真梨子
羽佐間 修:作

■ 第9章 肉人形21

− 武蔵野の館 − 9月9日(金)

 夕焼け空の薄い光りが差し込むプロジェクト・ルームの窓際で2匹の牝犬、真梨子と久美が、秋山の雄々しく猛る怒張に舌を這わせ、ア○ルに窄めた舌を差し入れ、懸命に競うように奉仕につとめていた。

 オフィスの中で繰り広げる牝犬嬲りを、秋山はいたく気に入っていた。 夜毎、深夜に及ぶまで、時には裕美まで加えて恥戯に酔い痴れている。
 『梶部長の”真梨子の露出症治療日誌”を引き継いだ』と秋山に告げられた当初、真梨子はオフィスの中では久美には悟られぬように嬲られていた。
 しかし、専務室で裕美と凌辱されて以来、秋山の性的な虐げはあからさまだ。 秋山は久美のことも端から梶の秘密のデータから知っていて、真梨子の知らぬところで久美をいたぶっていたが、首魁の吉岡専務の許しを得たのか、露骨になった。
 プロジェクトはトラブルもなく順調に推移し、業務は報告書の整理をするだけなので、暇に任せて昼間から二人にオフィスの中でオナニーを強要したり、裸で過ごさせたりしていた。

「ああぁぁぁ、、、 ご主人様ぁぁ、、、 オチ○ポ、、、 ください、、、 もう、久美、、、 我慢できないぃぃ」
 蜜壷を指で抉られていた久美は感極まり、喉奥に頬張っていた秋山のペ○スを吐き出し、挿入をねだる。
 夜毎の淫辱で裕美は秋山に完全に従属し、秋山の”女”という態度を示すようになり、命じられた奉仕をする真梨子にねめつけるような眼差しを送ってくることさえある。
「ふふっ。 久美は賢くなったなあ。 真梨子も残念だろうが今はお預けだ。 そろそろ出掛けなくちゃ遅刻するとヤバイよ。 二人とも服を着ろ」

 今夜、プロジェクトチームのメンバーは、プロジェクトの成果の褒美として高倉由紀の自宅でディナーに招かれていた。


 秋山の駆る車で30分ほど走ると、武蔵野の面影を残す多摩川沿いの丘陵に建つ瀟洒な洋館に着いた。
 行く道々、まさか婿養子の吉岡が高倉の総帥・由紀の前で淫らな行為はするはずがないと思っていたが、いざ屋敷に着くと何となく不安な気分が真梨子を包む。
 秋山が口にした『今はお預けだ』という言葉が妙に気に掛かっていた。

 車寄せに車が滑り込むと、まもなく上品な佇まいの女性が玄関に現れ、深々とお辞儀をした。

「いらっしゃいませ。 お連れ様はもうお着きになっています。 どうぞ、お入りください」

――えっ?! 麻木さん?! どうしてここに、、、
 出迎えたのは、高倉ビューティ・セレブエステ事業の責任者、麻木あづみだった。

 民自党奥様会の後、連れていかれた秘密倶楽部で、アイマスクをつけたあづみの”ご主人様”昌也に真梨子とあづみは縄で緊縛され、裸体を向かい合うように天井から吊るされた。 そして前後の穴を極太のディルドウで繋げられ、狂ったように腰をグラインドさせあい二人して泣き叫びながら壮絶な痴獄を漂ったのはつい一ヶ月の事だ。

――どうしてここにあづみさんが、、、 えっ?? まっ、まさか、昌也って吉岡専務の事?! そっ、そうなんだわ、、、

 昌也に縄で縛られた、肌に食い込む縄の緊縛だけで初めてアクメに達した時の事、、、アイマスクから覗く鋭い眼光、、、 吉岡の操る妖しい縄の快感、、、 二人の男から受けたそれぞれの淫戯が真梨子の中で重なった。

――麻木さんも吉岡専務もNetゲームのサークルのメンバー、、、

――吉岡専務は私が東京に赴任する前からID:♪マリコ♪が私だと知っていたの?!

――だとしたらチャットで自縛調教を受けたのは吉岡専務ということに、、、 もしかしたら私が東京へ来たこと自体、吉岡専務が仕組んだ事なの?!、、、

 想像が想像を呼び、真梨子は得体のしれない恐怖に、怖気づき身体が竦む。

「羽佐間さん、どうぞお入りください。 由紀先生がお待ちかねですよ」

「あっ、、、はい、、、」

 あづみの呼びかけにふと我に返り顔を上げると、玄関から廊下の奥まで煌々と灯りが点る瀟洒な邸内の光景が目に入った。

――そう、そうよ。 このお邸は、高倉ビューティの総帥・高倉由紀社長のご自宅なのよ、、、 とにかく今日のお招きを無事に終えなくっちゃ、、、

 ダイニングルームに入ると、既に高倉側のプロジェクトメンバーの吉野課長、沢田課長、新谷 裕美、そしてと吉岡専務、木島常務がテーブルに付き、中央に座る高倉由紀を中心に和やかな雰囲気で談笑していた。

               ◆

 出された料理は、一流ホテルの出張サービスのスタッフが手掛けたもので、次々と運ばれる皿はいずれも見事なものなのだが、真梨子は心の底からは楽しめないでいた。

 やはり吉岡専務が昌也と同じ人物なのか、会話の合間にもふと考えてしまう。
 さらに心を塞がせたのは、家族を長崎に残し単身赴任のあづみはこの屋敷に一部屋与えられて住んでおり、ここへ来る前は、真梨子があてがわれているマンションに住んでいたという話を聞いたからだ。
 やはり最初から、私を堕とす事が目的でプロジェクトに呼ばれたのか、、、 あづみと同じようにさせられてしまうのか、、、一瞬、真梨子は頭が真っ白になり血の気が引いてしまった。

 しかし同一人物であるなら、マゾ奴隷として扱ういわば愛人のあづみをどうして同居させているのか、由紀をはじめ、家族の気持ちがわからない。

 その由紀の吉岡に対する態度が不自然なのがまた真梨子の不安を煽っていた。

 高倉由紀は女手一つで高倉ビューティという美容王国を築き上げた立志伝中の人物だ。 真梨子はプロジェクトが決まった時、由紀の自伝や業界本を読み、ベビーフェイスの柔和な顔に似合わず、世の男達と渡り合い幾つもの修羅場をくぐりぬけてきた気丈夫な女性というイメージを由紀に抱いていた。
 実際、幾度か仕事で話をした時も吉岡を含め周りのスタッフをピリピリとさせる貫禄にはさすがのカリスマ性を感じた。
 ところが、今日の由紀からは、そして一緒にテーブルについている由紀の娘で吉岡の妻の真由美とその娘・まどかからも何かしら吉岡を恐れているかのようなオドオドとした態度を真梨子は感じていた。

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