ヘンタイ教師
二次元世界の調教師:作

■ 2

「ねえ、あの子の後つけてみない?」

 みっちゃんがこの間からアタシも思ってた、そんな良くない提案を持ち掛けて来た。が、少しためらったアタシは現実的な道を選んだ。

「それよか、シッコ行こ、シッコ。
 アタシ洩れちゃいそうだよ。」
「そうしよっか。」

 割と近い席に座ってた2人の男子が、嫌な顔をするのが見えておかしかった。「シッコ」だのと、小学生女子でも低学年しか言わないような言い方をしちゃったけど、これがほぼ女子校状態の女の子の実態だ。ごめんよ。宮本先生の授業中なんか、途中で手を上げて「先生シッコ」と言って中途で教室を出てサボる女子は日常茶飯事だ。まだ「ションベン」と言わないだけでも許してもらおう。ちなみにこの2人の気弱そうな男子君も、今はその場にいたけど、いない時は「たぶんヘンタイ」と烙印を押されちゃっている。くわばらくわばら。アタシだっていない時、誰に何を言われてるやらわかったもんじゃない。

 その時5時間目が始まる5分前の予鈴が鳴った。やっぱり「オシッコ」に行かなくては。アタシとみっちゃんは一緒に連れだってトイレに急いだ。男子にはわかんないかも知れないけど、女子にとってトイレは切実な問題だ。変な話男子が股間を手で揉んでオシッコを我慢してるのをよく見るけど、女子はそんな事しても無駄で、お洩らしするよりない。だから万全を期して授業の合間にはなるべく行くようにしてる。高校に上がってからはみんな同じようにミニスカにしてるから下半身の冷えも深刻で、休み時間の女子トイレはいつも大繁盛だ。とは言えさすがに毎時間行く事はないと思われるかも知れないが、絶対連れ立って行くものだから結局ほとんどトイレに行ってる感じになる。

 そう、いつも3人で仲良くトイレに連れションに行ってたのだ、ついこの間までは。なのに、2年生に上がってしばらくしてから、それまで大人しい真面目っ子でクラスでは一番まともな丈のスカートをはいてたはずのサヤカが急にビックリする程スカートを短くし始め、まるでアタシ達を避けるかのように1人でトイレに行くようになったのだ。これは何かあったのかと、勘ぐっても当然だろう。

 が、みっちゃんは知らないけど、アタシにとっては当面ヤバいくらいになってた尿意の方が問題でサヤカの事なんか考えてる余裕はなかった。廊下を走ってトイレに駆け込み、空いてた個室に入りすぐに便座に腰掛け、黒いスパッツとパンツをずり下ろす。ふう〜、助かった。水を大量に流して資源の無駄使いをしながら、アタシはしょーもない事を考えた。やっぱり女子は大変だ。ズボンのチャック開けて穴からおちんちんを取り出せばすぐに用が足せる男子に比べて、オシッコに取り掛かるまでの手順も女子の方が多い。スパッツなんぞと言う余計なものも、こういう切羽詰まった状況の時は邪魔以外の何物でもなく、これをずり下ろしてる時に危うくお洩らしして掛けてしまう所だった。

 ともあれ無事オシッコを終えて、アソコをフキフキしてると、ちょっとえっちな気持ちになった。ヤだね、何考えてんだろ、アタシ。1年の夏休み、アタシは付き合ってた電子科の男の子とえっちしてロストバージンを経験した。アタシ達3人組は全然奥手の方で、中学までは男の子と付き合った事もなかったんだけど、クラスの他の子達はもうかなりしちゃってるみたいだった。だからアタシもちょっと焦る気持ちがあって、大して好きでもなかったその男の子に求められるままに彼の家に行って、されちゃったのだ。

 結果は思ってた以上に悲惨で、血が出るわメチャクチャ痛いわで、アタシはちょっとしたパニックになってしまった。彼の方も、何だか余裕ぶっこいてるようなフリしてたけど、たぶん初めてだったんだと思う。キスしておっぱいを揉んで、アソコをナメて、って一生懸命やるんだけど、全然気持ち良くなかった。そして「これだけ濡れてれば大丈夫かな?」ってアソコをナメる口を離して言った彼に、アタシは(違うよ、これ全部アンタのつばじゃん。)って思ったけど、もちろん言えなかった。彼はそれから挿入する場所がよくわからないみたいで、もう焦ってるのが丸わかり。それでなくても白けて(早くすませてよ)と思ってたアタシだけど、実際に入れられてみて、余りの痛さにマジ泣きしパニックに陥ってしまったと言うわけだ。

 あー、セックスってこんなもんなんだ。初めては痛いって聞いてたけど、次からは大丈夫かなあ、何て思いながら、その男の子とはすぐに別れてしまった。アタシ達高校生の恋愛なんてこんなもの。クラスの子を見てても、何ヶ月も付き合いが続いてる子の方が珍しいくらい。その中でえっちもするし、経験を積んで大人になっていくんだと思う。

 後の2人は未だに男の子と付き合った事はない。自分でそう言ってるんだから間違いないと思うが、みっちゃんはとにかく部活が忙しく、ほとんど休日返上で走ってばかり。あんなハードな練習、アタシだったら1日で体を壊してしまいそうだ。だから男の子と付き合う余裕なんかないだろう。それに言っちゃ悪いが、本当に男の子みたいな外見のみっちゃんが、男の子にモテるとはとても思えなかった。

 サヤカはその点、男の子に好かれそうな容姿だ。背が低くて色白で、顔立ちもお人形さんみたいにかわいらしい。が、サヤカは超がつく程のマジメ人間で、小学生みたいな外見そのままに男の子に興味がないのではないかと思われるのだ。それにとても羞ずかしがり屋で、男子とはまともに口を利く事も出来ないようだ。アタシが、サヤカに男が出来た、と言うみっちゃんの言葉をすぐに否定したのはそういう理由による。

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