真梨子
羽佐間 修:作

■ 第9章 肉人形32



「今日で終わりだから、十分楽しむんだぞ、真梨子」
 啓介がボソリと言った。

「はい?!」

「おまえの身体を嬲るのは今夜で最後だ」

「あっ、、、 はっ、はい、、、」
 真梨子の眼にみるみる涙が溢れだし、頬を伝い落ちていく。

 胸に込み上げるこの思いは何なのか、自分でも理解できない。
――解放される安堵、、、?! 飽きられ、棄てられる哀しみ、、、?!

 貴方の女にしてください! という真梨子の血の叫びに『何故だ? 飽きるまでは、玩具として弄んでやる』と言った啓介の声を今も耳に残っている。
――今夜で最後、、、 本当に、この痴獄から逃れられるの、、、  本当に終わるの?!

 啓介が解放してくれたとしても、吉岡もそうしてくれるのか、二人の関係がよく分からない。

「楽しませて貰うぞ、真梨子」

「、、、はい」

「お世話になった佐野さんや入江さんにもサービスしなきゃなっ、真梨子」
――お店の方にサービス、、、 恥ずかしい、、、

 困惑の表情を浮かべる真梨子に啓介の視線は”自分で考えろ”と語っていた。

「あぁぁ、、、 ワタシ、、、」
――あぁぁぁ  脱げ! と命じてください、、、

「あの、、、ケイスケさま、、、 熱いので、、、今日も、、、服を脱いでも、、、いいですか?  ああぁぁ、、、」

「ふふっ。 好きにしろ」

「はい、、、」
 真梨子は、立ち上がりワンピースのジッパーをおろす。

 ストッキグとガーターを除いて下着を脱ぎ去り、真梨子は再び席に付いた。

「はははっ。 ストッキングを取らないのは俺へのサービスのつもりか? 男はガーター姿に弱いってか?! あははっ」

「あぅぅ、、、 はい、、、」

「凌辱しようとしている男を下着姿で煽ろうとするなんてなあ! 牝犬ぶりが板に付いてきたな、真梨子」

「あぁぁ、、、 はい、、、」
 啓介の言うとおり、無意識に真梨子は男を悦ばせるために、このスタイルを選んだ。 恥辱で顔が紅潮しているのが、たまらなく恥ずかしい。

「おい、ナプキンを椅子に敷かないと。 お前は汁気が多いから椅子を汚すだろ」

「はい、、、 ゴメンナサイ、、、」
 既に真梨子のヴァギナは、合わせ目から淫汁がこぼれ出すほどに濡れていた。

「失礼します」
 入江がスープ皿を手に近づいてきた。

 既に正体がバレテいる相手とはいえ、恥ずかしさに心臓は早鐘を打ち、顔をあげることもできない。

「オニオンスープでございます」

 入江は、二人の前にスープを静かに置いた。

「こちらは、お預かりしておきますね」
 入江の手には、脱いだばかりの真梨子の下着が握られていた。

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