真梨子
羽佐間 修:作

■ 第8章 牝奴隷4

「遅くなりました。 順さま…」
 梶は既にカウンターで飲んでいた。
「一人か?!」
「はい、、、」
「詰まらんなあ。 同伴出勤してくるのかと思ったんだがな」
「……」
「それで、お前が変態女だってばれなかったのか?」
「はい、、、たぶん、、、」
「くっくっくっ。 それは残念だったな」
「うああぁぁ…」
 小松原と食事をしている間、散々真梨子を苦しめた股間の淫具が再び強く振動を始めたのだ。
「あっ、あぁぁ、、、、 も、もう 許してください、、、」
「外して欲しければ、ここで脱いでみろ!」
「ここでは許してください、、、」
「ふん。 まあ時間がないことだし仕方が無い。 星野君! 奥で支度してやってくれないか?!」
 カウンターの前に立つ星野に梶は貞操帯のキーを渡した。
――時間がない?! 支度?!、、、
 星野がふらつく真梨子を抱えるようにして控え室に消えた。 

   ◆

「さあ、出掛けるぞ」
「あっ、、、どこへ行くんですか?」
「行けば分かるよ。 啓介さんの命令だ」
――ケイスケさまの、、、
「、、、はい」

 真梨子は星野の運転する車の助手席に乗り、憂いを含んだ目をして流れる夜景を見つめていた。
 シャワーの後、会社に行く時の控えめな化粧をするように命じられた。
 学生時代に着ていたようなレモン色のコットン地の膝丈ワンピースを与えられていた。 パフスリーブが真梨子の可憐で清楚な雰囲気を際立たせている。
 ワンピースの下には、カップレスのブラジャーとGストリング、そしてガーターベルトにストッキングという扇情的な白で統一された下着を身に付けさせられていた。

 星野の運転する車は、エンパイヤーホテルの正面玄関で止まった。
「降りろ。 ここに啓介さんの指示が書いてある」
 星野が小さなメモを手渡した。
「は、はい、、、」
 
 車を降り、ロビーに入ってメモを開いてみる。

【ケイスケのメモ】
今夜、お前の身体を一晩、30万円で売った。 お前は今夜は売春婦だ。 1125号室に10:00。その部屋には隠しカメラが仕込んである。 見知らぬ男に身体を買われ、そして悶え狂う様のすべてを俺が見届けてやる。 いいな!
淫売の心得を一つ。 必ず抱かれる前に代金を貰うんだ。 30万円分、お前の全身を使って男に尽くして来い。 以下は淫売の口上だ。 部屋に行くまでに覚えて行け。・・・・・・・・・

「そんな、、、 ケイスケさまぁぁぁ どうしてそんな、、、 惨いです、、、」
 昨夜に続いてケイスケの陵辱をうけるものとばかり思っていた。 しかし啓介の命令は他の男に金で身体を売れという惨いものだった。
 真梨子は、力が抜け、その場にしゃがみこんでしまった。
――そんな、、、 ひどい、、、 売春だなんて、、、

「大丈夫ですか? お客様」
 ベルボーイが真梨子を案じて駆け寄ってきた。
――従うしかないのよ、、、 もう逃げられないの、、、
 真梨子はゆっくりと立ち上がり「ええ、もう大丈夫です。 ご心配をおかけしました」と心配そうなベルボーイに小さく会釈をした。

 やがて真梨子は瞳に涙を滲ませたまま、エレベータホールに向かってゆっくり歩き出した。

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