真梨子
羽佐間 修:作

■ 第9章 肉人形3

 バスルームを出ると、携帯にメールの着信を知らせるライトが点滅していた。

――俊ちゃん、、、

date: 8/24 20:58 
from:俊一
件名:(non title)
本文:今日は公平のマンションに泊まる。姉さんのオマ○コより友情を選択した俺は偉い?! 姉さんは不満だろうなあ^^ 我慢できないなら僕のチ○ポを思いながらオナニーしてもいいよ。バイブを2本挿して淫らに腰をくねらせて逝くんだヨン^^ そうだ! どうせならベランダでやってみてよ。 もちろん真っ裸でね。 この前、ベランダでやった時は凄く興奮してただろ! 言っとくけどこれ、命令じゃないからね。 でもどうしても我慢できなくてオナニーしちゃうなら以下は命令。 ズボズボやってる最中のいやらしい姿、写メで撮ってメールで送る事。 姉さんのドロドロの淫汁で汚れたオマ○コのアップも忘れずにね。 公平の前でこっそり見てあげるよ。 公平にも見て欲しいなら見せてもいいよ。
 いくらスケベな姉さんだって恥ずかしくて無理かな!?
PS:我慢できるかな〜〜〜?! くふふっ^^ この前と違って今日はお隣さんはいるでしょ!? 見つからないようにネ! 襲われても知らないよ^^


「なにをバカなことを、、、」 真梨子は苦笑をもらす。
 しかし、俊一の煽るようなメール文は、真梨子の被虐心を揺さぶる。その通りにした時の恥ずかしさを思うと真梨子の心は妖しくざわついているのだ。
――あぁぁ、、、私、、、
 俊一のメールに従わなければいけない理由を懸命に探している自分に呆れてしまう。

「馬鹿なこと考えないでお肌のお手入れしましょ!」
 淫らな妄想を振り払おうと自分に言い聞かせるように声に出し、ドレッサーに向かった。

 一人で夕食を済ませた後、何か身体を動かしていないとソワソワしてしまう気がして、ネイルの手入れに取り掛かりマニキュアを塗る作業に没頭した。

「あれっ?!」
 見るとはなしにつけていたテレビの深夜のニュースショーが終わり、時刻はいつの間にか日付が変わっていることに気付いた。
「ふぅ、、、 寝ましょ、、、」
 鍵を閉めようとベランダのサッシに近寄ると、デッキチェアが目に入った。 帰省した日にベランダで俊一に嬲られた時のことが鮮明に蘇ってしまった。
――あああぁぁぁぁぁ もう、ダメ、、、
 自分をごまかしていたが、弟に陵辱され快感にのたうちまわったその時々がフラッシュバックし、重ねた我慢は崩れ去った。
 真梨子は寝室に走り、淫具が入ったポーチを手にリビングに戻る。
 せわしく部屋着を脱ぎ、バスタオルを裸身に巻いて電気を消した。 そしてゆっくりとベランダの方へ歩み寄る。
 押し寄せる恥辱の期待に真梨子の女芯は熱く疼き、溢れる淫汁は内股にまで伝い流れ始めていた。
 カーテンを少し開け、向かいのオフィスビルを見るとまだいくつかの部屋の明かりがついていて人影が見える。
――こっちが暗いんだもの、外から見えるはずないわ、、、
 カーテンに隠れながら、全開にするとリビングに夜の光が差し込み、室内がうっすらと浮かびあがる。
――誰も見てるわけないわ、、、 あぁぁぁ、、、
 心臓は早鐘を打ち、呼吸が苦しくなるほどに真梨子は興奮していた。
――こんなこと、しちゃダメ、、、 ダメよ、、、
 自制する言葉を頭でリフレインするほどに淫辱を望む被虐の息吹が強まってくる。
「ああぁぁぁ、、、 こんなこと、、、ダメなのに、、、」
 サッシを大きく開きベランダにタオルを巻いただけの身体を移す。 裸身をなでる夜風が心地よい。
 ベランダの隣との仕切り板の隙間から、隣家の明かりが少し見える。
――お隣は若い男性なのよ。 やめなきゃ、、、手摺り越しに覗かれたらどうするの、、、
 理性とは裏腹に火照った身体は、魅入られたようにデッキチェアに向かい、真梨子は静かに全身を横たえた。

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