、、」
 時折、微弱な振動を送り込んでくる股間の淫具に苛まれ、真梨子はハンカチを取り出して首筋に浮いた汗を拭った。 店の手前で分かれた梶がどこかでリモコンを操っているらしい。

――はっ! これは、、、
 スカーフを巻いた汗をぬぐうために覗いた教え子の首筋には、ゴールドの首飾りが光っていた。  真梨子の首に巻かれたスカーフは、季節的には不釣合いだなと感じていたが、そのあたりのことにはまったく疎い小松原はこれが今時の流行なのだろうと思っていた。
――このチョーカー、、、 Mの金文字、、、はて?! 遥?! 由梨?!、、、 そうか! 雅ママ、勿体つけた演出だよ。 ふふっ
「あはは! いやぁ〜 あ〜はっはっは! そういうことか!」
「どうしたんですか? 先生、、、」
 周りのテーブルの客が振り返るほどの笑い声をあげた。

          ◆

 小松原との食事は、とても辛い時間だった。
 このお店に来てから股間の2本の淫具は何度も怪しい振動を繰り返し真梨子を責めたてた。平静を装いながら小笠原の前で1度昇りつめてしまっていた。
 込み上げる快感を拳を握り締めて忍び、小松原の話に相槌を打ちながら真梨子は快感に打ち震えた。
 怪訝そうな表情で「どうかしましたか?」と教授に尋ねられたが、何とか気付かれずに過せたと真梨子は思っていた。

「それにしても真梨子君は素敵なレディになったねえ。 こんなに素敵なレディをもう一軒お誘いしたいところですが、今日の会合のまとめをしなきゃならんのでそろそろ帰りましょうか?! 真梨子君」
「はい。 ご馳走様でした。 とっても美味しかったです、先生」
「それは良かった。 また近いうちに美味しいものをご馳走しましょう」
「先生。 今度は私がこちらにいるうちにご馳走させてください」
「はっはっ。 それは楽しみにしているよ」

 駅まで一緒に歩き、改札に着いた。
「送って行くのが紳士なのかもしれませんが、私の立場上、誤解を招く事は避けたほうがいいと思うので、ここで失礼するよ」
「お気遣いいただかなくてもまだ9時ですからご心配には及びません。 大丈夫ですよ、先生」
 改札で別れ、真梨子は恵比寿に住む小笠原とは反対のホームに立った。  やがて反対ホームの電車が出て行くのを見届け、真梨子は駅を出てhalf moonに向かった。

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