ヘンタイ教師
二次元世界の調教師:作

■ 7

 目が覚めた。いや誰かに覚めさせられたのだ。

「気が付きましたか?」

 目を開けると「ヘンタイ鬼畜教師」宮本とモロに視線が合ってしまい、アタシはすぐに思い出す。朝のHRで宮本から手渡された意味深な実は白紙のメモを、他の子達に見られないようトイレの個室で見ようとしたアタシは、その行動を完全に読んでいたこいつに待ち伏せされ、布のような物で変な刺激臭を嗅がされ気絶してしまったのだ。

「んーっっ!!」

 咄嗟に声を上げようとして、口一杯に丸くて柔らかいボールのような物を詰められており、全く言葉にならない事がわかった。そのボールに空いていると思われる穴からアタシの涎がこぼれて、頬を冷たい感触が伝う。声を出そうともがけばもがく程、かえって惨めな思いにさせられる嫌らしい口枷のようだ。アタシの体は床に横倒しに転がされていて、背中に回された両手には手錠が掛けられているようだった。冷たい金属の感触とガチャガチャときしむ音でわかった事だ。

(宮本に捕まって拉致されたんだ……)

 すぐに事態を飲み込んだアタシは、手もなくアッサリと捕まってしまった自分のうかつさを悔やんだが、幸いセーラー服は着たままだったし、両脚は自由だった。でも本格的な手錠と口枷だけでも十分だった。さっきの気絶薬のせいだろうか、全身が猛烈に気怠くて手足に情けない程力が入らず、これは雁字搦めにされるよりもむしろ精神的に応えた。もう駄目だ。こうしてアタシも「ヘンタイ教師」宮本に「いたずら」をされてしまう運命なのか。気持ちが萎え観念するに連れて、ゾクゾクとおぞましい興奮が込み上げて来るのをアタシはどうしようもなく感じていた。

「授業をサボってた罰です。
 そこに正座しなさい。」

 宮本がそう言うと、手脚が萎えているアタシの体を起こして正座の姿勢を取らせた。うう。何と言う事だ。アタシの体はまだ十分自由が利くはずだ。相手は小柄で貧相な気の弱い中年男だ。立ち上がって体当たりすれば吹っ飛んでしまうだろう。でもアタシはこのヘンタイ男に操られるように、言われるがまま正座してしまうのだ。手脚に力が入らないと言うのは言い訳に過ぎない。

 ゾクリ……

 するとこの「ヘンタイ教師」の命令に素直に従ってしまったと言う事実そのものが、アタシの中の嫌らしい物を呼び覚ましてしまい、背中に回した手を拘束する手錠の冷たさと、正座した脚が感じる床の固さが、そのおぞましさを増幅した。この感覚は、昨日サヤカと接した時にも感じたゾクゾク感だったけど、本当に自分が「ヘンタイ教師」に捕まってえっちな「いたずら」をされちゃうんだと思うと、その興奮はもう抑え切れないくらい高まって、心臓がバクバクしてる感じがした。

 は、そうだ。自分の事で精一杯だったけど、サヤカとみっちゃんは? アタシは部屋の隅に正座させられたので、部屋の中を探すようにグルッと目線を動かした。この部屋には見覚えがある。宮本が根城にしている国語準備室だ。アタシのほぼ正面に宮本が立っていて、その右手奥の方にサヤカは立っていた。何だ全然普通の格好じゃない。スカートは超ミニだけど、アタシのように手錠だの口枷だのを付けられている様子はなく、じっと両手でアソコ付近を抑えて立つ例の格好で、アタシの方を黙って見ていた。

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