真梨子
羽佐間 修:作
■ 第8章 牝奴隷17
− 帰省前夜 − 8月11日(木)
カーテンの隙間から朝日が差し込んで眩しい。 目覚めると隣で弟、俊一の寝息が聞こえていた。
身体を起こそうとして真梨子は夢の中から現実に引き戻された。 背中で両腕を閉じあわされたハンドカフが自由を奪っている。 ほんの数時間前まで俊一にアナルまで陵辱され、禁断の快楽に溺れ狂っていた刻を思い出した。
――夏休みの間、俊ちゃんの奴隷だなんて、、、 ケイスケ様をも裏切ったことになるんだわ…
禁断の肉欲に溺れてしまった肉体がおぞましく思う。
――どこまで堕ちていくんだろう… どれほど愛する人達を裏切り踏みにじっていくのだろう…
時計を見るともう出掛ける用意をしなくてはいけない時間だ。
「俊ちゃん、、、 俊ちゃん、、、 起きて、、、」 俊一の耳元で真梨子は囁く。
ううん、、、と寝返りを打つ俊一。
「俊ちゃん、、、 お願い、、、 起きて、、、」
眠そうに振り向き、俊一はようやく目を開けた。
「あぁぁ、、、 おはよー、姉さん」
「、、、お、おはよ、、、」
俊一の目の前に自分の乳房が揺れているのに気付き、真梨子は顔を赤らめる。 その仕草に気付いたのか、俊一は真梨子を抱き寄せ乳首に吸い付いてくる。
「ちょっと、俊ちゃん。 お願い。 もう出掛ける支度をしないと。 ご飯作るから、、、手首、、、外してちょうだい、、、」
「やだ! 朝飯なんかいらんわ。 朝から姉さんの身体を腹いっぱい喰うわ」
「ちょっと、ダメよ! 俊ちゃん! あん、ダメってば、、、」
「僕の絞りたてのミルク、飲ましてやるよ、姉さん」
跳ね起きた俊一は、真梨子と身体を反転し、押さえつけた姉の口に既に猛りきった怒張をねじ込む。
「俊ちゃ、、、 んぐっっっっっ!」
◆
明日からの5日間のお盆休みに備え、システム開発業者との打ち合わせを終え、なんとか約束の時間に奈保子の店にたどり着いた。
想像していた通り、帰省前の身体の手入れとは口実で、奈保子は真梨子をVIPルームに招じるなり、真梨子を抱きしめ、熱いキスをしてきた。
「うふぅぅっ、、、」
唇を離すと奈保子は電気を消して真梨子に全裸になるよう命じた。
通りに面した窓のカーテンを開き、差し込む街の灯りに仄かに二人の裸身が浮かび上がる。
「こっちにおいで。 みられるかも知れないってドキドキするでしょ、真梨子さん」 ユニフォームを脱ぎ捨て全裸になった奈保子が窓際の椅子に腰掛けて真梨子を手招く。
「奈保子さん、、、 外から見えてしまいます、、、」
「うふっ。 だから感じるんでしょ、貴女は」
「……」真梨子はぐずる子供が母にあやされるように奈保子の膝に身体を預けた。
「真梨子さん。 この前はとっても淫らで可愛かったわよ。 貴女のよがり狂う様を見てて少し妬けちゃったわ。 早く貴女を可愛がりたかったの。 うふふっ」
奈保子は抱きかかえた真梨子の身体を味わうように唇と舌を這わす。
「ぁぁぁぁ、、、 ぅぅぁん、、、」
ヴァギナにも淫核にも一度も触れないのに真梨子の身体は、疼き燃え上がっている。 ビクンと弾けたり、フルフルと震え、手は椅子の背もたれを強く握り締めて押し寄せる快感に懸命に抗おうとしていた。
ほんの少し触れられただけでも、自分でも驚いてしまうほど身体が敏感に反応してしまう。 ここ数日、パーティの後啓介に責められたのをはじめ、小松原教授に体を買われ、そして昨夜は弟に朝まで責め狂わされ、一日中身体の芯が疼いているような感覚を感じていた。
もどかしい優しい愛撫が延々と続く中で、軽いアクメに何度も呑み込まれていた。
――奈保子さん、、、 お願い、、、意地悪しないでぇ、、、
何度も、奈保子に逝かせて欲しいと口に出掛かったが、真梨子は懸命に耐えている。
「あっ、、、はぁ、はぁ、ぁぁぁぅぅぅ、、、」
ふいに奈保子の手が止まった。
「貴女の携帯じゃない?!」
奈保子に手渡された携帯には見知らぬ番号が表示されていた。
「はい、、、 真梨子です、、、」
果たしてその電話は啓介からだった。
声を聞いているだけで胸が苦しくなるほど心臓が早鐘を打ち、電話を持つ手がかすかに震える。
先日のようにまた誰かに身体を売られるのか、真梨子は啓介の発する言葉が恐ろしく、そして惨い仕打ちを待ち望んでいたかのように被虐心がザワザワと掻き立てられてくるのを感じていた。
電話の間、奈保子はもどかしい愛撫を真梨子に注ぎ続けている。
「ぁ、ぁ、、はい、、、 わかりました、、、 直ぐに伺います、、、」
「奈保子さん、、、 ごめんなさい。 急用が出来てしまって、、、」
「あら、帰っちゃうの?! 残念だわ。 ご主人様からの呼び出しでしょう?! まるで彼のために貴女の身体をほぐしてあげてたみたいだわ。 もう少し楽しみたかったのに、、、」
「……」
「いいわよ。 でもシャワーを浴びずにオマ○コを濡らしたままでお出かけなさいな。 うふふっ」
◆
啓介に呼び出されたのはエンパイアホテルの上階にあるフレンチレストランだった。 このホテルは浩二の東京出張時の定宿で、この店には結婚する前に何度か連れてこられた事があるのが少し気掛かりだ。
真梨子は女性スタッフに先導され、着飾った紳士、淑女が食事と会話を楽しむ華やいだ雰囲気の漂う中を奥まったところにあるプライベート・コーナーに案内された。
そこは濃いすりガラス製のコの字形のパーティションで仕切られた半個室のような作りで、窓から拡がる東京の夜景を独り占めしているような贅沢感が味わえ、カップルには人気の空間だ。
「失礼します。 お連れ様がお見えになりました」
中に入ると夜景を眺めながら紫煙をくゆらす啓介の後姿が見えた。
「お待たせして申し訳ありません、、、」
真梨子は啓介の前に立っているだけで萎縮し、唇が乾いてくる。
「おう、来たか。 お腹が空いただろう?! さっそく食事にしよう」
案内したスタッフにディナーの開始を告げた。
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