半紙
二次元世界の調教師:作

■ 2

「さあ、ここが先生のお宅よ。」

 花崎さんがそう言って示した家には、「秋山書道教室」と言う看板が掛かっていました。恭子先生は、ご自宅でも教室を開いて一般の方々にレッスンをしているのです。今日は一般生徒はお休みで、私達のために練習室を貸して下さる、という話でした。

「あら、いらっしゃい。」

 呼び鈴を鳴らすとすぐに出て来てくれた恭子先生は、休日だからでしょう、いつもとは違ってTシャツとミニスカートというラフな格好で、ちょっと露出が多いのではないかと思いましたが、それはそれでドキドキしてしまう程魅力的でした。でも声の調子はいつもの優しい恭子先生そのもので、私は少し安心しました。

 私達3人はレッスンの前に、まずとても立派な応接室に通され、深々としたソファーに座らせてもらった上に、先生がわざわざと紅茶とお菓子を出して下さいました。

「遠慮しないで、召し上がってね。」

 先生にそう勧められても私は緊張して手を付けられずにいましたが、2人の先輩方が私にもお菓子を取ってくれて紅茶に口を付けたので、私も高級そうな和菓子を食べその紅茶を飲んでしまいました。半分くらい飲んだ頃何だか舌先にピリッとした味を感じましたが、その時にはもう遅く、私は急に体から力が抜けクラクラと目が回ったかと思うと、気を失ってしまっていたのです。

「瞳ちゃん、目が覚めた?」

 顔に妙な冷たい感触を覚えたかと思うと、次に目を覚ました私は、余りにもとんでもない事態に全く頭がついて行きませんでした。

「あなた、今日は『半紙』になってね。」

 そうおっしゃった先生は毛筆を私に握って見せています。その筆からは墨汁がポタポタと垂れていて、どうやらさっきの冷たい感触はそれで撫でられたものらしいのです。ハッとした私はそれを確かめようとしましたが、カラダが全く動きませんでした。そしてあろう事か、私は衣服を全て剥ぎ取られ全裸で床の上に仰向けで寝かされ、手足は大の字に開いて固定されていたのです。慌てて力を入れても全くビクともしませんでした。

「半紙さんは文鎮で押さえてるから、大人しくなさい。」

 何と私の両手と両足は、「文鎮」と言われた大きな金属製の物体で、大きく開いて押さえ付けられていました。相当重く頑丈な物らしく、少なくとも私の力ではどうにもなりません。

「んんっっ!!」

 私はうろたえて声を出そうとしましたが、今度は口にも何か噛まされていて言葉になりません。

「半紙さんは、しゃべらないわよ。」

 いつもの優しい口調の恭子先生でしたが、これは現実の事なのか、私は次第に自分の置かれた状態を理解するに連れて頭が錯乱しそうになっていました。しかし本当に錯乱してしまうのは、これからだったのです。

「それでは書会を始めましょう。」

 先生がそう言い、ハッと辺りに目を配ると、2人の先輩方も全裸の私の側に制服のままかしこまって正座していました。そして先生と2人は毛筆を持ち、硯の墨汁を穂先に含ませていました。

(半紙って、ま、まさか……)

 そう、そのまさかでした。3人は私のカラダを「半紙」代わりに、タップリ墨汁を含ませた毛筆で字を書き始めたのです。

「いいですか、端っこの方からカラダ中真っ黒になるように字を書いてあげなさい。
 お顔以外は白い所を残さず、半紙さんが気持ち良さそうだったら、何度書いてあげても良いのですよ。」
「わかりました……
 ああ…」
「せ、先生……
 私、もう、もう……」

 2人の先輩は妙に色っぽい声を出して、正座のカラダをモジモジとさせているようでした。後で知ったのですが、何とお2人のスカートの中には嫌らしい女性を歓ばせるお道具が股間に付けられていて、来る途中2人が不自然なくらいモジモジしていたのはそのせいだったのです。

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