真梨子
羽佐間 修:作

■ 第9章 肉人形19

 この声の主には、秘密の館で幾度か緊縛され、そしてその縄が絞り出す妖しい快感に喘ぎ乱れた。

 夫・浩二に縛られるのは好きな閨房の秘事だったが、それは愛する人に身動きできないように拘束され、あられもない羞恥の姿を晒されるその事が真梨子の心を淫らにした。

 意志をもった生き物のように自在に肌を這い、瞬く間に身体の自由を奪うこの男の操る縄は、縄そのものが快感を誘ってくるのだった。

 縄がきつく結わえられる度に切なく甘い喘ぎが漏れ、宙に浮いた身体を揺すられると、柔肌に喰い込む縄はギシギシと軋み、痛みともつかぬ妖しい熱い疼きが湧き上がってくる。
 やがて”縄酔い”という被虐の快感に、真梨子は被虐の深淵へ沈んでいってしまうのだ。
 二度目からはこの男に縛られていると判っただけで、身体の芯が疼き身体が火照ってしまうようになっていた。

 しかしいつも真梨子が視界を奪われているか、男がマスクで顔を覆っていたから、この声の主の顔を見たことがないままだった。

――あぁぁぁ、、、 アレは吉岡専務だったんだわ、、、、

 よりによってクライアントの経営者に数か月も前からその縄の緊縛に恥辱をさらしていた事に真梨子は愕然とする。
 あまりのショックに崩れ落ちそうになった身体を秋山が膝の上に抱き寄せた。

「やっと誰だか分かったようだね、羽佐間さん。 どれだけ濡らしてるのか見て頂こうか? よいしょっと」

 秋山が幼児にオシッコをさせるように真梨子を大股開きで抱き上げ、昌也に向かってその無防備な下半身を晒した。

「いやぁっ! ダメ! 秋山さん! やっ、やめてっ、、、」

 手足をバタバタさせ必死で抗う真梨子に、ソファを立ち上がった昌也が近づき、真梨子の股間に潜む淫裂に指を這わせる。

「いやあぁぁぁ! あうっ、、、 ダメっ! 触らないでください、、、」

「ふふふっ。 もう洪水だな」

「だめぇ……あぁ……」

 昌也の2本の指が淫孔に沈み、淫肉を掻き分けて進む。

「んぁ、ぁ、、ぁ、、、ウっ」

「ふふっ、相変わらず食いしん坊なオマ×コだ。 挿れられたモノは何でも奥へ奥へと飲み込もうとしやがる!」
(ニュチュ、クチュ、、クチュ、クチュ、、、)

 昌也の指が淫壷を遊び、秋山がジャケットを肌蹴け、あらわになった乳房を揉みしだく。

「あうんッ……ぅあ  ダメッ! やめて、、、」

「お前の身体をこんな風にいつでも発情してる淫乱な身体に造り変えてやったのは俺だ!」

――えっ?! 何っ? どういうこと、、、

「んぐっっっっっ!! んあゥ……あうんッ……ぅあーーーーー、ぅぅーーーーーー!!」

 昌也がクリ×リスで揺れるピアスリングを無造作に引っ張ると、充血した陰核がいびつに伸び、脳天にまで強烈な快感が貫く。

「奈保子や桑野ドクターに命じて、お前のクリ×リスの包皮を根元まで剥いて、ショーツの柔らかい布にすら刺激を受け、いつでもオマ×コが淫汁でベトベトに濡れる牝犬の身体にしてやったのは俺だと言っているんだ」

「! ゥゥン! ン!! あぁっ……あぁ……あぁ…… そんな……」

「それにしても良い玩具になったもんだ。 お前が”縄酔い”の境地にまで辿りつくマゾ牝の素質を持っていたとは想像以上だった。 だからこそ啓介さんみたいな人に買って貰えたんだぞ」

「うぐっっっうぅぅぅぅ……… ひどい、、、 人を無理やり売るなんて、、、」
――そんなっ、、、 そんな、、、私を淫らな売り物にするために肉体を改造されていただなんて、、、

「ふん。 何を言ってやがる。 お前も啓介さんにアナルにぶち込まれて『貴方の牝犬にして〜』なんて泣いてすがってただろ。 相性ばっちりのご主人様に出会わせてやったんだから礼を言って貰わなくちゃいかんくらいだ。 ふふふっ」

「いやあああぁぁぁぁ〜〜〜」

 真梨子はすべてを知った。 東京へ来てからの事はすべてこの男の企みだったのだ。

■つづき

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