真梨子
羽佐間 修:作

■ 第9章 肉人形1

− 飼い犬 − 8月24日(水)

「俊ちゃん、、、 お尻、、、洗ってください、、、」
 真梨子は頬を赤く染め、朝食を摂った後ソファでニュースを見ている俊一の前に立った。 身に付けるものは、週末に二人で買った紅い首輪だけだった。
 『僕のひと夏のペット、真梨子姉さんに似合うのを選んで。 僕と居る時は必ず付けるんだよ』とペットショップで自分の首を飾る犬用の首輪を買わされたのだった。
「いいよ」
 真梨子は、腸内洗浄輸液の入った洗面器と、太いガラス製の浣腸器をテーブルの上に置いた。

「ふふっ。 今朝もいっぱいウンチ、出るかなぁ〜?! さあ、いやらしいケツを思いきり開いてよ、姉さん」
「ぁぁぁ、、、 はい、、、」
 毎朝の日課の腸内洗浄は、この数日俊一の手で浣腸器で行われるようになっていた。
「はぁぁぁ、、、」
 ソファに深々ともたれる俊一に、ア○ルを露にしてヒップを差し出し、嘴管が差し込まれるのを待つ。
「あれっ!? 姉さん、オマ○コを塞いでいたタンポンの紐が無くなってる〜。 やっと生理が終わったんだね。 ふふっ。 今夜からはオマ○コにも突っ込んであげられるねっ!」

 スポーツバッグに詰められて実家から戻った夜、激しい禁断の交わりの最中に生理が始まった。
 それ以来一週間、俊一は夜毎真梨子のア○ルにその精を叩きつけていた。
「ひっ!」
 ゼリーを塗した俊一の指がア○ルに侵入し、まだ溶けやらぬ固い窄まりを丁寧に揉み解す。
「昨夜はってか、ついさっきまでだよね、姉さんがこのけつマ○コでよがり狂ってたのは」 
 ヌプヌプと出入りする俊一の指は腸壁を擦り、真梨子の口からは喘ぎとも、呻きともとれる声が漏れ始める。
「んぅぅぅぅ、、、 ぁぁぁぁ、、、」
「姉さんは本当に尻穴が好きだねぇ。 この一週間で凄く感じやすくなってきてるよね、ココ。 ひょっとしてオマ○コよりも感じるんじゃないの?!」
「ぅぅぁぁぁぁぁ、、、、」
「今夜はオマ○コだけを可愛がってあげようと思ったけど、ちゃんとココにもしてあげるからね〜」
 シリンダーから勢いよく腸内に輸液が流れ込んできた。
「あっ! んむぅぅぅぅ、、、」
 一度抜かれたシリンダーは、輸液を満たして再びア○ルに差し入れられる。 腸腔に流れ込む浣腸液は、鈍い痛みと共に惨めな恥辱を煽り、真梨子の官能を揺さぶり始める。
 堪えきれずに毀れる呻きは、
「終わったよ、姉さん」(パシッ!)
「ぁっ、、、 俊ちゃん、、、」
 尻たぶで俊一の手のひらが乾いた音を奏でた。
「うふふっ。 出勤の用意が出来たらウンチしていいよ、姉さん」
 やがて襲ってくる激しい便意からは、俊一の許しを得て見詰められながら開放されるのが俊一が課したルールだ。

 真梨子は手早く着替えを済ませて俊一の名を叫びながらトイレに駆け込んだ。 便意はかなり切羽詰って、額には脂汗が浮かぶ。
「しゅ、俊ちゃん、、、もう、、、 お願い! 俊ちゃん!」
 便座に座る真梨子が、リビングの俊一に哀願する。
 
 開け放たれたトイレのドアの前に俊一は全裸で現れ、その下半身の一物は隆々とそびえ立っていた。
 俊一は頷きながら意地悪そうな笑みを浮かべ、真梨子の髪を掴んで有無を言わせず怒張を咥えさせる。
「ぐっ、んごふぉ、、、」
「姉さん。 僕のを飲み干したらウンチしていいよ」
――そんな! ムリだわ、、、 俊ちゃん! もう我慢できないのぉ
 真梨子は両腕で俊一の腰にしがみつく。
 身体を前に屈む姿勢は下腹部を苛むが真梨子は必死で俊一の剛棒に口腔奉仕をする。
――あっ、も、もう、だめぇぇ、、、 漏れちゃう、、、

 真梨子はブルブル身体を震わせて、惨めで無様な音とともに噴流が便器に流れ出した。
「あ〜あっ!姉さん、漏らしちゃったあ。 しようがないねえ。 じゃ朝のミルク、あげる。 零したらせっかくの化粧が台無しになるよ。 さぁ、出すよ」
 真梨子は小さく頷き、ひと際膨らんだ亀頭から口内に発射された俊一の精を苦しそうに喉を鳴らして呑み込んでいく。
 排泄をしながら弟に口腔を犯され、惨めな苦痛の中に被虐の快感が真梨子を覆い、エクスタシーを迎える。

 波打つ発作がおさまったペニスを、口を窄め慈しむように舐め取りやがて顔を上げた真梨子の唇は半透明の糸が引いていた。 

   ◆

「ただいま、、、俊ちゃん?!」
――出掛けてるの?!、、、
 真梨子は、定時に仕事を切り上げてマンションに戻ってきた。 いつも嬉しそうにリビングから飛び出して抱きついてくる俊一の姿はなく、自分で玄関のライトを点けるのは久しぶりだった。

――俊ちゃん、早く帰ってきて、、、
 俊一の不在に落胆している自分に気付き、この押さえ切れぬ愚かで淫らな欲望に思わず呆れ果ててしまう。 今日は一日中、身体が恥辱を求めてどうしようもなく疼き、許されない弟・俊一の陵辱を欲していたのだ。
 帰宅した途端、汗と愛液で汚れた股間を俊一に弄られ、ドロドロに蕩けた股間を揶揄される瞬間は、真梨子にはとても恥ずかしく、そして今から始まる背徳の営みへ期待で血が沸き立つスイッチだった。
「あぁぁぁ、、、」
 出掛ける時に外し、げた箱の上に置いた赤い首輪を躊躇わずに首に巻いた。
 先週の土曜日に、『牝犬の証』として渋谷のハンズで俊一に買わされたものだ。 それ以来、マンションの中ではずっと首輪を身に付け、もう5日目になる。

 急いで俊一の夕食の支度を整えて、バスルームに向かった。

 髪を洗っていると禁断の交わりを結んだ後、俊一にシャンプーして貰った昨夜のことを思い出し、胸がざわめいてくる。
 真梨子は男性に髪を洗って貰うのが好きだった。 特にシャワーがおおかたの泡を流し去り、すすぎの段階で男の指が頭皮を優しく滑り、髪を指で鋤かれるとゾクゾクしてしまう。

 昨夜も例に漏れずそうだった。
 数え切れぬほど肛交で逝かされた後、弟・俊一にバスルームで髪を洗って貰っていた。
――気持ちいい、、、

 真梨子が男に髪を洗って貰う事に性的興奮を覚えてしまうのに気付いたのは、中学生になったばかりの頃だった。
 それまでは母親が髪をカットしてくれていたのだが、中学生になって初めて母に連れられて美容院へ行った。
 ドキドキしながらシャンプー台に仰向けになって横たわり、男性スタッフにタオルで視界を遮られると、身体がビクッと強張り、肘掛けを握る手に思わず力が入る。
 スタッフの指が髪を洗っている間中、シャンプー台の肘掛を真梨子は指が白くなるほど握り締めていた。
 手足を拘束され、なすがままに嬲られていような感覚に汗が噴出す。 すすぎの時、うなじを撫でられると身体が浮き上がってしまいそうな快感が走ったのだった。
 シャンプーが終わり、鏡に写る顔は頬が紅潮し、瞳は潤んでいやらしい感じがした。 そしてぐっしょりと濡らしてしまっている秘部は熱く疼き、自分の中に巣食っていた淫らな欲望に愕然としたのを今もよく覚えていた。
 それ以来、大学の時も、就職してからも自分への嫌悪感を感じながらも髪をカットする時は若い男性スタッフがシャンプーをしてくれる店を選び、密やかな冒険に媚肉を潤ませていた。
翔太の指が髪を梳く度に、ジュクジュクと愛液が溢れ、身体中がジンジンと疼いていたのだった。

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